necojazz’s diary

ジャズを中心に雑食

ネズラ 1964

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 2021.9.19  シアターカフェ  『ネズラ 1964』

突然変異で巨大化したネズミの大群が東京を襲い始める...といった映画ではなく、1964年に公開予定だったが様々な困難によって公開を断念せざるを得なくなった幻の映画『大群獣ネズラ』の舞台裏をモチーフにした作品である。

 

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東宝が『ゴジラ』の公開をしたのが1954年。

それに対抗して大映が1963年に製作発表し、1964年の公開を目指したのだが、ゴリラとクジラを合わせてゴジラになったのはわかるが、ネズミの突然変異でネズラとは、もう少しネーミングは何とかならなかったものか。

劇中で牛くらいの大きさのネズミと言っていたのでネズミとウシでネッシーとか。

 

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大群獣というネーミングからわかるように、群れをなして襲ってくる設定で、ポスターでも群れている。

大群を映像にするのは今ならCGでなんとでもなるが、それがない時代にミニチュアのセットで本物のネズミを使うというイカレタ発想は大好きである。

確かにCGは何でもできて驚きの映像を見せてくれるのだが、その反面つまらなく感じてしまう部分もあるし、CGでなくてもCGなんだろうなとも思ってしまう。

中学生のときに観た黒澤明監督の『影武者』のクライマックスでの合戦のシーンで大軍の馬がバタバタと倒れていく映像は圧巻だった。

黒澤監督が馬に演技指導をしたわけではなく麻酔を使ったらしいが、もしあれをCGで撮ったならシラケ鳥が群れで飛んでいく。

そういえば冒頭の城へ向かう石段を駆け上がって行くシーンで、となりに座っていたオッサンが「上手い!」と唸っていたなぁ。

しょーもないことはよく覚えている。

 

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公開中止が決まって特撮監督が悔しさのあまりにミニチュアのセットを壊すシーンのメイキング映像。

ミニチュアはリアリティさではCGに劣っていても血が通っているという意味のリアルさでは優っている。

お客さんの中にこの作品で特撮を担当している特殊映画研究室のファンという中学生がいて、自分でもミニチュア製作をされているということだった。

作品の写真を見せてもらったところ、なかなかどころかかなりの腕前に驚いた。

将来は映画製作の仕事に就きたいそうで期待してます。

 

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大映が『大群獣ネズラ』で苦汁をなめた翌年の1965年に公開されたのが『大怪獣ガメラ』。

そして、その翌年には『大魔神』が製作・公開されている。

この2作品をはじめ、特撮ファンならずとも垂涎のラインナップが組まれている『妖怪特撮映画祭』が名演小劇場にて絶賛上映中。

名演小劇場からハシゴをされる方も結構おられるみたいだが、公開日が重なったのはたまたまだそうだ。

シアターカフェでの『ネズラ 1964』の後半の上映は9/23(木祝)〜9/26(日)まで、15:00〜と18:00〜の2回上映。

 

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オーナーの江尻さんが特撮つながりで買って来られた雑誌。

私の世代にドンピシャで、スペクトルマンミラーマンの主題歌は空で歌えた。

どっちでもいいこともよく覚えている。

雑誌は小人料金の設定がないお詫びとして将来有望なチュウ学生にお渡ししたので、モーお店には置いてありません。