necojazz’s diary

ジャズを中心に雑食

かくれみののきせつ ~はる~

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2022.3.20  静岡UHU かくれみののきせつ ~はる~

ゼンザエース もよぽん かくれみの 黒木麓 一寸先闇バンド(アグレッシブ)

 

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10分ほど遅れて到着し、地下への階段を降りて行くとゼンザエースさんの憂いを帯びた歌声が聴こえてきた。

UHUのBOSS でもある。

人生の酸いも甘いも噛み分けた歌声に、寒いトイレで暖かい便座に座ったときのような温もりがじんわりと沁み渡ってきた。

受付の際にお目当ての出演者を聞かれたので「かくれみのさん(以下みのさん)」とお答えすると「どうもありがとうございます」と頭を下げられた。

顔は存じ上げないが、どう見てもこの人がみのさんでファイナルアンサー。

おーたけ@じぇーむずさん(以下じぇーさん)率いる一寸先闇バンドの鍵盤&コーラスで、じぇーさんとふたりでの一寸先闇バンド(アグレッシブ) やソロでの弾き語りもされている。

 

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ライブの前日にNHKで放送されたドラマ『エンディングカット』。

音楽担当は石若駿さんと小田朋美さんがされていて、挿入曲は中村佳穂さんが歌われているとのことで楽しみにしていたが、日本酒で寝落ちしてしまい目が覚めたら小太りのお兄ちゃんが熱唱していた。

どうやら見逃してしまったようだ。

寝ぼけながら、3/24(木)午前0:15~ の再放送を確認してホッと一息、録画予約を完了した。

過去に小田さんと佳穂さんのツーマンライブを2回企画させていただいていて、1回目は初顔合わせにも関わらず会った瞬間から10年くらい一緒にやっているような雰囲気で、何も決めていないアンコールでのピアノの連弾は鳥肌ものだった。

その後対バンなどでの共演もあって、2回目はさらに気心は知れ、何も決めていないアンコールの2台ピアノではお互いの新曲をアドリブで組み込むなど、鼻血ものの神ライブだった。

そして、その神ライブを企画したときと同じワクワクを感じる鳥肌&鼻血案件が決まった。

7月16日(土) KDハポン、一寸先闇バンド(名古屋初) & avocado boys。

詳細は後日お伝えするが、どちらもフルメンバーですぞ!

 

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UHUは静岡県のご出身であるみのさんが頻繁に戻られるホームグラウンドで、東京からのバスの中で詩を考えてはココで即興演奏をすることを繰り返して鍛えられた実戦力は小田さんや佳穂さんにも引けを取らない。

同じく、コロナ禍前は年間200本の実戦をこなしてきたじぇーさんの足腰の強さも天下一品で、このふたりの掛け合いはまさにアグレッシブ。

誰の真似でもない本能で搔き鳴らすじぇーさんのギターはいつもに増して吠えていた。

 

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この日までのまん延防止措置でアルコールの提供はNGだったため、ビールもどきをみのさんとじぇーさんに一杯ずつご馳走すると、二杯分のお返しとして、じぇーさんデザインの小袋とコースターをいただいた。

そういうシステムになっているそうだ。

じぇーさんのビール好きは承知していたが、みのさんもかなりの上戸のようだ。

7月16日は思う存分、歌って弾いて飲んでいただこう。

 

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UHUはアットホームな良いお店だった。

翼を模したロゴマークウィングスがお好きだからかな?

