2020.3.15 Hermit Dolphin
井上銘(gt) 魚返明未(pf) 若井俊也(b) 柵木雄斗(ds)
ジャズライフ3月号の表紙を見て「銘くん、見違えるね」とスターアイズのママさん。
「いくつになったの?」と聞かれたので、プロフィールが書いてあるページをめっくて「今年で29歳になるみたい」と答えると「えーっ、うちで初めてライブをしたときはまだ10代だったのに」と目を丸くされていた。
10代はデビューアルバム『ファースト・トレイン』をリリースする前。
そして、銘さんが20歳の時、その列車にメンバーと一緒に乗り込んだ。
その後、途中駅で魚返さんを乗せた列車は、今宵のプラットホーム、浜松の Hermit Dolphin に停車した。
CRCK/LCKS や STEREO CHAMP ソロアルバムなどの活動で、様々な景色を見て、原点に立ち帰ってのメインストリームのジャズギターカルテット。
ニューアルバム『Our Platform』からの曲を中心に、デビューアルバムからの『ガネーゼ』や銘さんのリーダーライブでは鉄板の『Taiji Song』も。
浜松に所縁のある 故 井上淑彦氏のサックスカルテット『fuse』からの『Fireworks』では「やりすぎて自分の曲みたい」と笑顔の銘さん。
「でも、まだまだです」と、大切な方の意思を紡ぎ続ける瞳にお人柄を感じた。
天才と呼ばれた若者は、持て囃されても傲らず、誰かが敷いたものではない、自分の思い描いたレールの上を走り続けている。
Hermit Dolphin のマスターが、このご時世で来たくても来れなかった人のためにもと、公開されたニューアルバムからのリード曲『 The Lost Queen』。
超絶なテクニックに注目が行きがちだが、コンポーザーとしての実力も伺え、女王の名にふさわしい、格調高くしなやかなフレーズ。
ライブではそれぞれの動きに、音だけではわからない一体感を感じる。
四人掛けの席に向かい合わせに座り、窓を開け同じ景色を共有している。
Hermit Dolphin と言えばカレーも外せない。
ミュージシャンにも人気の8種類はどれもエスニック&ヘルシー。
ライスとナンも選べ、チキンのライスを注文した。
ボリューム十分で600円とうれしい価格。
レスポールのようなスパイシーな刺激のなかにフルアコのような野菜の甘味も感じる。
ここに来たら何れにしょうかは迷うが、注文しないという選択はない。
以前からSNS上で気になっていた銘さんのイラスト。
その作者が会場に来られていた。
原画を受け取り喜びの表情の銘さん。
作者の方も手渡しできて感激しておられた。
こういった場面に出くわすのもライブならでは。
冒頭のスターアイズでの前回のライブは 昨年11月の西村知恵(vo)さんとのDUO。
その西村さんが、3/14に 4th Album『SEVENTH SENSE』をリリースされた。
銘さんも Chie&May Duo で、2曲参加されている。
他の参加メンバーもそうそうたる顔ぶれで、銘さんファンなら絶対に聴き逃せないアルバムだ。
井上銘という名前について今まで「歴史に銘を刻む」とか「お母さんがブライアン・メイの熱狂的なファン」とか、散々いい加減な事を書いてきたが、スターアイズのママさんに聞かれて見たときプロフィールにはこう書いてあった。
「1991年5月生まれ」
そういうことだったんですね、Mayさん。