2024.4.14 窯のひろば
『となりのセトシでジブリジャズ』
tomoo&saki
野上朝生 (pf) 野上紗希 (vln)
年齢制限のあるコンサートがあるのは仕方ないし、なかったとしても子供が長い時間行儀良くしてくれるのか保護者の方は心配されるだろう。
でもこのライブは泣いても騒いでもステージを歩き回ってもOKで、むしろハプニングは大歓迎。
「なかなか音楽を聴きに行く機会がないのでずっと楽しみしていました」と、小学生と小さいお子さんとご一緒に来られたお母さんのお言葉にウルウル。
ほんわかシフォンケーキの『くもサンド』さんも、ご協力と感想もありがとうございます。
料金設定した児童からシルバーまで幅広い年齢層の方に来ていただき、どの世代も楽しめるのがジブリ。
ジブリスタジオが設立される前に公開された『風の谷のナウシカ』を劇場で観たのが二十歳で、現在59歳。
小学生のときに『アルプスの少女ハイジ』が、中学生では『未来少年コナン』が放送を開始し、その翌年に『ルパン三世カリオストロの城』が劇場公開なので、私の世代は宮崎アニメと共に生きて来たと言える。
tomoo&saki 御一行は奈良からお越しということで、会場から直ぐのところにあるゲストハウス『ますきち』で一泊。
築140年の古民家を改装した『となりのトトロ』の匂いが漂う空間は、ジブリパークに行かれる方にも人気の宿である。
宿泊者以外でも利用できるカフェではゆる~くジブリの曲が流れていて、スタッフの女性曰く「野上さんのジブリジャズもお気に入りでよく掛けています」とのこと。
スタッフの対応もレトロな空気感も心地よく、自宅から自転車で10分くらいだが『ますきち』に泊まってみたくなった。
ジブリ大好き女優で人気YouTuberの太田唯さんがJTBとのコラボでプロデュースされた『みんなの遠足弁当』で昼食。
階段を上がったところにあるベンチでヨーロッパ系の男女もこのお弁当を美味しそうにほおばっていて、箸の使い方もかなり上手。
見た目と味と曲げわっぱのお弁当箱、そのどれもが外国から来られた方々にとっては新鮮で魅力的で大満足に違いない。
『魔女の宅急便』のグーチョキパン店で「ナポリタン」と「ういろうカヌレ」を買いたかったが、あまりの長蛇の列に店内で購入するのを諦めて店外で売っているパンセットにしようとしたところ、パンセットは既に完売。
おそらく世界で一番行列のできるパン店。
ガラス越しに覗いた店内にはキキの姿はなかったが、パーク内にはキキの分身がたくさんいた。
愛ちゃんに注目。
バイオリンとピアノの音色に客席からの手拍子、会場を包むやさしさにリラックスしたのか、曲の途中でぐっすり。
『もののけの里』の『タタラ場』ではこの地方の郷土料理である五平餅を炭火で焼いて食べることができる。
タレは定番のくるみみそ、しょうゆ、の他にナポリタンもあって、宮崎吾朗さんのナポリタン推しは半端ない。
ジブリパークのナポリタン全種類を食べ尽くすというのも面白いかも。
これぞジブリジャズといった感じで、原曲とは異なったタタラ場の火のように情熱的な『もののけの姫』。
休憩をはさんでの後半は愛ちゃんもステージに立って、情熱的な接客パフォーマンス。
ジブリパークにあるすべての建造物から小物にいたるまで、本物志向の拘りと質感は凄いのだが、中でも『ハウルの動く城』は圧巻。
建てたばかりなのに何百年も前からずっと存在しているような佇まい。
メリーゴーランドが回りだすと流れる『人生のメリーゴーランド』は移動サーカス風のアレンジで、フェリーニの『道』のように儚くも美しい。
こちらの『人生のメリーゴーランド』はお酒でも飲みながら人生について語りたくなるようなお洒落なアレンジ。
でも59歳は人生を語るにはまだ早い。
まだ『君たちはどう生きるか』だ。
そう言えば『ますきち』のカフェでいただいたコーヒーには2つのブレンドがあって、私は~話し足りない夜に~をいただいた。
宮崎駿監督はまだ話し続けてくれる。