necojazz’s diary

ジャズを中心に雑食

異人たち

 

2024.4.23 イオンシネマ長久手 

『異人たち』

 


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大林宣彦監督『異人たちとの夏』は好きな作品で、山田太一さんの原作小説は未読。

子供の頃に死別した両親とお盆の間だけ再会するというノスタルジックな作品のイギリス版リメイク。

 


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シナリオライターの主人公は12歳の頃に交通事故で両親を亡くし、ひとりで住むマンションには他に住人はひとりだけで、何度も亡くなった両親に会いに行き、その人物とお互いの孤独を埋め合うという大まかな設定は大林作品と同じだが、その人物が異性から同性に変わりテーマは全く別物になっていた。

原題は『All of Us Strangers』で、直訳すると『私たちは皆見知らぬ人』となり、テーマとしては今年観た中で暫定No1の『夜明けのすべて』に近いものがある。

『夜明けのすべて』はパニック障害PMS(月経前症候群)によって生きづらさを感じているふたりが主人公だが、本作ではLGBTQによる生きづらさが濃密に描かれている。

今でこそLGBTQという言葉は浸透し理解も進んできているが、主人公が両親を亡くした当時の時代背景としてはAIDSが大きな社会問題になっていて、とてもゲイであることを告白できるような時代ではなかった。

 


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お盆と似た風習もあるクリスマスの時季が物語の背景になっていて、家族でクリスマスツリーの飾り付けをしていると、テレビから Pet Shop Boys の『Always On My Mind』聴こえてきて口ずさむ。

80's はもろ世代で、Pet Shop Boys のふたりがゲイであることはよく知られているところである。

 


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エンディングに流れる Frankie Goes To Hollywood の『The Power Of Love』。

こちらもメンバーがゲイであることを公言していて、デビュー曲『Relax』ではゲイセックスのことを歌っている。

このMVは映画館へ足を運ぶ前に観られることをオススメする。

異人たちとの夏』の両親はあの世からこの世に来て姿をあらわしたが、『異人たち』での両親は主人公の頭の中で作り上げられた存在なのかも知れない。

そう思いながら大林監督と山田太一さんが客席でニコニコしながら観ている姿を想像した。

 

纐纈歩美 『Limpid Flame』発売記念LIVE

 

纐纈歩美 『Limpid Flame』発売記念LIVE

2024.4.17 Bird&Diz

纐纈歩美(as) 佐藤浩一(p) 安田幸司(b) 安藤正則(ds)
 
渋くてかっこいい写真が撮れた!と思ったら、あれ?安田さんがいない?
目を凝らすと右端にうーっすらと輪郭が見えるか見えないか。
見えないか。。。
「すみません、やっぱり暗かったです」と安田さんにお見せしたら、笑っていただきホッとした。
安藤さんはとなりでバカ受け。
 


なので同じメンバーでの前作『Aquarelle』のリリースライブにて、安田さんもはっきりと写っている写真。

メンバー写真にマスターも当たり前のように加わって写るのはこのハコくらい。

元木マスターは経営者である前に、誰よりもライブを楽しんでいるリスナーであり、ミュージシャンにとては気の置けない存在で、頼りになるお調子者である。

ワンオペでドリンク代が安いのは客としてもありがたく、老舗の雰囲気といい、大好きなハコである。

 

 

仕事の都合で2ndステージからになってしまい、満席状態の中で空いている席を探してウロウロしていると、マスターが気に掛けて席をつくっていただいた。

元木マスター、ありがとうございました。

 


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元木マスターが早速ライブ動画をアップされていた。

アルバムの1曲目『Quiet』。

静けさのなかに浮かぶ幽玄な月を想像させ、硬質の美しさは神秘的で確固たる清廉さを湛えている。

アルバムへの期待が高まり確信さえ感じるリードナンバー。

 


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アルバムの3曲目『M's Day』。

もうすぐ母の日だが、以前ココでのライブに歩美さんのお母さんが来られていて、客席をまわって挨拶をされていたのを思い出した。

このナンバーのように温かでお洒落な方だったが、ちょっとマスターと同じ匂いもしていた。

この日はお兄さんが来られていたのかな。

素敵なご家族である。

 

 

エネルギッシュな『Leap』では冴えわるピアノと、テンポアップしてグルビーなベースに、後半の迫力あるドラミングもグッド。

サイドメンバーは、あるときはサポートに徹し、あるときは主張して十分に個性を発揮し、その塩梅は絶妙。

 

