necojazz’s diary

ジャズを中心に雑食

HATSUNE HIRAKURA TRIO AT WIZ

f:id:necojazz:20211016074804j:plain2021.10.15 THE WIZ

平倉初音 (pf) 若井俊也 (b) 中村海斗 (ds)

 

両脇を屈強なボディーガード兼リズム隊に守られ、リーダーライブは名古屋お初ね、の初音さん。

THE WIZ へは6年前の高校生の時にお客さんとして一度来店されていたそうで、ベーシスト齋藤太陽さんの渡米前ライブを聴かれたとのこと。

その齋藤さんはバークリー音楽大学に学費免除の全額奨学生として入学され、現在はアメリカを拠点としてワールドワイドな活動をされている。

そして初音さんも齋藤さんと同じく学費免除の全額奨学生としてバークリー音楽大学に進学された。

 

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今回のブッキングはベースの俊也さんによるもので、名古屋ご出身で名古屋のライブハウスを知り尽くしている俊也さんが WIZ に決めたのはスタインウェイのピアノがあることと、お店との相性を考えてのことだろう。

オーナーの良子さんがピアノの響きがイマイチだと感じたときは下に敷いてある絨毯を取っ払うのだが、アメリカで揉まれた腕前は絨毯を敷いたままでもしっかりとスタインウェイを煌びやかに響かせていた。

響かせているといっても力任せに鍵盤を叩いている感じではなく、脱力したまま鍵盤を底まで押しきっている印象で、デリケートな強弱の表現力に指先の力強さを感じ、その指先でギュッとハートをわしづかみされ痺れた。

ライブ前におやつ感覚で味噌煮込みうどんをつゆまでしっかり味わったそうで、どうりで力強いはずだが、また名古屋に来られた際には親子煮込みの卵を残しておいて〆につゆで卵かけご飯にしていただくのがオススメである。

 

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プログラムはジュリ・アレンの1曲を除いてはすべてオリジナルといった構成。

チャールズ・ミンガスに捧げる美しいバラードやビル・エヴァンスの『Show-Type Tune』をオマージュした『Show-Type Tune No.2』はリスペクト感が溢れ、粒立ちした流麗さと強さを兼ね備えたスタイルはエヴァンスを思わせる。

アンコール前のアグレッシブなナンバーでは屈強な男たちの縦横無尽に暴れるバトルとの熱演に火花が散り、ハートは火傷した。

 

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前回の投稿で書いた佐々木美穂さんのサイン入りアルバムが数日前に届いた。

ニューヨークで研鑽を積まれた確かな自信がみなぎるエネルギッシュな演奏。

初音さんも美穂さんも新型コロナウイルスの影響でアメリカから帰国せざるを得なかった。

実力があれば国籍や人種に関係なく評価して忖度や空気を読むといった言葉のないニューヨークの水が合っている美穂さんは年内にニューヨークに戻られるそうで、バークリーで学ばれている初音さんはアメリカに戻らないのかお聞きしたところ、リモートでの授業を受けて既に卒業されているそうだ。

現在は東京に住まわれ、これからも日本で活動されるとのこと。

想いはそれぞれ。

美穂さんと混同して初音さんにずっとニューヨーク、ニューヨークと繰り返して失礼しました。

バークリーはボストンでした。

 

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そしてニューヨークといえばこの方、海野雅威さん。

世界で認められている日本人ピアニスト。

昨年9月にコロナ禍でのアジア系住民に対するヘイトクライムが相次いでいたニューヨークで、ご自宅に帰る地下鉄の駅を出たところで8人の暴漢に襲われた。

鎖骨を骨折するなどのピアニスト生命にかかわる大怪我に遭われたが、そこから奇跡の復活を果たされた。

その来日公演が10月25日・26日の2日間、4公演が THE WIZ で開催される。

WIZ でのチケットは既に SOLD OUT しているが、日本各地でライブが予定されているので、ぜひ足を運んでいただけたらと思う。

そのチケットが出来上がったということで入手した。

犯人たちはまだ捕まっていないが、おそらく海野さんのニューヨークへの想いは変わっていないだろう。

 

www.youtube.com

 

やはりボディーガードがいるのは心強い。