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『39 刑法第三十九条』あなたの知らない森田芳光監督~そして千変万化の作品世界

 

2025.3.15 ミッドランドスクエアシネマ

『39 刑法第三十九条』あなたの知らない森田芳光監督~そして千変万化の作品世界

登壇者 三沢和子プロデューサー 小堀勝啓アナウンサー 

 


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映画監督にはそれぞれの作風があるが、森田芳光監督のそれは千変万化。

上映後のトークで一番印象に残ったのは森田芳光監督夫人である三沢和子プロデューサーの「森田は同じ映画を撮らない」という言葉。

保険金詐欺を題材にした『黒い家』は本作の後に同様の作風を期待して監督の依頼があったそうだが、同じサイコスリラーを扱った作品でもテイストはまったく異なっている。

 

 

「刑法第三十九条   第一項 心神喪失者の行為は、罰しない    第2項 心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する」

裁判で人が犯した罪を裁くのは人であり、罪に問えるのかの精神鑑定をするのも人であり、人は事件の性質によって被害者側と加害者側の双方に感情移入して色眼鏡で見てしまう。

いろいろと考えさせられた。

深淵で重いテーマに、練りに練り上げられたオリジナルの脚本、リアルさと表情のひとつにまで拘ったキャラクター設定、映像は口ほどにものを言うカメラワーク、すべてが秀逸。

 

 

過去作のデジタルリマスター版を観る機会は多くなったが、35mmフィルムは重厚さや人間味が増し、本作は断然こちらで観るべき作品で貴重な機会であった。

三沢プロデューサーもミッドランドスクエアシネマの35mmフィルム上映の環境を絶賛されていて、また森田作品のフィルム上映を期待したい。

20日(木) までの1週間限定なのでお見逃しなく。

 

 

シアターカフェでの『2024年マイベスト10を語ろう会』に来ていた若者で、やたらと映画に詳しく切り口も面白くて、何者?と思ったら、ミッドランドスクエアシネマの感動創造本部・興行部のスタッフで、35mmフィルムの映写技師とのことだった。

もしかしたら映写室に居られたかも。

名刺をSNSに載せる了承を得ていないので、名前とメールアドレスは消しておいたが、イラストはクリソツである。

来年も『マイベスト10を語ろう会』に来られると思うので、またお会いできるのを楽しみにしている。

『月イチ35mmフィルム上映』毎月チェックしたい。