全国の小規模映画館を支援するため、深田晃司監督と濱口竜介監督が発起人となって立ち上げたミニシアター・エイド基金が3億3千万を超え、クラウドファンディングでの最高の支援額が寄せられ話題となった。
また、各地のライブハウスを存続させようとするクラウドファンディングや募金などの活動も活発で、テレビのニュースでも目にする。
しかし、街の小さなアートギャラリーを支援しようという声はミニシアターやライブハウスと比べて小さいように思える。
カフェの2Fが展示スペースとなっている「ギャラリーカフェ テオ」。
学生や若手のアーティストにとって作品を知ってもらうことのできる貴重な場所である。
テイクアウトも始められコロナ禍の中でも営業はされているが、ギャラリースペースは休廊中。
再開はもう少し先になるそうだ。
そんな中でもレジ横にある可愛らしい作品が和ませてくれる。
カフェメニューは芸大生によるもの。
どれも美味しそうに描かれていて食欲をそそるし、実際の料理と見比べたくなる。
ガパオライスのランチタイムセットを注文。
ガパオライスだけ白い皿ではなく、メニューに描かれている通りの料理や器に食べる前から楽しませてくれる。
美味しそうに描かれているだけではなく、実際に何を食べても美味しいし、メニューが丁寧に描かれているのと同じように料理も丁寧な仕事をされている。
ケーキやスコーンなどのデザートもこだわりの手作り。
この日はもう1軒寄るつもりだったのでやめておいたが、食後のデザートもマストである。
丁寧さとマスターのやさしいお人柄が味に出ている。
コーヒーは「R ART OF COFFEE」のスペシャリティー、紅茶は「TEAS-Liyn-an」の茶葉を使用していて、飲み物も充実している。
「Mond」モンドではなく、モーント。
自家焙煎コーヒーと薬膳茶のスタンドで、雑貨や有機農業を実践する農家の野菜なども販売されている。
Mondのマスターとは、「ギャラリーカフェ テオ」で開催された楳図かずお先生の「漂流教室」をテオのマスターが解説する『「漂流教室」教室』というディープなイベントで同席させていただき知り合った。
これからの季節にオススメは、有機JAS認証のイタリアンオーガニックドリンク。
名古屋のカフェで置いてあるのはここだけ?
炭酸ピンクグレープフルーツで喉を潤した。
テオでのデザートを我慢したのはこのバタートーストをいただくため。
外はサクサク中はモチモチ。
新型コロナウイルス対策で、休業や営業時間短縮の要請に応じた事業者に愛知県が支給する一律50万円の協力金に関して、Mondのようなお昼の店は支給対象から外れてしまう。
食事提供施設で午前5時~午後8時の範囲を超えて営業していた店が、短縮営業に切り替えたり休業したりすれば協力金が支給されるが、Mondは午前8時~午後5時の営業のため、午前11時~の短縮営業をされているが、協力金の対象にはならない。
ランチにまったく人が来ないなど、ほとんどのお昼のお店は苦しんでいるのに、時短営業に協力しているのに、何も救済措置がないのは如何なものか。
帰り道、千種区鏡池通にある「gallery N」の前を通った際にガラス張りのギャラリーを覗くとガランとしていた。
コロナ禍の打撃は映画や音楽だけではなくアートにおいても計り知れない。
美術館で既に評価が定まっている素晴らしい作品を鑑賞することは心の栄養となるが、まだ評価する物差しさえない作品を鑑賞することも刺激的だし、そういった場所は守らなければならない。
新たな才能の芽を摘まないためにも。