そう言えば『ピカソの遺言』が掛かっていたような気がする。

 

twitcasting.tv

アングラ破調系アコベ弾き語りのもよぽんさんの不思議な魅力に引き込まれ、ブルースBAHO'S RAG系アコギ弾き語りの黒木麓さんはカッコ良く、どちらも好みで素敵な夜だった。

ライブ当日より14日間視聴できるので是非。

 

栗林すみれ & 西嶋徹 DUO

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2022.3.8 Mr.Kenny's 栗林すみれ (pf) 西嶋徹 (b)

 

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西嶋さんの心潤す歌うようなベースラインに身を寄せ、その心地良さに「全部即興になりそうなのを堪えて曲を弾いています」とすみれさん。

でも即興への流れが自然過ぎでどの部分から即興なのかわからない。

以前の投稿でもすみれさんの演奏をキース・ジャレットに例えたが、キースのケルンコンサートが即興ではなくてもともとあった曲であるかのように、すみれさんの即興もその域にあると感じた。

「眠くなられたすみません」と仰っていたが、眠くなるどころか、むしろ完全即興のライブをお聴きしたい。

 

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それぞれのオリジナルのみで構成されたライブは、出会ってまだ1年というのが嘘のようにお互いを理解し合って気配りが利いたバランスの良さとエレガントで深みのある余韻で30年ものくらい熟成度を感じた。

 

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2nd の1曲目に演奏された『Spring Hymn』。

すみれさんが東山魁夷画伯の『行く春』にインスパイアされ、オーストラリアに帰国されたトランペッター、二ラン・ダシカさんに向けて書いた曲とのこと。

『行く春』は、小川が流れる緑の苔の上に桜の花びらが散り敷かれている春の終わりを惜しむかのような作品で、おそらく二ランとの別れを惜しむ気持ちと重ね合わせたのであろう。

二ランとは『SUZAKU』のリリースライブで東山画伯についてお話をさせていただいたが、二ランの東山画伯好きはすみれさんからの影響とは知らなかった。

ピーター・バラカンさんがラジオですみれさんのライブを紹介する際にこの曲を選曲されていて、ピーターさんも唸る美しさ。

 

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そして西嶋さんは私が主催させていただいた東山魁夷画伯の作品を音楽で綴る『KAIIを奏でるSpecial』で名古屋にお越しいただいていて、6年前のことを懐かしくお話しさせていただいた。

その時のFacebookの投稿を見返して、善行寺にライブが成功したお礼に行っていないことを反省しつつ東山画伯の作品の前でライブをしたいというすみれさんの夢のお手伝いができればと思った。

微力ながらお力になれると思うので、また今度ご相談させてください。

牛田智大 ピアノ・リサイタル

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2022.3.4 愛知県芸術劇場コンサートホール 牛田智大 ピアノ・リサイタル

 

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会場の拍手がどよめきに変わった。

3回目のアンコールが終わり拍手に呼び出されて再びステージに立たれると深々とお辞儀をされ、誰しも舞台袖に戻られると思っていたところステージの真ん中へと向かわれた。

これまで数百回 (内クラシックは両手で数えられるくらい) というコンサートやライブに足を運んでいるが、4回目のアンコールは記憶にない。

 

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アンコール

ショパン 葬送行進曲  

リスト 愛の夢 

リスト 献呈 

シューマン トロイメライ

 

ジャズのライブでは次に演奏する曲をその場で決める場合も当たり前にあるが、クラシックのコンサートではプログラムをかなり以前から決めておく必要があり、奇しくもロシアによる侵攻を受けて50万人を超えるウクライナ人がポーランドへ退避している報道があった翌日に演奏されたオール・ショパン・プログラム。

ショパンの人生に非常に大きな影響を与えた出来事のひとつに、ショパンが祖国ポーランド出国直後に起きた、 「ワルシャワ11月蜂起」がある。

出国のわずか20日後、ワルシャワでロシアの統治に対する武装蜂起が勃発するが、結局革命は失敗に終わり、故郷は再びロシアの手に落ちたことを異国で知ることになる。

この悲報で、ショパンは激しい錯乱状態に陥り、神を呪い、帰るべき場所を奪ったロシアを憎み、闘いを放棄した自責の念に苦しむ日々を送り、その様子が当時の彼の日記に綴られている。

牛田さんの祈るような表情、魂を込めたタッチにショパンの姿を見たのは私だけではないだろう。

 

