2019.9.13 名古屋ブルーノート 1st
NakamuraEmi (vo) カワムラヒロシ (g) 朝光介 From カサリンチュ (human beat box) 加納りな (marimba,glockenspiel)
昨年に引き続いての「お月見ライブ」、今宵はドンピシャ十五夜。
このライブに対する思い入れが感じられるうれしい計らい。
と思いきや、たまたまらしい。
でも、絵美さん直々に準備されたディスプレイを見れば、やっぱり思い入れが感じられる。
そして選曲にも。
前半はじっくり聴かせるミディアムテンポやスローな曲が並ぶ。
中でもジャジーな雰囲気があってお気に入りの「All My Time」と昨年に続いての「蘇州夜曲」に胸の振り子が揺れた。
帰り道に見上げた月は季が違えどおぼろ月のよう。
先日、20年ぶりくらいにストリップ劇場に足を運んだ。
「台風18号」を聴いているうちにまさご座で踊っていた彼女達のことをふと思い、「私」と重なった。
それぞれのキャラクターを纏って登場するが、纏っていたものを脱いでいくうちに徐々にイメージは変わっていき、一糸纏わぬ姿になったとき自分を表現する他なくなる。
鍛え抜かれた踊りと磨き抜かれた身体が商売道具。
ごまかしなど一切存在しない。
絵美さんのラップは一糸まとわぬ「裸っ譜」である。
体裁を取り繕う衣装を脱ぎ捨て、一糸まとわぬ言葉と音で自分を表現している。
ごまかしなど一切存在しない。
だからぐさりと心に刺さり、救われる。
ライブ後半はツリーチャイムを下げて、アップテンポの曲に手拍子が響いた。
それぞれのソロパートにも盛り上がると、カワムラさんと朝さんも客席に近づき煽れば、月の妖精よろしくの絵美さんは前半に増して全方位的にステージ上を、いやステージを降りて客席まで動きまくる。
「YAMABIKO」では、ボブディラン世代の昔の若者も"ohohoh"と手を振り己の叫びを心に響かす。
アンコールの「相棒」はギターのフレーズもマリンバとグロッケンの音色も絵美さんの歌声も爽やかな風のよう。
エアコンを切り、窓を開け、風を感じる季節がやって来た。
この曲を聴きながらハンドルを握れば煽り運転をするやつなんていないだろう。
煽るのはドライブではなくライブだけでいい。
ブルーノートの扉を出ると広小路通り沿いに月見団子が並んでいた。(昨年もやったネタ)
お月見ライブが続くと願って、お月見ライブ2020があると信じて、今日からまた1年頑張れる。