necojazz’s diary

ジャズを中心に雑食

『中島みゆき 劇場版 ライヴ・ヒストリー2007-2016 歌旅~縁会~一会』 

f:id:necojazz:20220211003015j:plain

 

2022.2.10 MOVIX三好 

中島みゆき 劇場版 ライヴ・ヒストリー2007-2016 歌旅~縁会~一会』 

 

f:id:necojazz:20220211004912j:plain

 

中島みゆきさんのアルバムを購入した。

CD2枚+BD1枚の3枚組『中島みゆき 2020 ラスト・ツアー「結果オーライ」』。

新型コロナウイルスの影響によって全24公演中8公演のみで終了してしまい、プラチナチケットを手にされていた方はさぞかし残念だったであろう。

それ以上にご本人の無念さは知る由もない。

 

www.youtube.com

 

今のところ単独のコンサートの情報もなく、もしかしたら.....と厭な二文字が脳裏を過る。

今月の23日で70歳になられ、いつまでも若々しい姿と歌声に年齢ではないと言っても、いつかはステージに立たなくなる日は必ずやってくる訳で、その日が来て改めて偉大さを知るのでは遅い。

コンサートに行けなくても大スクリーンと5.1サラウンドの大音響で鑑賞できる機会は貴重である。

 

youtu.be

 

映画は2007年から2016年まで「中島みゆき 劇場版」シリーズとして劇場公開された3つのライブ作品から厳選された15曲を再編集した総集編となっている。

ライブ映像のみで構成されており、ただただ中島みゆきの世界に浸り酔いしれるのみ。

普段みゆきさんを聴かれない方も耳にしたことがあるだろう曲が大半で、そういう方にこそ鑑賞していただきたい。

常に弱者に寄り添い、時代に取り残された人を歌い、スポットライトを浴びない人生に優しい光を当てる。

彼女の歌に励まされ救われた人はどれだけいるのだろう。

「ステージの上のビーナス」地上の星は燦燦と輝いていた。

 

www.youtube.com

 

数多ある中島みゆきさんの名曲の中から1曲選ぶとしたらと聞かれたなら『永遠の嘘をついてくれ』を選ぶ。

デビュー前からファンだった吉田拓郎さんがスランプに陥って「遺書代わりの曲を書いてくれ」とのオファーによって書かれた曲である。

特にこの動画は全ての動画の中で一番のお気に入りで、凛としたオーラとあくまでもゲストであることをわきまえた立ち振る舞いがカッコイイ。

 

www.youtube.com

 

ライブでは自分のオリジナルしか歌わないみゆきさんが唯一(たぶん)他の人の曲を歌ったのが𠮷田拓郎さんの『唇をかみしめて』で、『歌旅-中島みゆきコンサートツアー2007』(DVD・BD) に収録されている。

続けて『ファイト!』を歌われていて、拓郎さんが自身のコンサートで『ファイト!』を歌われたお返しだと思われる。

拓郎さんが歌う『ファイト!』と『永遠の嘘をついてくれ』は拓郎さんの曲だと思ってしまうほどの拓郎節がさく裂している。

 

f:id:necojazz:20220213112935j:plain

 

映画を鑑賞した翌々日『夜会 1990』のDVDが届いた。

夜会とはコンサートではない舞台の要素を取り入れた音絵巻で、1989年の初公演は映像化されておらず『夜会 1990』から映像化されていて、どうしても観たくなったがVHSしか持ってなかったのでポチっとしたのが届いた。

画面の中には38歳のみゆきさんが居り、それを見ながらブログを書いている。

 

まんぷく CAFE MAcK  スイッチ

f:id:necojazz:20220202195945j:plain

 

以前にご紹介した『まんぷく CAFE MAcK』。

日本フェザー級1位だった元プロボクサーの中村淳一さんがコロナ禍真っ只中でオープンされてから半年が経過した。

 

necojazz.hatenablog.com

 

お得なメニューもあって徐々についてきた常連さん達とのやり取りには、フランクな会話の中にも優しさを垣間見ることができて、今では中村さんのお人柄に惹かれて来られるお客さんも多い。

そんな中、評判を聞きつけた東海テレビの人気番組『スイッチ』の取材が入った。

 

f:id:necojazz:20220202200018j:plain

 