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昨年開催されたショパンコンクールの一次予選での演奏。

二人の日本人がファイナリストになり、他にも三人が3次予選に進み、日本人の活躍は目覚ましかったが、その中で一番コンサートでお聴きしたいと感じたのは二次予選で敗退した牛田さんだった。

悲報を受けた頃に作曲された『革命』(9:00~) は祖国を思う慟哭のように聴こえる。

 

ebravo.jp

 

ショパンコンクールに関する記事もいろいろと読んだが、このインタビュが一番納得でき、腑に落ちた。

ショパンコンクールと聞けば何か崇高なイメージがあるが、商業イベントであることは否定できないし、オリンピックの採点競技も然りである。

ある審査員は、インターネットなどにより時代が変わってきたことによって、以前の確固としたものから変化を受け入れ、ショパンらしいとされた演奏とは違う解釈を聴けるようになり、審査員も幅広いスタイルを受け入れるようになったという発言をされていて、ショパンにトレンドがあるのか?と疑問を感じた。

核心をついた素晴らしいインタビュー記事なので、ぜひご一読いただきたい。

  

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アンコールの2曲目を演奏されたあと、『葬送行進曲』についての説明があった。

ただ死を悼むだけでなく、B♭(birth) と D♭(death) の音が繰り返えされていて、最期は生きることを選択する構成になっているとのこと。

感情が抑えきれないのか、その声は少し震えているようだった。

楽家としてはポリティカルな発言は控えたいということであったが、その思いは演奏で十分に伝わってきて、根こそぎ持って行かれた。

そして、愛知県芸術文化劇場の前にある、中部電力MIRAI TOWER (旧テレビ塔) と オアシス21の水の宇宙船が、ウクライナの国旗と同じ青と黄色にライトアップされていた。

 

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翌日、少し前に伺った『名曲喫茶ニーベルング』に行くと、「この前きてくれたよね」と、マスター。

覚えていてくれていた。

 

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相変わらず入口のカーテンは半開きで、看板の電気は暗くなれば点けるのかな。

 

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前回はスピーカーに背を向けて座ったので気付かなかったが、スピーカーに向かって座ると半開きのカーテンの理由がレコードラックを隠すためだと分かった。

 

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マスターに牛田さんのコンサートの様子を報告をし『葬送行進曲』をリクエストした。

 

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正確には『ショパン ピアノ・ソナタ 第2番 《葬送》変ロ短調 作品35』。

第三楽章が有名な『葬送行進曲』(12:23~)。

出だしと終わりの暗く重いフレーズは誰しも知るところだが、中間部の美しいメロディはコンサートに足を運ぶまでは知らなかった。

マスター「アルトゥール・ルービンシュタイン」覚えました。

牛田さんを追って行きたいので、またいろいろと教えてください。

片袖の魚 + 東海林毅ショートフィルム選

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2022.2.27  白壁シアターカフェ 『片袖の魚 + 東海林毅ショートフィルム選』

『23:60』『ホモソーシャルダンス』『帰り道』『片袖の魚』

 

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LGBTQ+とは、Lesbian(レズビアン、女性同性愛者)、Gay(ゲイ、男性同性愛者)、Bisexual(バイセクシュアル、両性愛者)、Transgender(トランスジェンダー性自認が出生時に割り当てられた性別とは異なる人)、QueerやQuestioning(クイアやクエスチョニング、自身の性自認性的指向が定まっていない状態にある人や、敢えて決めない人) の頭文字をとった言葉で、性的マイノリティを表す総称のひとつとして使われており、「+」にはほかにも様々なセクシュアリティがあること、枠を限定せず常に新しい多様性に開放的でいようという意味が込められている。

 

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『片袖の魚』の主人公ひかりはトランスジェンダーであり、それをトランスジェンダーであるイシヅカユウさんが好演されていて、とくに女性の声から思わず男性の声に変えてしまう電話のシーンは本気の女性でないとできないだろう。

