伊藤天音TRIO 2022.7.27 Mr.Kenny's
伊藤天音(pf) 林 かな(b) 杉山 寛(ds)
名古屋のイチオシ若手ピアニストの天音さん。
これまで、ソロ、カルテット、クインテットと、いろいろお聴きしていたが、意外にもトリオはまだお聴きしていないかなと思っていたら、お客さんを前にしてのトリオは初めてとのことだった。
しかもメンバーも意外。
これまでは学生さんなど同年代のプレーヤーとの共演がほとんどだったが、この夜はちょっと上の世代とのリーダーライブ。
ドラムの杉山さんとの繋がりは分かるが、ベースのかなさんとはどういった繋がりかお聞きしたところ、ケニーズでのセッションで知り合って、天音さんがバイトしているお店でかなさんがライブをされたのが2回目で、今日会うのが3回目だそうだ。
ジャズだな~。
以前の投稿で「もっと遊び心を持って破目を外しても良いのでは」と、ご無礼を書いたが、これまでの気が置けないメンバーだけでなく、自分から積極的に活動の場を広げて殻を破ろうという姿勢を感じ、選曲は全て天音さんがされていて、MCも先輩方に頼ることなくこなし、しっかりとリーダーの役割を果たしていた。
1曲目の『2nd Street Samba』のサンバのリズムに2019年に閉店された solLa でのかなさんがリーダーだった JAZZ&BRAZILIAN LIVE を思い出した。
そのときに「だぶんあそこの店かな」と書いたピアノの嫁ぎ先はここケニーズで、この夜も良い音を響かせていた。
天音さんはこのところファンクがマイブームらしく、これまでそういったイメージはなかったので、これも意外に感じたが、次回のリーダーライブはエレベをフューチャーしてのファンキーなライブを予定しているとのこと。
ウェイン・ショーターの『Footprints』も3拍子を4拍子にアレンジして、ファンキーでご機嫌な演奏だった。
ジャズでは有名曲のコード進行を使ってオリジナルのメロディを乗せるということをするが、これはパクリではなくリスペクトをした上での遊び心。
『How High the Moon』のコード進行だけを拝借したチャーリー・パーカーの『Ornithology』は有名だが、そのコード進行を使ったオリジナルの替え曲がアンコールで演奏された。
コード進行はそのままだが半音だけ上げているとのことで、理由をお聞きしたところ、メロディを乗せたら自然とそうなったそうだ。
ご本人曰く「選曲がバラバラ」とのことだったが、いろいろとチャレンジされていてバラエティーに富んだ良いライブだった。
以前の投稿で「確変の予感がする」と書いたが、間違いなく確変していると確信した。