necojazz’s diary

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『無垢の祈り』 5周年記念上映会inシアターカフェ

 

2022.9.8 『無垢の祈り』 5周年記念上映会inシアターカフェ

 

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いじめ、児童虐待、DV、新興宗教、孤独、貧困、猟奇殺人、等々、現代社会を取り巻く様々な問題を灰色の空の下、絶望の目で見つめる少女。

その少女の号哭にも似た祈りに言葉を失い、しばらく席を立つことができなかった。

5年前にシネマスコーレで鑑賞したときの衝撃は鮮明に覚えている。

 

 

ソフト化されていないため、もう観る機会はないと思っていたので、5周年を記念しての上映を見逃がすことはできない。

できれば亀井監督、人形遣い・綾乃テンさんの舞台挨拶の日に伺いたかったが都合が合わず、でもオーナーの江尻さんから監督のお話を少し聞くことができた。

あまりにも壮絶な映像に撮影当時10歳だった福田美姫さんの事を心配する声が多かったそうだが、定期的に会っていてトラウマなどなくすくすくと成長しているとのこと。

17歳になった現在は身長が170cmに伸びスレンダーな美人になられたそうだ。

映倫を通っていない作品だが自主的に18禁としたのは観た人によるいじめを懸念してのことで、本人もまだ鑑賞しておらず、来年18歳になってから鑑賞されるとのこと。

とても撮影できないカットは綾乃テンさんが操る人形が代役となるが、それでもなまなましく辛い。

 

 

パンフレットもサントラ盤も作られていないが、グッズがいくつかあり、5周年バージョンのマグネットステッカーをゲット。

全編に流れる工業地帯の機械音は現代社会の歪みにもそれに押し潰される人々の悲鳴にも聞こえ、ラストに流れるバイオリンはまさに少女の慟哭。

ずっと感情を表に出さずラストを迎えるのだが、その祈りを知ってから観た2回目はすべてのシーンが心に突き刺さってきた。

誰かが撮らなければならないが、誰もが避けるであろう作品を撮っていただいた亀井監督に感謝致します。

今日、9日の18時からの上映がラストとなる。

万人にオススメできる作品ではないが、多くの方に観ていただきたい。