 

アルバムのクレジットは『Ayumi Koketsu』と個人名になっているが、この充実感はもはやパーマネントカルテット。

セルフプロデュースの第3弾もこのメンバーしかあり得ない。

あーっ、1stステージも聴きたかった。

 

 

あとで安田さんだけ撮らせていただいたが、今度は明る過ぎて真っ白に飛んでしまった。

安田さん、重ねてスミマセン。

『となりのセトシでジブリジャズ』 『みんなの遠足弁当』2回目おかわり

2024.4.14 窯のひろば

『となりのセトシでジブリジャズ』

tomoo&saki

野上朝生 (pf) 野上紗希 (vln) 

 

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年齢制限のあるコンサートがあるのは仕方ないし、なかったとしても子供が長い時間行儀良くしてくれるのか保護者の方は心配されるだろう。

でもこのライブは泣いても騒いでもステージを歩き回ってもOKで、むしろハプニングは大歓迎。

「なかなか音楽を聴きに行く機会がないのでずっと楽しみしていました」と、小学生と小さいお子さんとご一緒に来られたお母さんのお言葉にウルウル。

 

 

ほんわかシフォンケーキの『くもサンド』さんも、ご協力と感想もありがとうございます。

料金設定した児童からシルバーまで幅広い年齢層の方に来ていただき、どの世代も楽しめるのがジブリ

ジブリスタジオが設立される前に公開された『風の谷のナウシカ』を劇場で観たのが二十歳で、現在59歳。

小学生のときに『アルプスの少女ハイジ』が、中学生では『未来少年コナン』が放送を開始し、その翌年に『ルパン三世カリオストロの城』が劇場公開なので、私の世代は宮崎アニメと共に生きて来たと言える。

 

 

 

 

tomoo&saki 御一行は奈良からお越しということで、会場から直ぐのところにあるゲストハウス『ますきち』で一泊。

築140年の古民家を改装した『となりのトトロ』の匂いが漂う空間は、ジブリパークに行かれる方にも人気の宿である。

 

 


宿泊者以外でも利用できるカフェではゆる~くジブリの曲が流れていて、スタッフの女性曰く「野上さんのジブリジャズもお気に入りでよく掛けています」とのこと。

 

 

スタッフの対応もレトロな空気感も心地よく、自宅から自転車で10分くらいだが『ますきち』に泊まってみたくなった。

 

 

ジブリ大好き女優で人気YouTuberの太田唯さんがJTBとのコラボでプロデュースされた『みんなの遠足弁当』で昼食。

階段を上がったところにあるベンチでヨーロッパ系の男女もこのお弁当を美味しそうにほおばっていて、箸の使い方もかなり上手。

見た目と味と曲げわっぱのお弁当箱、そのどれもが外国から来られた方々にとっては新鮮で魅力的で大満足に違いない。

 

 

 

 

魔女の宅急便』のグーチョキパン店で「ナポリタン」と「ういろうカヌレ」を買いたかったが、あまりの長蛇の列に店内で購入するのを諦めて店外で売っているパンセットにしようとしたところ、パンセットは既に完売。

おそらく世界で一番行列のできるパン店。

ガラス越しに覗いた店内にはキキの姿はなかったが、パーク内にはキキの分身がたくさんいた。

 


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愛ちゃんに注目。

バイオリンとピアノの音色に客席からの手拍子、会場を包むやさしさにリラックスしたのか、曲の途中でぐっすり。

 

 

 

もののけの里』の『タタラ場』ではこの地方の郷土料理である五平餅を炭火で焼いて食べることができる。

タレは定番のくるみみそ、しょうゆ、の他にナポリタンもあって、宮崎吾朗さんのナポリタン推しは半端ない。

ジブリパークのナポリタン全種類を食べ尽くすというのも面白いかも。

 


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これぞジブリジャズといった感じで、原曲とは異なったタタラ場の火のように情熱的な『もののけの姫』。

休憩をはさんでの後半は愛ちゃんもステージに立って、情熱的な接客パフォーマンス。

 

 

 

