2020.11.28 シネマスコーレ 『彼女は夢で踊る』 時川英之監督
映画はなるべく予備知識なしで観たいものである。
気になる映画のレビューを何気にを見ていてネタバレ地雷を踏んだ時の虚しさたるや、思わず「時よ戻れ!」と叫びたくなる。
しかしながら、インディーズ作品は口コミが命でもある。
1回目の鑑賞後、ひとりでも多くの方に足を運んでいただきたいという気持ちを胸にチラシと口コミのお願いに『ジョゼコーヒ』に寄った。
店主はフェリーニ好きのコーヒー中毒者で、お店にはフェリーニ関係の本も何冊か置いてある。
先日、これは絶対に観に行くべき作品と『ヴィタリナ』について聞いていたので、「どうでした?」とお聞きすると「画面がずっと暗くて寝ちゃった」そうだ。
あるお方が雑誌アンアンで大絶賛されていたらしく、私も香取慎吾さんがMCをしていた番組の『月イチゴロー』での歯に衣着せぬ物言いは好きで、忖度なしの信頼できるお方だ。
映画好きのお客さんの口コミで、草彅剛さん主演の『ミッドナイトスワン』が超オススメらしく、しかも音楽は渋谷慶一郎さんだし、これは観ておこうということで話は着地した。
名古屋で映画好きが集まるカフェと言えば『シアターカフェ』。
なんてったって、店主はシネマスコーレの卒業生。
先週、スコーレで鑑賞した後に寄ったが、店主はGoToトラベルを使ってTAMA映画祭に行っていたため臨時休業だった。
なので、2回目の鑑賞の前に寄って、チラシと口コミをお願いした。
『泣く子はいねぇが』で凄いことになっている佐藤快磨監督の応援企画が12月にある。
「堀春菜さんって、何処に出てたかわかる?」と聞かれて、えっ?
佐藤監督の過去作に出演している俳優陣で、彼女だけ何処のシーンに出ていたのかわからなかったそうだ。
「居酒屋のシーンか保育園の発表会のシーンかなぁ」と首をひねっていたが、作品や俳優陣への想いはさすが。
イートメニューがないため食事の持ち込みは自由で、この日は鬼まんじゅうを買ってきたが、以前にも書いたようになまはげは鬼ではなく神様らしい。
そしてシネマスコーレと言えば、『ロジウラのマタハリ春光乍洩』。
スコーレの向かい側にお店を構え、夜のスコーレ特典として整理券を見せれば1000円以上のご利用の方は200円offになる。
こちらも先週は店主が屋久島へ旅行に行かれて秋季休業だったので、2回目鑑賞後に寄ってチラシと口コミをお願いした。
店主は『TharnType』に嵌っているようだ。
この日の夜ごはんは「豚肉・ナス・ピーマンの辛味噌炒め」。
何を食べても当たりしかないので、誰しも嵌ること間違いなし。
前回の時川監督の舞台挨拶に続いて、今回は上映前に監督編集の特別映像が流れた。
ラッキー!
2回目の鑑賞なので、当然ネタバレどころかひと通りは知っていたが、デティールがしっかりしている作品は2回目、3回目と、また面白い。
従業員との会話で最終公演の踊り子は社長の木下が決めていなかったことに納得し、キスマークで埋め尽くされた壁に持たれかけたときの木下の表情だけで泣けた。
何事も始まりがあれば必ずいつか終わりが来る。
終わりが近づいてからわかることは多い。
人との出会いや拘りのお店など、必ずいつか終わりが来ることを意識すれば、今を大切にすることができる。
サラが朝日を浴びて踊った河川敷、レトロな雰囲気の横川のガード下に、木下が思いにふける柳橋など、どのロケ地も魅力的に撮られていた。
これまで聖地巡礼などしたことはないが、春になったら横川周辺を自転車でぶらりしたいと思う。
中でも、ようこさんがお気に入り『修竜』のお好み焼きは絶対に食べたい。
ちなみに岐阜柳ケ瀬の『まさご座』に行く際には1917年創業の『丸デブ 総本店』に寄ることにしている。
メニューは「中華そば」と「わんたん」のみで、どちらも500円。
現役ストリッパーからのコメントの中で、『まさご座』でお会いした牧瀬茜嬢もコメントを寄せていた。
ピーク時には300店あったストリップ劇場も今では20店ほどと減少の一途をたどっている。
しかも、様々な厳しい規制により新設は事実上不可能であり、現在営業中の劇場が廃業すればストリップ文化の終わりとなる。
この作品を通してストリップに興味を持たれた方は少なからず居るだろう。
彼女たちの生きる場所が少しでも長く存続できるよう、ぜひ一度劇場へ足を運んでもらえればと思う。
何事も始まりがあれば必ずいつか終わりが来る。