necojazz’s diary

ジャズを中心に雑食

梟座‐NOCTUA‐2019冬季行脚

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2019.12.16   Lamp 中路英明 (tb) 伊藤志宏 (pf)

 

遠い過去の記憶が急に呼び戻されることがある。

免許取りたての19歳のとき、金沢の大学に進学した友人を訪ねるため車を走らせていた。

カーナビもスマホもない時代、地図を頼りに真っ暗な山道を走っていると、がけ崩れによる通行止めに出くわした。

方向転換ができるほどの道幅もなく、仕方なく山道をバックで戻っているとき左の後輪を溝にはめてしまい、にっちもさっちもいかなくなって車から降りると、嘘みたいな満天の星が夜空を埋め尽くしていた。

 

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夜の帳を揺らすトロンボーンの調べと無数の星のように煌めくピアノの響き。

二羽の梟の演奏には、あの日の夜と同じくらい信じられない美しい宇宙(そら)が広がっていた。

たった4段ほどの譜面から広がる無限の宇宙。

 

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Lampのピアノは綺麗な音色がする。

シャンデリアのような豪華な響きではないがランプのような凛とした音。

その音に手をかざすと張りつめた気持ちがゆっくりとほどけてくる。

ほのかに温かい音。

 

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宇宙の地図には存在しない梟座。

ひげ面のパズーが滑らかに細やかに外管をスライドさせると浮雲から雨がおちる。

天空の城ラピュタに4回も足を運んだのは伊達ではないロマンチスト。

さっきまで煌めいていたピアノは雨音となり甘美な憂鬱の中へと溶けてゆく。

一転、思いっきりラテンの新曲ではまったく羽根を休める間もないハードさ。

まだまだ発展させるという中路さんに対し、これでもう十分と笑う志宏さん。

長い夜を想い漂う、ノクターン

にっちもさっちもいかなくなった夜。

 

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来年1月26日(日)カワイ名古屋2Fコンサートサロン「ブーレ」で開催いたします伊藤志宏さんのソロピアノコンサートのチケットが届きました。

カワイ名古屋にてご購入できます。

お電話やメールなどでご予約いただけましたら、当日ご予約の料金でチケットをお渡しいたします。

デザインはナカガワ暢さん。

まぼろしとなったチラシのエッセンスが香ります。

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