necojazz’s diary

ジャズを中心に雑食

片袖の魚 + 東海林毅ショートフィルム選

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2022.2.27  白壁シアターカフェ 『片袖の魚 + 東海林毅ショートフィルム選』

『23:60』『ホモソーシャルダンス』『帰り道』『片袖の魚』

 

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LGBTQ+とは、Lesbian(レズビアン、女性同性愛者)、Gay(ゲイ、男性同性愛者)、Bisexual(バイセクシュアル、両性愛者)、Transgender(トランスジェンダー性自認が出生時に割り当てられた性別とは異なる人)、QueerやQuestioning(クイアやクエスチョニング、自身の性自認性的指向が定まっていない状態にある人や、敢えて決めない人) の頭文字をとった言葉で、性的マイノリティを表す総称のひとつとして使われており、「+」にはほかにも様々なセクシュアリティがあること、枠を限定せず常に新しい多様性に開放的でいようという意味が込められている。

 

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『片袖の魚』の主人公ひかりはトランスジェンダーであり、それをトランスジェンダーであるイシヅカユウさんが好演されていて、とくに女性の声から思わず男性の声に変えてしまう電話のシーンは本気の女性でないとできないだろう。

そして、先ほどたまたまCBCテレビのニュース番組で67歳で女性になり第2の人生を歩み始めたトランスジェンダーの話題を放送していた。

小学生の時から生きることに違和感を感じていたが、当時は性同一性障害という言葉もなく違和感の正体がわからないまま男性として生活し、還暦手前でそれに気づいて今が一番幸せだと彼女は言う。

ただ気付いたとしても誰しもがそこまで到達するわけではなく、LGBTQ+ はそこそこ世間的に認知されるようになったが、まだまだカミングアウトをするには相当な勇気が必要で、それを出来ずに悩んでいる方は数多くいるだろう。

『尊く厳かな死』のシアターカフェでの上映会でお話を伺ってからチェックしていた中川駿監督の『カランコエの花』でもその苦悩が描かれていた。

そこから一歩踏み出したひかりの歩く姿は力強く、美しかった。

名古屋シアターカフェでは最終日の鑑賞となってしまったが、3月11日 (金) ~京都みなみ会館で上映されるので、関西方面の方は是非。

 

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昨年シネマテークで鑑賞した際にパンフレットを購入していたので今回はサントラを購入したが、34分の短編映画のサントラとしては驚きのクオリティーで、この日鑑賞した4作品を通して東海林監督の音楽への拘りも感じた。

 

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上映会終了後のリモートでの舞台挨拶は、東海林監督、イシヅカユウさん、広畑りかさんの豪華メンバーで、スクリーンの前に行っての質問タイムではあわわ状態。

劇中でデリカシーのない人々が悪気なく LGBTQ 地雷を踏みまくっていたので、地雷を踏まないよう言葉を選ばなくてはと思いながら、かと言ってあまり気を遣い過ぎると却って失礼になるのではとも考えてしまい訳が分からなくなり、「イシヅカさんは今日はお綺麗で...」と、とっちらかすと、オーナーの江尻さんから「いつもは綺麗じゃないみたいじゃないですか」と、つっこまれ、いつもを知らないのに「今日はいつもに増して一段とお綺麗で...」と、いよいよ地雷を踏まずとも自爆してしまった。

 

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近年 LGBTQ+ に関する映画やドラマなどの映像作品は頻繁に見かけるようになったが、音楽作品ではあまりないように思える。

音楽で表現するのが難しい部分はあると思うが、その中でふと思い出したのが甲斐バンドの『ボーイッシュ・ガール』。

1983年にリリースされたアルバム『GOLD/黄金』に収録されてる曲で、当時トランスジェンダーという言葉があったかも知れないが私は知らなくて、それでも歌詞はカッコ良かった。

「本気の女さ」というところで「奴」はトランスジェンダーであることがわかる。