necojazz’s diary

ジャズを中心に雑食

牧山純子 Classical Trio(同級生トリオ)

 

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2020.3.9 STAR☆EYES 牧山純子(Vln)  原田達也(pf)  中林成爾(Vc)

 

牧山さんのユニットは数々お聴きしてきたが、その中で最も印象深かったのは2017年10月にヤマハ名古屋ホールでお聴きしたこのトリオ。

 

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その年の6月にリニューアルされた素晴らしい音響のホールにヤマハピアノの最高峰CFX、完全生音という贅沢の極みだったが、理由はそれだけではない。

牧山さんと言えばクラシックとジャズの融合だが、このトリオではクラシックの手練れを揃えた。

牧山さんと中林さんが武蔵野音大、原田さんが国立音大でクラシックを学ばれた同い年。

クラシックの曲をジャズアレンジで演奏することはクラシックを生業にされている方は抵抗感があるだろうし、再現芸術を極めてきた音楽家にアドリブをかましてくださいと言うのは酷なお願いで、ジャズミュージシャンがやるのが通常である。

チック・コリアは良く知られているし、山中千尋さんも『UTOPIA』でクラシックを取り上げているがオリジナルトリオでの作品である。

そこを敢えてクラシック畑から引っ張ってきたところに牧山さんの本気度と3人の信頼関係が伺えた。

 

曲紹介で「何処かで聴いたことのある曲」というキーワードが何度も繰り返された。

バッハやモーツァルトベートーヴェンといった有名所の誰しも聴いたことのある曲から牧山さんのライブではお馴染みだが、う〜ん何処で聴いたっけ?と考え込む曲まで、選曲とアレンジは秀逸。

 

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フォーレの『シチリアーノ』。

 

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スメタナの『モルダウ』。

それぞれのアドリブが火花を散らし、中でもチェロのクラシカルなアドリブはボヘミア川の青き潤し流れのようだった。

 

4月8日にリリースされる『アレグリア』からも2曲披露された。

こちらはフュージョンのメンバーとのアルバムで、エレクトリックバイオリンでのプレーも聴けるそうだ。

T・レックス『20センチュリー・ボーイ』のリフも鳴り響くリリースライブが4月24日に名古屋ブルーノートであるので是非。

 

www.nagoya-bluenote.com

 

新型コロナウイルスの影響で名古屋ブルーノートは3月末までの公演はすべて中止または延期となっていて、それまでに再開していることを願うし、再開してもすぐに客足が戻るのか心配なところではである。

 

ライブを開催するか中止するかはケースバイケースだと思うが、開催しているところはそれぞれにウイルス対策をされている。

 

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スターアイズはリハーサル中も窓を開けて換気をされているそうだし、店内には対策グッズがいくつも置かれていた。

 

「音楽で元気になれるものが少しでも残っていれば」と、普段は本編でしか演奏しない『チャルダッシュ』をアンコールで。

 

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冒頭のスローテンポから3段ロケットのようにどんどん加速していくテクニカルなナンバー。

動画より更に2段階以上スピードアップした牧山さんの今出し得る限りの渾身の速弾きに力をいただいた。