2021.9.2 MOVIX三好 『OLD』 『鳩の撃退法』
ちょっと前にドラゴン服部シェフと立ち上げた二人自転車部。
この日は知多半島一周をする予定だったが生憎の雨により中止となったので、ちょっと気になっていた映画に足を運んだ。
「一日一生」という言葉がある。
生き方についての言葉だが、このビーチでは1日で数10年が過ぎ、リアルな「一日一生」。
その状況下に置かれた家族は何を思い何を伝えるのか。
今、伝えなければ明日はない。
シャラマン監督と言えば、あっと驚くどんでん返しや巧妙に張り巡らした伏線の回収だが、今回はそれらの要素よりも物語のテーマに重きを置いているように感じた。
自転車部の最初の活動で浜名湖1周をした帰り道、「人生は短いので自転車を漕げるうちに、たくさんの場所へ行って、いろいろな風景を見て、その土地の美味しいものを食べたいね」という話をした。
自転車を漕いでいるときは瞬間を生きている気分になれる。
林修先生の「今でしょ」は、蓋し名言。
劇場の壁に『先生、私の隣に座っていただけませんか?』のポスターがあった。
私のイチオシ、堀江貴大監督の最新作。
堀江監督はちょうど5年前、シアターカフェで『はなくじらちち』を鑑賞してから追わさせていただいている。
この5年間は「一日一生」とも言える濃密な時間を過ごされたのだろう。
予告編を拝見しただけでもとんでもなく成長されているみたいだ。
どうやら不倫ものだがドロドロした感じではなくクスッと笑えそうで、クスッと笑えると言えば、今年のマイベストテン候補、前田弘二監督『まともじゃないのは君も一緒』が思い浮かぶが、同じようなヤベー匂いがする。
タイトルが長いのも一緒で『まともじゃないのは君も一緒』を略して『まときみ』なら『先生、私の隣に座っていただけませんか?』は『わたとな』となる。
『まときみ』は成田凌さんと清原果耶さんの噛み合わないやり取りが絶妙だったが、『わたとな』の柄本佑さんと黒木華さんのやり取りもゴン攻めして凄いことになっていそう。
とにかく公開が楽しみである。
東海地方では、ミッドランドスクエアシネマ他で9月10日 (金) より公開されるので、是非!
直木賞を受賞したものの今は落ちぶれてデリヘルの運転手をする小説家 津田 (藤原竜也)が語り手となって事件は展開され、担当編集者の鳥飼 (土屋太鳳) が聞き手となる。
伏線回収の傑作『ユージュアル・サスペクツ』形式と言ったところか。
終盤で点と点であった登場人物が鳩によって一本の線で繋がるくだりは『OLD』よりもやられた感があって、ラストも予想外でダメ押しされた。
土屋太鳳さんの上司役で『ななくじらちち』で主演されていた森下能幸さんがスクリーンに登場されたときは「おっ!」と思った。
江尻さん、『先生、私の隣に座っていただけませんか?』公開記念で『ななくじらちち』&『いたくても いたくても』の上映会をシアターカフェでやっていただけたらと思いますが、難しいですかね。