necojazz’s diary

ジャズを中心に雑食

ノマドランド 無の日常

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2021.4.18 伏見ミリオン座 『ノマドランド』

 

高校生のときにロバート・レッドフォード初監督作品『普通の人々』(原題Ordinary People) を鑑賞した。

1980年度のアカデミー賞4部門 (作品賞・監督賞・助演男優賞・脚色賞) に輝いた名作である。

私の斜め前の席で年配の女性がハンカチで涙を拭っていたのが記憶にあるが、私にはピンとこない作品であった。

この作品を理解するまでの経験値が足りなかったのだろう。

 

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企業の破たんと共に、長年住み慣れたネバタ州の住居も失ったファーンは、キャンピングカーに亡き夫との思い出を詰め込んで、〈現代のノマド遊牧民〉として、季節労働の現場を渡り歩く。その日、その日を懸命に乗り越えながら、往く先々で出会うノマドたちとの心の交流と共に、誇りを持った彼女の自由な旅は続いていく──。

(公式サイトより)

 

ノマドランド』はアカデミー賞の前哨戦といわれるゴールデングローブ賞で作品賞と監督賞を獲得するなど、アカデミー賞レースの有力な候補らしい。

金保険料も払っていない十代の頃に観ていたらピンと来ない退屈な作品だったかも知れないが、年金定期便のハガキを見てはため息しかでないおっさんとしては身につまされた。

ノマドは日本の車上生活者とはイコールではなく、ファーンが「ホームレスじゃなくてハウスレス、別物よ」と言った表情にはプライドのようなものさえ垣間見え、自ら進んで選択している部分がある。

物質的な家が無くても心の拠り所はあり、金銭的に貧しくても自由があり、価値観は人それぞれ。

神々しい大自然とファーンは語り合い、詩的な音楽が心を代弁する。

大きなスクリーンと良い音響で味わうべき作品。

高齢者の貧困はアメリカの社会的問題であり、年金だけでは生活できない高齢者が少なからず居る日本も同じである。

砂ぼこりをあげ、キャンピングカーは困難を乗り越えながら進んでいく。

人生は舗装された快適な道ではない。

映画館を出て歩みを進めるとじんわりと足元からあたたかいものが伝わってきた。

生きていく勇気をいただいた。

でもキャンピングカーを買う金はない。

 

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『無@無職ブロガー』さん。

中々の自虐系だし、自炊飯は毎回不味そうだが、飾らない感じが好きでTwitterをフォローさせていただいている。

自由に重きを置いているところはちょっとノマドっぽい。

 

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もちろんブログ『無の日常』も読者である。

色々な方々の価値観を知ることができるブログは本を読むのとはまた違った楽しみがあり、『ノマドランド』や『まともじゃないのは君も一緒』を観たときも思ったのだが、普通とか幸せとか、それぞれの価値観でいいのだ。

 

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 4月23日の投稿で「ユーチューバーになりました」とあったので4人目となるチャンネル登録をした。

昇天してくだされ。

面白いかどうかは人それぞれ。

とくにオススメはしません。