朝7時、オープン直後からドリンク代のみで食べ放題のモーニングバイキングの撮影が始まった。

番組のネタバレになるので撮影の内容は書けないが、スタッフの方も「凄いですね」と、舌を巻かれていた。

 

f:id:necojazz:20220202200045j:plain

 

微妙に角度を変えながら一番良いアングルを探すプロのセンスと技を見せさていただいた。

何をどんな感じで撮ったかは番組をご覧ください。

 

f:id:necojazz:20220202220017j:plain

 

午後からはBOYS AND MEN (ボイメン) の本田剛文さんが来られて、モーニングバイキングや名物メニューを食べながらのトークの模様が撮影された。

アイドルの中では図抜けていて、芸人さん並のトークの実力はラジオ好きとしても承知していたが、質問の素材を見つけて引き出したい方向へ持って行くプロのテクニックと頭の回転の速さはさすがであった。

こちらも番組でご確認を。

 

f:id:necojazz:20220202215658j:plain

 

手際よくサクサクと撮影が進み、かなりの撮れ高があったので、ばっちり面白い出来上がりになっていそう。

ぜひご覧ください。

放送日は2月16日 (水) とのことです。

 

四季桜  WATANABBQ  時代殺陣 蓮珠-Renju-

f:id:necojazz:20220129220556j:plain

 

愛知県の新型コロナウイルスの感染者数が最多を更新し続ける中、私の周囲もヤバい具合いになってきて、いつ自分が感染者や濃厚接触者になってもおかしくない。

そんな行動制限をしなければならない状況においても、自転車は感染や濃厚接触とは無縁だし、換気抜群の屋台でのお一人様もそうである。

コロナ禍で自転車に乗る時間が増え、自転車の楽しさや面白さをを再認識する今日この頃、金山辺りをポタリングしていると何処からか音楽が聴こえてきた。

 

f:id:necojazz:20220129220722j:plain

 

『音子島 in 金山にぎわいマルシェ』というイベントが金山総合駅南口で開催されていて、寒空の下かじかんだ指でギターの弦を押さえる熱のこもった歌声にしばらく足を止めて聴き入り、マルシェを散策すると『とろとろ たこ焼き 四季桜』という幟が目に入ってきた。

 

f:id:necojazz:20220129235818j:plain

 

コロナ禍になってからしばらく行けていないが、これまでにライブを聴きに大阪へ行った回数は20回は下らず、その際には結構な割合で本場のたこ焼き屋に足を運んでいる。

もちろん例外なくどのお店も美味しかったのだが、とろとろであればあるほど好みであり、尚且つ表面がカリっとしていれば言うことない。

 

www.facebook.com

 

その中で一番のお気に入りは枚方市にある『藤田川 (とうだがわ)』 。

大阪市内に行くのに遠回りして枚方経由で行くこともあった。

 

f:id:necojazz:20220129220630j:plain

 

店長オススメの岩塩を注文すると、50分待ちとのこと。

どうやら人気のお店みたいなので期待して待とう。

 

f:id:necojazz:20220129221024j:plain


待ち時間に拝見した『時代殺陣 蓮珠-Renju』の一糸乱れぬ気合の入った太刀さばきにバッサリと心が斬られた。

大太刀での剣舞南京玉すだれなど、飽きることなく楽しめて、鋭い目ぢからには美しさもあり、しかも花柄の剣士は超カワイかった。

 

f:id:necojazz:20220129221240j:plain

 

15時55分になったのでお店に行くと「81番の方~」と呼んでいて、私の79番は既に焼き上がっていた。

しまった、5分前に行くべきだった。

それにしても剣豪の如く見事なピックさばき。

 

f:id:necojazz:20220129221959j:plain


幟に偽りなしで、中はとろとろ、しかも表面はカリっと焼けていて、岩塩が味を引き締めている。

これは名球会入り決定の美味しさ。

藤田川のときのように真の焼きたてアツアツを食べ直したかったが、さすがにまた1時間近くは待てないので、出店情報を確認して次の機会にしよう。

 

f:id:necojazz:20220129220818j:plain

 

たまーに行く、藤が丘の人気店『いちから』。

「カリッ、とろっ」ではなく、「ふわっ、とろっ」といった感じで、将来歯がなくなったとしても、ここのたこ焼きだけは食べられる。

 

f:id:necojazz:20220129221148j:plain

 

