necojazz’s diary

ジャズを中心に雑食

伊藤志宏&岩川光 デュオ・ジャパン・ツアー

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2020.9.5 Tamako 伊藤志宏 (pf)  岩川光 (ケーナ)

 

岩川さんがアルゼンチンより帰国されてのジャパンツアー。

コロナ禍でほとんどのミュージシャンが来日や帰国ができず、たとえ入国できたとしても14日間の隔離期間などを経なければならない。

しかもライブができたとしてもお客様に来てもらえる保証はない。

大抵の来日・帰国ライブは中止または延期となり、あきらめるのが普通である。

それにアルゼンチンは日本から見れば地球の裏側の国。

志宏さんもソロツアーを覚悟されていたそうだ。

このツアーでも余儀なく中止や変更をせざるを得ない会場もあった。

その中で岩川さんが帰国してツアーが開催できる運びになったのは、執念なのか、信念なのか、無謀なのか。

その苦労をおくびにも出さない笑顔だけでも感動ものである。

 

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洗練されたデザインのチョコレート色した Tamako ご自慢のピアノ。

オーナーのいづみさんのお願いで志宏さんが直々に選定された一品。

志宏さん曰く「全国でそこそこアップライトピアノを弾いてきたけど、3本の指に入る。」と絶賛。

志宏さんと田中邦和(sax)さんとのお披露目ライブでその素晴らしさはすでに織り込み済みだったが、ケーナとの組み合わせは神聖ささえ感じた。

 

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神秘的でロマンティックな音色と唯一無二の神業同士による共演。

ブエノスアイレスの風が体を吹き抜ける。

配信ライブでは感じられないだろう風が笠松の駅前を吹き抜ける。

配信ライブでは言ってはいけないMCが Tamako を笑いで包む。

このデュオは絶対に配信に向いていない。

 

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デュオだけでなくバロックを奏でるソロツアーもある岩川さん。

 

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ソロアルバムの『バロッケーナ』にはバッハの無伴奏チェロ組曲より1番から3番までが収録され、圧倒的なテクニックによって細やかな感情の襞まで聴きとれる。

これがフランスで売れたおかげで帰国できたそうだが、また出国できるようにしなくては。

ツアーではバッハだけでなく、幅広い時代のバロックをお聴きできるので、クラシックがお好きな方も是非。

 

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名古屋公演は9月17日(木) アートギャラリー『Hase』(ハーゼ) にて。

特別な時を演出する空間である。

 

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この状況にも関わらず満員御礼となった会場で、赤坂BLITZの閉館が決まったことを志宏さんからお聞きして驚いた。

エンタメが不要不急であることは否定できない。

エンタメが終演に向かっても本物は残る。

岩川さんが志向さんのことを「売れっ子だけどエンタメではない」とは、けだし名言。