necojazz’s diary

ジャズを中心に雑食

Silent Jazz Case 4 リリース記念ライブ

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2021.10.17 Mr.kenny's

島裕介(tp,flh,fl) 河野祐亮(pf) 杉浦陸(ba) 大津惇(dr)

sit in山本健人(tb)
 

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『Silent Jazz Case 4』のレコーディングメンバーによるリリース記念ライブ。
この日までは愛知県の時短要請期間により営業時間は21時までだが、曲数を減らすとか、MC少なめとか、アンコールなし、などといった制約なしで聴いてもらいたいというメンバーの意向と、日曜日ということもあり、時間を早めて OPEN17:00 START18:00 となった。

なので、1曲ずつエピソードも含めて説明をしていただき、アンコールまでゆったりと楽しむことができた。

 

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『R40』とは、40歳未満は聴かないようにといった年齢制限ではなく、ジャズは40歳を超えてからというような意味。

それなりの音楽を感じ取れるようになるには、聴き手としてもそれなりの研鑽を積まなければならない。

確かに巷で流行っているJ-POPなどは洗練されていて、一聴していい曲だなと思う耳障りの良いものはたくさんあるけど、大抵の曲は直ぐに聴き飽きてしまう。

サブスクにはコストパフォーマンスに優れ気軽に新しい音楽に出会えるという功の部分もあるだろうが、罪の部分としては音楽は大量消費するものとなり聞き流す (聴くではなく聞く) ものになってしまったように思う。

R50としてはサブスクは何もやっていないので知らんけど。

耳障りの良いものを聴くだけではなく、ちょっと難解だなと思うものをじっくりと聴き込んで、理屈でわからなくても感覚的に良いと感じる個人的な好みを見つけるのは面白いと思うのだが。

音楽は極めて個人的な楽しみである。

R20の方は『アビー・ロード』や『狂気』のようなコンセプトアルバムは聴かれないのだろうな。

 

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『R40』と『Philly's Dance』は前作『Silent Jazz Case 3』に収められている曲で、ライブでは吉岡大輔さんのドラムでお聴きしていたが、今夜お初の大津惇さんのドラムによって曲の雰囲気はガラリと変わっていた。

これもライブの面白味。

大津さんは座っているだけでも存在感抜群だが、叩いたときの存在感もハンパない。

曲のコントラストが高くなった印象でクイントリックスなプレー。by 坊屋三郎

わっかるかな~、R50でないとわかんねーだろーなー、イエイ。by 松鶴家ちとせ

 

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『Silent Jazz Case 4』からの『Japan Beauty』。

コロナ禍でツアーに行けなくなった時に、これまでに撮った旅先での写真を見返して日本の良さを再認識されたそうだ。

写真を見て思い浮かべるのは風景の美しさだけではなく、食べ物や人情などの美しさもあるのだろう。

この曲に限らずこれまでも Silent Jazz Case は日本の美を奏でていて、今作では『出雲聖水』という清らかなナンバーもあり、島さんのライブでは定番の名曲『Blue in Kyoto』は『Silent Jazz Case 3』に収録されている。

エレクトリックマイルスを彷彿とさせるマイルス・デイヴィスに捧げた『Never Die Miles』。

マイルスが亡くなったときに高校の屋上にスプレーでこのタイトルネームを書かれたそうだ。

その時に友人から文法が間違っていると指摘されたそうだが、『18'till I die』(知多半島一周の投稿を参照してくだされ) のカッコよさ。

ふと 007の『トゥモロー・ネバー・ダイ』を思い浮かべたが、007を「ダブルオーセブン」ではなく「ゼロゼロセブン」と言ってしまうのはR50の哀愁。

 

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サブスクではサインをもらえないし、価値のある物にはそれなりの対価を支払うべきだろう。

支払った分だけしっかり聴こうとすれば同じ音でも感じるものが違うのでは?

R50としては、やはりアルバム単位で楽しみたい。