イートインスペースがあって、焼きたてアツアツが食べられるのはありがたい。

ここの名物も塩味で、岩塩もめずらしいが、塩マヨネーズも他では聞いたことはない。

ちなみに藤田川にはクレイジーソルトなるメニューがあって、心斎橋に並んでいる『どないやねん』と『しらんがな』など、大阪は味だけでなくネーミングもさすがである。

 

f:id:necojazz:20220129220700j:plain

 

こっちのネーミングもなかなかのインパクトである『WATANABBQ』。

 

f:id:necojazz:20220129220525j:plain

 

ネーミングだけでなく、炭火でじっくりと焼き上げたフォルムもかなりのインパクトで、お店の方が愛情も込めていると言われたのは、それだけ手間隙を掛けて焼いているという意味でもあり、食べる前からそれが十分に伝わってくる。

 

f:id:necojazz:20220129220918j:plain

 

私が注文したスモークブリスケットもじっくりと手間隙を掛けることによって肉の旨みが凝縮され、たこ焼きに負けないほどのやわらかさ。

これは名牛会入り決定の旨さ。

スモークレッグチキンも食べてみたい。

目の前ので華麗に焼き上げるたこ焼きや修練の賜物である殺陣が匠の技と言うならば、手間隙かけたBBQは匠の心意気である。

コロナ禍により多くのイベントが中止になる中、愛知県では無店舗業者への補償はないみたいだし、全国的に見ても新たにキッチンカーを始める場合や、店舗のあるお店が店舗外でも出店する場合などに補助金が出る程度みたいである。

ステージ上のミュージシャンは「寒い中聴いてくださりありがとうございました」と、お礼の言葉を口にしていた。

王将戦第2局 もりけんTV将棋 加藤伎乃

f:id:necojazz:20220123232010j:plain

 

渡辺明王将に藤井聡太竜王が挑戦する第71期ALSOK杯王将戦七番勝負第2局が、1月22・23日(土・日)に大阪府高槻市「山水館」で行われ、藤井竜王が98手で渡辺王将に勝ち2連勝とした。

その前々日に発売された藤井竜王が表紙のNumber1044号は将棋特集の第3弾。

藤井竜王を表紙にしておけば安定して部数が稼げるという安易な考えは微塵もなく、今回も綿密な取材と深い知識に裏付けされた記事はどれも読み応え十分で、Number1018号より「令和名棋士案内」という連載を掲載されている大川慎太郎氏など、将棋記者の方々もフィールドが広がりやりがいも増していることだろう。

今回の対局では藤井竜王が自身最長となる2時間28分の大長考をする場面があり、名古屋駅から新幹線と山手線を乗り継いで渋谷eggmanまで行けてしまう時間である。

できれば長考中の藤井竜王の頭の中を記事で覗いてみたい。

 

f:id:necojazz:20220123232042j:plain

 

藤井竜王の地元、瀬戸市ではラジオサンキューのYouTube番組で応援配信をしていて、私も喫茶スマイルで一緒に応援しようと出先の用事を済ませて向かったが、思っていたより早く対局が終わり間に合わなかった。

 

f:id:necojazz:20220123232059j:plain

 

パルティ瀬戸に吊るされた大きな垂れ幕や喫茶スマイルに貼られたたくさんのメッセージなどに込められた地元のヒーローに対する熱い想いには格別なものを感じる。

 

f:id:necojazz:20220123232135j:plain

 

出先ではいつもの『もりけんTV将棋』の評価値放送で対局の様子をこまめにチェック。

王将戦第1局でバンされて盤面なしだが、『もりけんTV将棋』の一番の魅力はそこではない。

くに本物さん、あやさん、nakataじじいさん、碓氷裕美さん等々、書きだしたらキリがないもりけんファミリー達とのやり取りには地元のみなさんに負けない熱い想いを感じるし、初めてのコメントの方にも「ナイス初コメ」がたくさん付いて、何方もウエルカムのあったかさも感じる。

終局が16時16分頃で、そこから高級ビールを飲みながらの常連さんとのトークが続き、放送が終わったのは22時過ぎで、こんな評価値放送は他にはないだろう。

私もNumberを読みながらだらだらと楽しく最後まで参加させていただいた。

奈良在住で関西人愛として阪神ファンであるもりけんさんは途中で野球の話で例えられていたが、私は地元愛で中日ファン

 

f:id:necojazz:20220123232258j:plain

 

www.amazon.co.jp

 