ジブリパークにあるすべての建造物から小物にいたるまで、本物志向の拘りと質感は凄いのだが、中でも『ハウルの動く城』は圧巻。

建てたばかりなのに何百年も前からずっと存在しているような佇まい。

メリーゴーランドが回りだすと流れる『人生のメリーゴーランド』は移動サーカス風のアレンジで、フェリーニの『道』のように儚くも美しい。

 


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こちらの『人生のメリーゴーランド』はお酒でも飲みながら人生について語りたくなるようなお洒落なアレンジ。

でも59歳は人生を語るにはまだ早い。

まだ『君たちはどう生きるか』だ。

そう言えば『ますきち』のカフェでいただいたコーヒーには2つのブレンドがあって、私は~話し足りない夜に~をいただいた。

宮崎駿監督はまだ話し続けてくれる。

フジヤマコットントン

 

2024.4.7 ナゴヤキネマ・ノイ

青柳拓 監督 『フジヤマコットントン』

 


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富士山が見える障害者福祉サービス事業所「みらいファーム」での何気ない日常。

蒔いた種から綿花が育ち、繭が膨らんだら積んで、干してから紡ぎ糸にし、それを織って織物が生まれる。

この工程が愛おしく、「みらいファーム」で働く人々が愛おしく、幸せの花が咲く。

 

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青柳拓監督は2021年のマイベストテン10位にさせていただいた『東京自転車節』での溢れ出るバイタリティーに圧倒されて、今回も前面に出られるのかとおもいきや、いい意味で裏切られた。

 

 

上映後の舞台挨拶で映画を撮るきっかけを語られた。

2016年に起きた相模原障害者施設殺傷事件での植松死刑囚の「生産性のない障害者には生きる価値がない」という主張がSNSなどでじわりと広がっている状況に違和感と異論を持ったことがきっかけのひとつになったそうで、でも同じ土俵に上がらないというスタンスで、社会的メッセージは抜きにして撮影ができたとのこと。

そして「みらいファーム」で働く人々の言葉は主張するメッセージではないが、無意識で自然に紡ぎ出される言葉はどんな詩人にも書けない別の領域での詩であった。

 

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『PERFECT DAYS』や『PATERSON』のような何気ない日常を綴った作品が好みのジャンルであることは以前にも書いたが、この作品も個人的どストライク。

監督はどれだけカメラを回し、編集にどれだけの時間を掛けられたのだろう。

撮りためた映像を95分にまとめる作業は大変だっただろうと想像し、飽きるどころかいつまでも観つづけられる。

 


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もうひとつ、このドキュメンタリーが傑出しているのは誰もカメラを意識していないところ。

パンフレットにあった試写会を観た一人のメンバーの「いつものファームじゃん。ふつうじゃん」という言葉がすべてを物語っている。

これは伊勢真一監督の『やさしくなあに〜奈緒ちゃんと家族の35年〜』などの『奈緒ちゃん』シリーズと重なるところがあり、奈緒ちゃんは伊勢監督の姪にあたるからこその傑作であった。

青柳監督はどうやって被写体との関係性を築かれたのかと思ったが、お母さんが「みらいファーム」の職員で小さい頃から遊びに行っていたそうで、映画に出演されていたみなさんはお兄さんやお姉さん的存在とのこと。

その間柄があったこその傑作だと納得した。

 


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青柳監督の次回作は水道橋博士参議院選挙の様子を追ったドキュメンタリーとのこと。

その題材を聞いただけで絶対に面白そうでとても楽しみだが、伊勢監督の奈緒ちゃんシリーズの新作『大好き~奈緒ちゃんとお母さんの50年~』も近々公開され、こちらも楽しみ。

カウントダウンムービーだけで泣いちまった。

これを観ても植松死刑囚は「生産性のない障害者は生きる価値がない」と言うのだろうか。

 

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サインをいただく際に久遠チョコレートをお渡しすると、「おっ、久遠チョコレートだ。そういえばこの辺ですよね。」と、『チョコレートな人々』も勿論ご覧になられていた。

障がいを持っている方などに我々ができる一つとして消費行動を考えること。

以前に自転車で琵琶湖一周としたときに次は富士山一周だと思ったが未だ回っておらず、今年のGWくらいに回りたいと思うが、その際には「みらいファーム」にも寄ってコットントンしたものを購入したい。

 

 

