2020 10 3 JAZZ・BAR TENDERLY 服部龍生 (b)
確かに、ご本人も言う通りにJAZZではない。
6弦ベースでの独自の表現を追求した Ryusei World。
お手本など存在しない。
影響を受けたベーシストをお聞きすると6弦奏者ではなく、マイケル・マンリング という4弦奏者の名前を挙げられた。
知らんし、と思って動画を検索したら、なるほど。
良い子は絶対にマネしないで、と言うよりおいそれとはマネできない Manring World だった。
11月11日をベースの日と定めたように、一般的にベースの弦は4本で、6弦ベースは4弦ベースの延長線であると思いがちだが、弦が2本増えることによる表現力の広がりは別の楽器と言ってもいいだろう。
一般的な4本の弦に Low-B と Hi-C を加え、6本の弦を指弾きするスタイルはクラシックギターに近いが、フレットレスによるスライドを絡めた半音以下の細かいニュアンス付けや、Low-Bを親指でアタックしたときの重厚感など、ギターとは違う魅力もある。
龍生さんの魅力に音楽界の重鎮、村上 PONTA 秀一氏も惚れ込んだ。
ベースソロライブ = マニアック = テクニック重視という印象もあるが、龍生さんはあくまでも美しい旋律を重視し、テクニックはそれを実現するために磨くものである。
ハーモニクスも効果的に使われ、その中でも『Between Silence and Noise』はファジーなリズムと抽象的な旋律が空気を振動させながら溶けていくような印象。
村上 PONTA 秀一氏とのDUO動画にもある『Una Bailaora』(踊り子) は、フラメンコの女性ダンサーをモチーフにした曲。
流麗で情熱的な旋律に、バイラオーラが激しく靴を踏み鳴らす音や、カンタオールの熱い手拍子が聴こえてきそうだ。
『Masque』はホリエモンが餃子店ともめたマスクではなく、仮面。
どこか怪しさを感じるのは、心に仮面をつけた男女の絡み合った複雑な心情なのか。
この3曲は2019年にリリースされたアルバム『Ryusei Hattori 6 string bass』でも聴くことができる。
16年ぶりのソロアルバムということで、溢れる想いと卓越した技術が結集している。
ソロベースツアーは、関西、中国、四国を周って、これから関東や東北を巡り11月3日まで続く。
それまでホテル住まいになるそうだが、場所も季節も変わって着るものも大変そうだ。
次回、名古屋は12月5日(土)、新栄Lamp。
熱々のおでんあるかな。