昨年9月に発行された『嫌われた監督』は圧倒的なリアルさと筆力で中日ファンならずともすべての野球ファンにオススメできる。

著者の鈴木忠平氏は2019年までNumberの編集部に所属しておられたそうだ。

この日の勝利で藤井竜王は今期の勝率を8割に戻したが、タイトル棋戦の通算の勝率は84.8%で、一般棋戦の79.5%を上回っている。

タイトル棋戦はトップ棋士との戦いばかりになるが、一般棋戦より勝率が良く、8割を大きく超えているというのは凄いという言葉では到底足りない。

ここぞという時の戦いは鬼武者である。

野球で例えるなら、同じ3割打者でもどうでもいいところで率の高い打者とここぞというところで率の高い打者ではまったく印象が違う。

選手時代の落合氏はここぞというところで打ってくれた真の四番打者であった。

常に率が高く、ここぞというところで更に率を上げる藤井竜王は、四番打者の中の四番打者である。

 

f:id:necojazz:20220123232327j:plain

 

本の中ではもちろん2007年の日ハムとの日本シリーズでのパーフェクト目前の山井投手の交代劇についても書かれているが、その試合はDVDに録画してありその場に私も居た。

 

f:id:necojazz:20220123235643j:plain

 

川上憲伸さんのユニホームにヘルメットかぶりレフトスタンドでメガホンを叩いていた。

なぜビジター側かというとチケットが入手できずダフ屋で購入したのだが、ライトスタンドは高くて断念したからである。

球場全体で山井コールが巻き起こる中でのピッチャー交代のアナウンスに、歓声はどよめきに変わり、私も「うっそー」と声を漏らした。

その時の内情はいろいろなところで語られているが、事細かに真実が書かれているので、ぜひご一読を。

 

f:id:necojazz:20220123232417j:plain

 

聴き始めは地元愛からだったが、今や完全に詞と曲と歌唱力とギターテクニックに惚れ込んでいる瀬戸市出身のシンガーソングライター加藤伎乃さん。

黒井ミサではありません。

 

f:id:necojazz:20220123232448j:plain

 

プロフィールにも「愛知県瀬戸市出身のシンガーソングライター」と書かれていて、藤井竜王に続いて全国区になってもらいたい。

 

www.youtube.com

 

その彼女が、世界最大のインディーズライブ『エマージェンザ』の予選を勝ち抜いて準決勝への進出が決まった。

 

emergenza.windgate.co.jp

 

優勝すればドイツで開催される野外フェスに出演できるので、全国区を通り越して世界に向けてアピールできる。

 

f:id:necojazz:20220123232510j:plain

 

準決勝は5月21日(土)に渋谷eggmanで行われる。

会場での挙手とネット投票で決勝進出者を決めるそうだが、紅白歌合戦みたいに会場での挙手の方がポイントが高いらしい。

興味のある方はぜひ会場やネットでご参加お願いします。

バンドでも活動されているが、今回は弾き語りでの出場ということで、バンドでステージに上がるよりも心細さはあるだろう。

当日は会場で応援するので、少しでも力になればと思う。

『愛のくだらない』  映画コンパ!略して映コン!(シネコンじゃないよ) 2021年マイベスト10映画を語ろう編

f:id:necojazz:20220116111906j:plain

 

2022.1.15 シネマスコーレ 野本梢監督 『愛のくだらない』

 

necojazz.hatenablog.com

昨年の2月に愛のくだらないTシャツを購入してから11カ月。

ようやく鑑賞することができた。

 

www.youtube.com

 

誰しも生きづらさを抱えているのだろうが、他人の生きづらさについては無関心である。

もちろん私も生きづらさを抱えているが、他人も無関心だろうし、悟られないようにもしている。

LGBTに妊活に仕事上の理不尽やネットの書き込み等々、一見いろいろ詰め込み過ぎのように思えるが、実際の社会でも生きづらさはてんこ盛りで、誰しもが自分と同じように生きづらさを抱えて生きているのだと気付けばもう少し寛容な社会になるだろう。

生きづらさで転んでも立ち上がれば人として強くなり成長できる。

清掃員のおじさんの過去が気になるが、野本監督の理想の人間像なのかも。

 

f:id:necojazz:20220116112008j:plain

 

