2021.5.5 Mr.Kenny's
平手裕紀(tp) 渡辺翔太(p) 荒川悟志(b) 西脇悠人(ds)
お店に入るとドラムス側はすでに満席状態。
大抵の場合は花形であるピアノ側の席が好まれるのだが、これほど極端にドラムス側に人がいるライブも珍しい。
それもそのはず、今日のドラマーはジャズ界隈で噂の西脇悠人君。
3月で12歳になったばかりの中学1年生。
まだ小学生だった時に1曲飛び入りで叩かれたのをお聴きして椅子から転げ落ちるくらいに驚いたのを覚えているが、名古屋屈指の若手3人と2ステージみっちりとどれだけ渡り合えるのか?
ボリビアのベースでのカッコいいイントロが始まると、ラテンの野性的で冴えているリズムを刻みだす。
目を開けるとドラムセットに隠れそうな少年で学芸会の出し物のように見えるが、目を閉じるとジャズのスピリットを刻むドラマーが確かに目の前に居る。
お手並み拝見のつもりだったが、謹んで拝聴させていただきました。
『Blue Minor』はドラムの先生曰く「レッスンではやっていないけど、好きでやっている」とのこと。
ソニー・クラークをたくさんコピーしてきたという平手さんが「こういう曲を中学生が好きでやっているのはオジサンうれしい」って、あなたもまだ20代だろう。
その先生とは、ちょっと前にモデルデビューもされたイケメン凄腕ドラマーの浅井翔太さん。
どうりでリズムもスティック捌きも切れ味抜群のはずだ。
このワークスーツ、お洒落でお手頃価格なので是非。
平手さんと渡辺翔太さんの組み合わせは滅多に聞かないなぁと思ったら、ピアノの翔太さんは悠人君のリクエストらしい。
その豪華なメンバーにも緊張とか臆する感じとか気負ったところなどまったく感じられず、おそらくいつもの通りなのだろう。
老舗のジャズクラブでお客さんを前にしても平常心で楽しんでいるのがスゴイ。
目配りもしっかりできていて、なんでもいらっしゃいといった雰囲気。
素晴らしいライブをありがとうございました。
帰ろうとしたところ双子のような弟さんと見送りに来ていただき恐縮です。
「好きなドラマーは誰かいる?」と質問すると「フィリー・ジョー・ジョーンズ」とのこと。
し、し、渋すぎる。
オジサンも意識して聴いてみます。
勉強になります。