向かって左のめぐさんはおっとりしていて丁寧な仕事ぶりで、右のゆかさんは明るくテキパキと仕事をこなし、どちらも織り担当。

「みらいファーム」のみなさんはそれぞれに個性的。

この笑顔には役所広司さんの演技も敵わないだろう。

海上の森 みんなの遠足弁当おかわり

 

2024.4.1 海上の森 物見山 山頂

 

 

川勝静岡県知事のお戯れによって、JR東海リニア中央新幹線の2027年開業を断念し、会見があった。

これによる日本経済への影響は如何ほどなのかは知らないが、個人的には東京の夜ライブも日帰りできると喜んでいたのがご破算になった。

リニアの開業を待ち望んでいる方の中には、とにかくリニアモーターカーに乗ってみたいという乗り鉄さんも居られるだろうが、そういう方にオススメなのが名古屋市名東区藤が丘駅豊田市八草駅との間を運行している愛知高速交通東部丘陵線

愛称リニモ

超伝導磁石と常時伝導磁石で方式の違いはあるが、車体が浮いて走行するのは同じで、基本的には運転手はおらず、浮上式で営業運行をしているのは日本でココだけ。

車輪とレールとの摩擦がないため、ガタゴト音やブレーキ音はなくスムーズに走行し、トンネルばかりのリニアと違って高架を走る車窓からの眺めは爽快。

 

 

通っているジムはリニモ杁ヶ池公園駅から直ぐのところにあって、この日は有酸素運動の日ということで、ヴァームを飲んでからエアロバイクを30分(252kcal)、トレッドミルを30分(161kcal)、軽く汗をかいた。

 

 

月に一度の体組成計測定の結果。
筋トレ開始初日から、体重+0.4kg、筋肉量+3.5kg、体脂肪率-4.9%。
先月から、体重-0.3kg、筋肉量-0.2kg、体脂肪率±0%。

週に2回~3回で1時間~1時間半ずつ、コツコツといつものペースで通っているのだが完全なる停滞期。

 

 

ジムでの運動を終え、リニモ愛・地球博記念公園駅から直結している 愛・地球博記念公園(モリコロパーク)へ。

春を通り越して夏を思わせる日射しに、冬青珈琲店に寄って瀬戸市で収穫したハチミツを使用したハチミツソフトを購入。

しっかりとハチミツ感があって、甘いソフトクリームがより一層あまーい!

我慢ばかりではダイエットは続かないので、時々はスイーツOKのチートデイも大切だが、ちょっと多いような気がする。

自分にもあまーい!

 

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モリコロパークに寄ったのは先日のブログで書いた、ジブリ大好き女優の太田唯さんがプロデュースされた『みんなの遠足弁当』をおかわり購入して、あるところで食べたいと思っていたから。

 

 

あるところとは、リニモの終点八草駅から30分ほど歩いたところに入り口がある海上の森

「かいじょう」ではなく「かいしょ」と読み、『風の谷のナウシカ』の腐海の森を連想させ、ジブリっぽい。

 

 

途中、『瀬戸万博記念公園 愛・パーク』を通り、この時点ですでに13時を過ぎていてかなりの腹ペコ状態。

 

 

海上の森の入り口にある『あいち海上の森センター』に着いたが、月曜は休館日のため外観だけ。

 


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ZIP-FM のナビゲーター、高木マーガレットさんが海上の森を紹介してくださっている。

 

 

 

道が分岐するところには道標があり、あいち海上の森センターに置いてある地図に印されている番号を見れば現在地もわかるので、初めて森に入る方でも迷うことはない。

 

 

私の一番好きなジブリ作品『もののけ姫』を思わせる森の中。

 


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森の水を浄化する苔の緑と透明な水のせせらぎは心を浄化させてくれる。

 

 

生命のエネルギーを感じる杉林から浴びる木漏れ日はパーフェクトデイズ。

 

 

山道はある程度の整備はされているものの、自然そのままのところもあり、山や木と対話しながら足を進める。

 

 

あいち海上の森センターから約2km、1時間ほどで物見山山頂に到着。

 


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動画ではわかりにくいが、眼下に広がる景色の真ん中に尖っているのが瀬戸デジタルター。

東京でいうところのスカイツリーみたいなもの。

私の目にはその左奥に名古屋の高層ビル群がうっすらと見えていた。

 


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強く吹く風の中に『アシタカ瘍記』が聴こえてきた。

 

 