舞台挨拶には野本梢監督、主演玉井景役の藤原麻希さん、景の友人スミス椿役の橋本紗也加さんが登壇され、俳優のお二人はこれまでの野本作品に主演・出演されていて、気の置けない仲間によるざっくばらんなトークとなった。

作っては壊し作っては壊しを繰り返しながら作品を形付けていく野本監督の手法に、描いては塗り重ね描いては塗り重ねをすることによって深みを増す油絵のようにストーリーの深みがどんどん増していく様子が伺えた。

最初にデッサンした逆プロポーズは影も形もなくなっている。

 

f:id:necojazz:20220116112032j:plain

 

この作品にはジェンダーによる生きづらさもテーマになっていて、ラジオを聴いていたらたまたまSDGs (持続可能な開発目標) の「ジェンダー平等を実現しよう」について話していて、日本の達成度は4段階のうち最低レベルということだった。

国会議員に占める女性の割合は9.9%で191ヵ国中147位。

男女の賃金差は24.5%で女性の賃金は男性の75%ほどしかない。

家事や子育てなどの無償労働の男女差は1日あたり183.5分で3時間以上女性の方が多い。

その中でこのところの女性映画監督のご活躍はめざましいものがある。

 

f:id:necojazz:20220116112104j:plain

 

シネマスコーレに行く前にシアターカフェにて、映画コンパ!略して映コン!(シネコンじゃないよ) に参加して2021年に観た映画マイベスト10について語り合った。

私のマイベスト10

1.くじらびと

2.少年の君

3.アイダよ、何処へ

4.BLUE/ブルー

5.あのこは貴族

6.素晴らしき世界

7.先生、私の隣りに座っていただけませんか?

8.由宇子の天秤

9.のさりの島

10.東京自転車節

おまけ.偶然と想像 (1/3に鑑賞のため)

 

『くじらびと』観て、2014年マイベスト10の1位『ある精肉店のはなし』を思い出した。

 

www.youtube.com

 

牛の飼育から、屠畜、解体、販売までをやっている精肉店を営む一家のドキュメンタリーである。

 

www.meg-snow.com

 

生物学上、鯨と牛は同じ目(もく)で、反捕鯨団体はもちろん牛も食べていないよな、と言いたくなる。

鯨の目がアップになり涙を流すシーンがあり、牛も涙を流すと言われていて、それが生理的なものなのか感情によるものかはわからないが、インドネシアのマレラ村に住む人々が手作り舟と銛一本で命を懸けて鯨に挑む姿には、愛情を込めて育てた牛を屠畜するときの神聖さをも感じた。

必要以上に獲ることはせず、感謝し、分配し、肉や皮だけでなく骨以外はすべて活用し、大自然と調和していて、命は循環している。

 

www.youtube.com

 

舟に乗せてもらっての撮影ができたのは1991年から取材を重ねて村人たちとの強い絆を築いてきたからであり、ドローンを駆使した空撮と水中や舟上からの接写による鯨との死闘を撮った観たことのない圧倒的な映像をスクリーンで鑑賞することができて良かったが、これこそIMAXの大スクリーンと大音量で体験すべき作品。

 

他の方のベスト10で気になった作品。

 

www.youtube.com

 

メイキング映像を観て驚いた。

そりゃ7年かかるわな、というより、よく7年で撮ったなというくらい壮大で綿密で拘り抜いている。

7年後の次回作も期待してます。

 

www.youtube.com

 

阪元裕吾監督の作品だが、ノーチェックでした。

『ベイビーわるきゅーれ』よりこちらを推していることから間違いなくに面白そうだが、絶対にネタバレ厳禁ということで詳しくは聞けず、更に気になった。

 

necojazz.hatenablog.com

 

シアターカフェに持って行く差し入れで、以前にご紹介したショコラトリー Chii•Luhaitme (チィ・リュエーム) のムースショコラを購入した。

 

f:id:necojazz:20220116111951j:plain

 

ピカピカに光ったムースショコラは濃厚で滑らか。

中には塩キャラメル風味のムースが入っていて最高に美味しく好評だった。

お店はなく、豊田市にあるご自宅の蔵を改装した工房で作られていて八草駅で受け取ったのだが、お父さんが運転する車の助手席にはお母さんがいてご家族総出で配達していただいた。