そして、先ほどたまたまCBCテレビのニュース番組で67歳で女性になり第2の人生を歩み始めたトランスジェンダーの話題を放送していた。

小学生の時から生きることに違和感を感じていたが、当時は性同一性障害という言葉もなく違和感の正体がわからないまま男性として生活し、還暦手前でそれに気づいて今が一番幸せだと彼女は言う。

ただ気付いたとしても誰しもがそこまで到達するわけではなく、LGBTQ+ はそこそこ世間的に認知されるようになったが、まだまだカミングアウトをするには相当な勇気が必要で、それを出来ずに悩んでいる方は数多くいるだろう。

『尊く厳かな死』のシアターカフェでの上映会でお話を伺ってからチェックしていた中川駿監督の『カランコエの花』でもその苦悩が描かれていた。

そこから一歩踏み出したひかりの歩く姿は力強く、美しかった。

名古屋シアターカフェでは最終日の鑑賞となってしまったが、3月11日 (金) ~京都みなみ会館で上映されるので、関西方面の方は是非。

 

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昨年シネマテークで鑑賞した際にパンフレットを購入していたので今回はサントラを購入したが、34分の短編映画のサントラとしては驚きのクオリティーで、この日鑑賞した4作品を通して東海林監督の音楽への拘りも感じた。

 

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上映会終了後のリモートでの舞台挨拶は、東海林監督、イシヅカユウさん、広畑りかさんの豪華メンバーで、スクリーンの前に行っての質問タイムではあわわ状態。

劇中でデリカシーのない人々が悪気なく LGBTQ 地雷を踏みまくっていたので、地雷を踏まないよう言葉を選ばなくてはと思いながら、かと言ってあまり気を遣い過ぎると却って失礼になるのではとも考えてしまい訳が分からなくなり、「イシヅカさんは今日はお綺麗で...」と、とっちらかすと、オーナーの江尻さんから「いつもは綺麗じゃないみたいじゃないですか」と、つっこまれ、いつもを知らないのに「今日はいつもに増して一段とお綺麗で...」と、いよいよ地雷を踏まずとも自爆してしまった。

 

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近年 LGBTQ+ に関する映画やドラマなどの映像作品は頻繁に見かけるようになったが、音楽作品ではあまりないように思える。

音楽で表現するのが難しい部分はあると思うが、その中でふと思い出したのが甲斐バンドの『ボーイッシュ・ガール』。

1983年にリリースされたアルバム『GOLD/黄金』に収録されてる曲で、当時トランスジェンダーという言葉があったかも知れないが私は知らなくて、それでも歌詞はカッコ良かった。

「本気の女さ」というところで「奴」はトランスジェンダーであることがわかる。

西山瞳 ピアノコンサート

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2022.2.23 西山瞳 ピアノコンサート  京都 NAM HALL

 

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年末の最終日曜日に開催されるの恒例の NAM HALL でのピアノコンサートだが、昨年末はスケジュールの都合で開催されておらず、これでようやく2022年を迎えられる気分になった。

京都の中でも平安神宮から近くにあり、訪れた当初は南無ホールだと思っていたが、NY ART MUSIC の頭文字をとっていて、宗教とは関係なく拝みながら聴く必要はない。

 

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昨年の9月にリリースされた『Calling』。

佐藤ハチ恭彦さん(bass)、池長一美さん(drums) によるトリオでの収録で、このトリオでのアルバムは2011年の『Music In You』、2013年の『Sympathy』の2枚がリリースされていて、8年ぶり3枚目となる。

ライブも2014年の大垣市日本昭和音楽村から7年ぶりにこのトリオでお聴きできるのを楽しみにしていたが、コロナ禍によりリリースツアーどころか2021年に予定されていた名古屋でのライブはすべて飛んでしまった。

Amazonで購入していたCDにようやく西山さんのサインをいただけたが、ハチさんと池長さんのがないのは寂しく思う。

 

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コンサートでも弾かれた『Folds of Paints』。

