2019.12.2 Enne_nittouren
中東の哀愁と北アフリカの神秘と東欧の叙情性が重なり影響し合い溶け込む。
ジャズとはその人を聴くことである。
ニタイのソロピアノはCDでは聴いていたが、本物の天才の揺らす空気をその場で感じることは特別な体験である。
時折メロディを口ずさみ、脱力されたスリムな身体がしなやかに自由に動き、全身のしなりが指先に伝わり繊細なタッチが生まれる。
その指先は鍵盤を弾くというより音をやさしく掴んでいるようだ。
驚異的なテクニックと心に沁みるメロディ。
その世界に引き込まれ自分の中が空っぽになる感覚。
ニタイを名古屋に招聘していただいた調律師の三ヶ田美智子さん。
ソロピアノはピアノのコンディションが大きく影響する。
この日のためにギャラリーに搬入され、ニタイのために調律されたピアノ。
それを取り囲むように椅子が並べられ、ストーブの炎とスッタフのお心遣いが温かい。
音やプレースタイルをよく知っているだけではなく、それを愛している者によって準備された会場だったからこそのコンサート。
車にアヴィシャイ・コーエンとのアルバムもあったかも?と取りに行っている間にサイン会は終了していたが、控室から笑顔で出てきてくださりサインをいただいた。
気さくな笑顔も印象的。
15歳からピアノを独学で始めたって???
上の兄弟ふたりが断念したのがきっかけらしい。
神様に選ばれし者って、本当に居るのだと思った。