車の中から何度も頭を下げてくださり恐縮です。

洋菓子屋で働くという選択をしないのは彼女は他人とのコミュニケーションに生きづらさを感じているからなのだろう。

無理せず自分のペースで美味しいケーキを作ってください。

 

www.youtube.com

 

私のベスト10の中では『あのこは貴族』も階層による生きづらさ (息苦しさ) を描いていて、上流階層では結婚相手は家柄と身分と家族の承認が大切らしく、嫁いだ先でも家柄を尊重しなければならない。

主人公は、生まれたときからプログラミングされているのでそれに何の違和感を持たないが、階層が違う女性との出会いが彼女を変える。

『あのこは貴族』の階層による生きづらさの続編として、国家レベルによるプログラミングをもろともせず、周囲や国民の反対も押し切って、金も儀式もクソくらえ、と生きづらさを打ち破って愛する人と結婚するという『あのこは皇族』が観たい。

truth 〜姦しき弔いの果て〜  おーたけ@じぇーむず

f:id:necojazz:20220110205446j:plain



f:id:necojazz:20220110212126j:plain

 

2022.1.9 センチュリーシネマ 堤幸彦監督 『truth 〜姦しき弔いの果て〜』

 

年末に車でCBCラジオを聞いていると、堤幸彦監督の新作映画『truth~姦しき弔いの果て』の特集番組が流れてきた。

堤監督の記念すべき50作品目はなんと自主制作映画ということだ。

1988年に故森田芳光氏、総指揮・脚本によるオムニバス映画『バカヤロー!私怒ってます「英語がなんだ!」』で映画監督デビューされてから、テレビドラマを含め、ずっとメジャーのど真ん中を歩んで来られた日本屈指のヒットメイカーによるインディーズ作品とは面白そう。

そのきっかけはコロナ禍に依るもので、映画業界の仕事がことごとく中断や中止になる中、俳優の広山詞葉さんが発起人となって、福宮あやのさんと河野知美さんに声を掛け、文化庁補助金で自主映画を撮ろうという話になったとのこと。

監督は誰にしようかと広山さんが以前一緒に仕事をされたことのある堤さんに相談された際に受けられたそうだが、広山さんが監督が堤さんに決まった話をされた時に他の2人は「何処のツツミさん?」となったらしい。

普段は、数億円の製作費は当たり前、作品によっては数十億円の制作費で映画を撮られている監督が、制作費700万円で撮るわけだから、誰しもそう思うだろう。

1月9日にはセンチュリーシネマで舞台挨拶もあるとのことで、その日は夜に鑪ら場のライブに行く予定だが、間に合いそうなのでネットで予約をした。

 

f:id:necojazz:20220111172929j:plain

 

だが、前日に再度時間を確認してみると、ガーン!。

いつもの早とちりで、鑪ら場の開演時間が19時30だと思い込んでいたのが、日曜日のため17時30分だった。

舞台挨拶が終わってから向かうと、おそらく1時間以上遅刻してしまう。

チケット代は既にカード引き落としがされていて、キャンセルできないのは仕方ないにしても、舞台挨拶が見られなくなったのは残念。

その前の回を鑑賞することにした。

 

www.youtube.com

 

喪服姿の3人の女性がビルの1室で鉢合わせとなる。

付き合っていた男性の葬儀の後、彼の部屋に来たのだが、三股を掛けられていたことがわかり、まったくタイプの違う3人が誰が一番愛されていたのかマウントを取り合う。

その果てにある真実とは?

 

制作費が何億と言っても、有名俳優の出演料や大勢のスタッフの人件費などが大半を占めている訳で、そこを撮影日数2日間、出演者は前述の3人+忖度出演の佐藤二郎さん(写真と声のみ)、撮影はビルの地下の一室でのワンシチュエーションムービーという手法を用いて、ローコストでハイクオリティの作品となった。

物理的制限があるからこそ思考的自由が活性化され、アイデアと工夫が生まれ、質と熱が増す。

堤監督にとって50という数字はとくに意味を持たないと思うが、宣伝費を掛けられない自主映画にとっては持って来いの話題性であり、50作品目になるべくしてなった作品だと思える。

 

www.facebook.com

 

河野さんは以前に迫田公介監督『父の愛人』で拝見していて、その作品も妻と娘と愛人という3人の女性が描かれていた。(撮影は10年前で、河野さんは愛人ではなく娘役でご出演)