このトリオの特徴はその美しさに魅了される「耽美」さであり、常に美しさを探し求めている「探美」でもある。

照明を落とした仄暗い空間で、スタインウェイの煌びやかで伸びのある音色が反響し、繊細なタッチに意識を集中させていると、軽い瞑想状態に入ったのか、無になってただただひたすら聴き入る。

西山教の信者がありがたいご講和を拝聴しているような様子に見えるが、宗教とは無関係である。

 

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アルバムタイトル曲『Calling』は、西山さんのホームグラウンドであった神戸クレオールのマスター故秋田氏に捧げたナンバーで、マスターが敬愛されていたキース・ジャレットを意識して書かれたそうだ。

それを踏まえて聴くと仄かにキースの姿が見え隠れしていた。

西山さん曰く「キースはずっとアンタッチャブルだったので失敗してしましました」とのこと。

失敗と言っても曲が不出来と言うことではなく、結局自分の世界になってしまったという意味である。

マスターがキースなら同様に西山さんはエンリコ・ピエラヌンツィを敬愛されいて、もしマスターが聴かれたなら「自分の音を大切にすればよい」と笑顔で言われたかも。

 

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以前、期間限定で配信されていた『Calling』と同じトリオによる Studio Dede presents『Tokyo Basement Session』が、100枚限定でブルーレイディスク化されていて、残り少ない1枚を購入することができた。

 

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配信は拝見していて、演奏はもちろんのこと4Kの高画質での映像作品としても素晴らしく、経典のように手元に置いていつでも観られるのはありがたい濃密な102分。

そして、西山さんはすでに次のステップを踏み出されているようだ。

 

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エンリコが聴きたくなったので動画を検索してみると、『Castle of solitude』のソロピアノのありがたい動画を見つけた。

耽美なだけではなく躍動感が美しさを燃やし情熱的な演奏。

 

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アルバムではマーク・ジョンソンのベースが冴えまくって、気品さえ感じる。

ライブでキースを弾くピアニストは山ほどいるが、エンリコを弾く方は西山さんの他は思いつかない。

なので、これからもエンリコ教の信者の如くオタク道を貫いていただければと思う。

おーたけ@じぇーむず +山元ボラン卓・春日井直人

2022.219 新栄Hunny-Bunny

窓際のロマネスコ 二人飯 おーたけ@じぇーむず
 
 

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寒さが堪える日に右足に痛みを伴う痺れが走るようになった。

どうやら坐骨神経痛らしい。

坐骨神経痛というのは病名ではなく症状全般のことを言うそうで、私の場合は右足だけに症状が現れ立っているのも儘ならない場合がある。

この日のように冷たい雨が降っているとなおさら痺れはひどくなり、右足を引きずるようにして Hunny-Bunny へ向かった。

前回の冬まではまったく痺れはなかったので、年を取るとはこういうことなんだろう。

 

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お目当ての おーたけ@じぇーむず がステージに立ちギターをかき鳴らすと脳内からエンドルフィンが分泌されまくり右足の痺れなど忘れてしまい、泣いてるのか怒っているのかわからない表情ですべての感情をぶちまける歌声にドーパミンが大放出してハートが痺れまくった。

 

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以前ペンギンラッシュのベーシストの浩太郎さんのソロライブに足を運んだときにお聴きしていて激しくカッコ良かったインストトリオ Radical Humanism。

そこから山元ボラン卓さん(b)、春日井直人さん(ds) の2人が加わり、一寸先闇バンドとは違う編成でのシンプルでシャープなバンドサウンドに胸が高鳴った。

またこのトリオでもお聴きしたい。

 

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ライブ終了後「ポール牧を多めにいれました」と、おーたけさん。

私のブログをお読みいただいているようでうれしいのだが、ポール牧師匠をご存知ないとは。。。

日本人ならポール・マッカートニーは知らなくてもポール牧師匠は知っているだろうという世代としては愕然としたが、冷静に年齢を考えるとそうだろうな。

年を取るというのはこういうことなんだろう。

 

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外に出るとまた右足が痺れだし、さすりながら駐車場へ向かった。

