2019.10.22 電気文化会館 ザ・コンサートホール
Quartetto Respiro
大澤愛衣子(violin) 大光嘉理人(violin) 福田紗瑛(viola) 三谷野絵(cello)
静寂の中息を殺して聴き入る。
息の合った演奏と言うより、4人の呼吸音はひとつにしか聞こえず、息を呑むほどの美しい音色にため息しか出ない。
メンバーは東京藝術大学の卒業生と現役学生で、全員が愛知県の出身。
プログラムは
ベートーヴェン 弦楽四重奏第7番ヘ長調作品59-1「ラズモフスキー第1番」
ご縁があって足を運んだが、恥ずかしながら1曲も知らず。
三善氏に至っては初めて名前をお聞きするというあまりの無知さ加減。
でも理屈抜きに楽しめた。
夜空に広がる無数の星。
その数は全宇宙では10の22乗個以上と言われている。
そのうち肉眼で見えるのは5000個程らしい。
そして星座として決められた数はわずか88。
「黒の星座」は人の知るところではない、目には見えない漆黒の宇宙に広がる。
人がまだ知らな無限の音符の並びのように。
カオスの中の整然としたものを感じた。
映画「蜜蜂と遠雷」を鑑賞してきた。
原作は未読のため登場人物の背景をもう少し丁寧に描いて欲しかったが、その分コンクールシーンに力が注がれていたように感じた。
コンクールの課題曲「春と修羅」は藤倉大氏による書下ろしで、作品の魅力を語る上で外せない大きな一つの要因となっている。
とくに4通りのカデンツァ(自由演奏)は聴きどころである。
特別映像で出演者とプレーヤーの雰囲気も寄せているなぁと見ていたら、栄伝亜夜役のプレーヤーの河村尚子さんは何処かで見たような。
あっ、電気文化会館のポスターだ。
11月1日に電気文化会館ザ・コンサートホールでリサイタルがある。
これもご縁、お聴きしてみたい。
原作も読んでみようかな。
映画は天才と言われる若者たちがお互いに刺激を受けながらコンクールを通して成長していく姿を描いているが、東京藝術大学という日本のトップレベルで学び数々のコンクールで受賞をしているQuartetto Respiro のメンバーもその域にある。
今回はホールでのコンサートだったが、カフェなどでの演奏もされていて、地元でお聴きできる機会はこれからも多くあるだろう。
敷居の高いクラシックを身近に感じさせてくれるので、上級者から初心者までどなたにでも聴いていただきたい。
よろしければ「蜜蜂と遠雷」も。