こちらはさらに低予算だが、映画はお金で撮るのではなく、撮りたいという強い熱意で撮るものである。

 

f:id:necojazz:20220110221912j:plain

 

映画を鑑賞後、おーたけ@じぇーむず目当てで鑪ら場へ。

 

necojazz.hatenablog.com

 

昨年の12月に加藤伎乃さん目当てで行ったライブで片足が沼に嵌り、この日もう一歩踏み出したら見事にどっぷりと頭まで嵌ってしまった。

ギターはもはや身体と一体であり、感情を吐き出すように掻き鳴らし、声からは歌いたいという熱が伝わってくる。

前回、中村佳穂さんを思い浮かべたと書いたが、佳穂さんにはない毒を持っていて、沼の深さはじぇーむずの方が深いかも。

マイケル・ジャクソン張りのリズム感とポール牧師匠を彷彿とさせる指パッチン。

コロナ禍の中で光が差した情景を即興で歌った『バスタ新宿名古屋駅行き高速バス、ジャニオタ号』(曲名は勝手につけさせていただいた) でちょっと笑わせ、続けてコロナ禍で苦しかったときに作ったという曲で熱が沸騰する。

 

www.youtube.com

 

高円寺には一度だけ立ち寄ったことがある。

吉祥寺に向かう途中にいつもの早とちりで「寺」と聞こえたので、間違えて下車してしまった。

なので、正確には立ち寄ったとは言えず、今度ゆっくりと歩いてみたい。

 

f:id:necojazz:20220111214453j:plain

 

前回 valentinedrive ではスタジオ録音は完売のためライブ盤を購入したが、この日は多めにCDを持って来ておられて1枚購入した。

他のも買おうかと思ったが、2月19日にも新栄にある Hunny- unny に来られるそうだし、ちょくちょく名古屋に来ていただけるみたいなので、1枚ずつ揃えて行こうと思う。

レーベルは應武商店となっていて、いわゆる自主制作CDである。

聴き手としてはメジャーレーベルだろうが自主制作だろうが、中身が良ければ関係ないが、アーティスト側としてはいくら中身に自信があってもまず聴いてもらわなければどうしようもない。

自主制作映画に至っては上映してもらう場所を探すだけでも一苦労である。

 

www.youtube.com

 

かと言ってメジャーデビューすればすべてがバラ色になる訳ではない。

関わってくる人が多ければ多いほど個人の裁量は狭くなるし、売れなければすぐに契約解除となる。

一寸先は闇である。

おーたけ@じぇーむずと一寸先闇バンドには自由なままでバカ売れしてもらいたい。

それだけのポテンシャルは持っている。

HIKARU IWAKAWA SOLO BAROQUE

f:id:necojazz:20211229120841j:plain

2021.12.26 Hase  岩川光 (quena)

 

四半世紀程前になるが、生涯心に残るバロックの演奏を聴いた。

名古屋市民会館 (現日本特殊陶業市民会館) 大ホール (現フォレストホール) で拝聴したヨーヨー・マのソロチェロリサイタル。

J.S.バッハ/無伴奏チェロ組曲、ワイルド/サラエヴォチェリストに、心の深い深いところが静かに揺さぶられた。

 

f:id:necojazz:20211229122049j:plain

 

この日は他にも予定があったため、到着したときには既に2ndが始まっていた。

扉をゆっくりと音を立てずに開閉して会場に入ると、J.S.バッハ/無伴奏バイオリンパルティータが厳かに響いていた。

私の椅子も用意されいたが、腰掛けるときの僅かな音も憚るような雰囲気だったので、立ったままで後方から拝聴することにした。

 

f:id:necojazz:20211229120918j:plain

 

ケーナでバッハを吹いてみました的な再現音楽ではない。

バッハの意図や精神を理解しつつも、その時代に縛られることなく、今この空間でバッハの音符に新たな命を吹き込む。

その魂の籠った響き、抑揚、流れは、まさに神技。

Haseのしじまに響く音色は、四半世紀前と同じように神懸かっていた。

 

f:id:necojazz:20211229122206j:plain

 

2022年1月18日には、東京オペラシティリサイタルホールで岩川さんのコンサートがある。

ケーナ奏者、ケーナファン、ケーナのこれからにとって、画期的な日となるだろう。

田中健さんは聴きに来られるのだろうか。