身体が年を取るのを止めることはできないが、心は年を取らないぞ。

まんぷく CAFE MAcK  スイッチ  名曲喫茶ニーベルング カフェ・ミール バロック

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先日、撮影の様子を投稿した『まんぷく CAFE MAcK』。

放送日のランチタイムが始まる時間に行くと、すでに放送をご覧になって来られたというお客様が何名か居られた。

問い合わせの電話も早速何件かあったらしく、ネットでもかなり検索されているみたいで、ついでに私のブログも大勢の方にご高覧いただきありがとうございます。

さすが、東海テレビの人気情報番組『スイッチ』とBOYS AND MEN (ボイメン) の本田剛文さん。

ランチを済ませたお客さんは「今度はモーニングに来ます」と店を出られ、リピーターになっていただけるかどうか、あとは中村さん次第。

 

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番組内で本田さんが食べられていたキャベツ天丼 (550円) を頂いた。

大盛りでも値段は変わらないが、キャベツの山の「森林限界」に辿り着くまでに遭難しそうだったので普通盛りをお願いしたところ、それでもに登頂するがやっとこさのボリューム。

キャベツは甘味があり、見た目ほど油っこくなく、シャキシャキ感も残っている絶妙な揚げ具合で、うまかっちゃん

食べ終わった頃には続々とお客さんが来られていて、早く席を空けなければ。

中村さん、こりゃしばらく大変そうだ。

 

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この日は自転車で来ていて、MAcKから南へ二つ目の信号を通り過ぎたところで気になる看板が目についた。

名曲喫茶ニーベルング』。

車では何度も通っている道だが、今までまったく気づかなかった。

見た感じ店内は暗そうだし、入り口のカーテンは半分閉まっているし、営業してるの?と覗き込むと奥のカウンターの電気が点いていて、営業しているのがバレると困るかのようにひっそりと座るマスターの姿があった。

MAcKでコーヒーを飲まずに出たのでちょうどいいやとお邪魔した。

これほど「お邪魔する」という言葉がぴったりくるお店はない。

 

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10人ほどで満席の小さなお店で、真空管アンプとスピーカーにはメーカー名が見当たらなかったが、ハンドメイドなのかな?

 

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マスターの許可をいただいて店内の写真を撮っていると、クラシック好きだと思われたのだろう「クラシックはよく聴くの?」と聞かれ、「たまに聴く程度で全然詳しくないですが、これから聴いてみたいとは思っています」とお答えした。

 

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するとマスターが「最初は何から聴けばいいのかわからないと思うけど、やはりバッハからがいいかな?」と言いながら、レコードをターンテーブルの上に置かれた。

 

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当然バッハの中でもオススメの曲が掛かるのだろうと思っていると、全然バッハっぽくない。

「これバッハですか?」と尋ねると、

 

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ブラームスって、バッハちゃうんかーい。

 

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「3月4日に牛田智大さんのオールショパンのピアノコンサートに行くんですけど、ショパンについてまったく知らないので、本を読んでいるところです」とお話しすると、しばらくして「これ、コンサートの最初に弾く曲」と言って『英雄ポロネーズ』が流れてきた。

 

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どうやらネットでコンサートのプログラムを調べていただいたようだ。

弾いてるのは有名な方なのだろうがさっぱり知りません。

 

youtu.be

 

Artur Rubinstein を検索してみると、とんでもなく凄いピアニストで、おそらく『英雄ポロネーズ』の中で一番好きな演奏を掛けていただいたのだろう。

ありがとうございました。

またお邪魔させていただきます。

 

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またちょっと漕いでいると今度は『バロック』という喫茶店が目に入ってきた。

もしかしてバッハを聴きながらコーヒーが飲めるかもと店内に入るとFM愛知が流れていてちょっと残念かな。

 

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と思ったらカウンターにはサイフォンが並んでいて、そうでもなさそう。

 

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まっしろな器に深い色のコーヒーが対照をなし、バロックブレンドの名前の通り、苦味と酸味の複雑な味わいは当たりだった。