お弁当箱の中に森があるような『みんなの遠足弁当』。

物見山山頂で食べる味はまた格別で、涙がでるほどの美味しさ。

八草駅に記念のモニュメントがあった2005年に開催された愛知万博愛・地球博』は海上の森のみを会場にする計画だったが、絶滅危惧種であるオオタカの巣が見つかったということで、『自然の叡智』という万博のテーマに反しないよう壮大なスケールの万博から大幅に規模を縮小してメイン会場を現在ジブリパークがある愛・地球博記念公園、当時の愛知青少年公園に変更するという英断をした。

オオタカがこの森を守ったのだ。

先日、吉村大阪府知事が「大阪・関西万博に、能登半島地震で被災した子どもやその保護者らを無料で招待する」という主旨の発言をされたが、未だインフラの復旧も不十分の中、とりあえず万博は延期して、インフラが完全復旧するまでは資金と資材とマンパワーを被災地に集中させるという英断はできないものか。

被災地の方々も招待されるよりそちらの方が喜ばれるに違いない。

 

ここからは10年以上前に撮った海上の森

 

 

 

 

 

 

 

それっぽく撮っているが、海上の森の象徴であるオオタカであるのかは不明である。

 

GINAGINA ぎなぎな

 

2023.3.23 刈谷日劇 『GINAGINA ぎなぎな』

登壇者 高川裕也さん (監督・脚本・主演)

 


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主人公の木村誠は還暦を前にしたコロナ禍で、自ら企画した映画のメガホンをとるが、主演のケガにより撮影は中断する。

制作費が嵩み金策に苦労する中、故郷の四日市での同窓会で久しぶりに会ったクラスのマドンナだった雪乃から「お金都合しようか、それか帰ってこない(ウチの製麺所で働かない)」と提案される。

この提案をした理由となる言葉が作品の肝であり、その意味合いは人によって受け取り方が違ってくるだろう。

その言葉はぜひ映画館で。

木村と同世代で、今年の7月に還暦を迎える身としては、これからの人生の向き合い方について考えさせられた。

 

 

この夜、フジテレビの夜土曜プレミアム容疑者Xの献身』を観ながら、16年前の作品で16年後は75歳かと、砂を噛むようなことを考えていた。

ちょっと前に観た感覚だが、これから16年はもっと早いだろうなと、自分に残された時間の少なさを改めて感じざるを得ない。

今さらながら、やりたいと思ったときにやらないと人生はあっという間に終わってしまう。

 

 

映画制作の話と並行して、妊娠してひとりで子供を育てることを告げられる離婚間近の娘(アサミ)との話が進行していくのだが、映画にはには名前しか登場しないアサミの夫(サトシ)との短い小説『アサミとサトシ』を舞台挨拶で朗読された。

公園での父と娘のシーンで、野外劇場の席を立ったアサミが無音で階段を上っていき、立ち止まる瞬間の足音だけ「ザザッ」と聞こえたのが印象的で暗転するのだが、スクリーンにはないシーンではどん底状態のサトシが階段の上に居て、アサミの表情は涙でぐちゃぐちゃだった。

サイドストーリー的な小説は他にもいくつか書かれたそうで、作品から受けた奥行きの深さに納得した。

ケガをした主演俳優にそのマネージャー、映画制作のスタッフや居酒屋を経営する後輩に同窓会で再会した雪乃とその元夫など、多くは語られないが、ちょっとした会話の端々に主人公との関係性や人間性を醸し出している演出の手腕は白眉。

そして朗読の声と語り口はそれだけでもお金が取れる匠の領域で、『カンブリア宮殿』や『サスケ』の第2ステージからのナレーションをされている一流の技を生で体験できたのは2度美味しかった。

 

 

職人が手延べ麺を作っているシーンもあった、金魚印で有名な渡辺手延製麺所の手延べひやむぎをお土産としていただき3度美味しい。

お心遣いありがとうございます。

 

 

劇中の木村と同様に、リアルでも高川さんは還暦にして初監督作品で、2歳年上の先輩が人生の道標を示してくれるのはありがたく、次回作も期待しています。

その前にもう一度劇場に足を運びます。

1週間限定上映なのでお見逃しなく。

大切なことは他人の目に成功者と映ることではなく、自分に確信をもつことである。

 

NAGOYA Cycle Sports Days

 

2024.3.14 NAGOYA Cycle Sports Days

 

 

東海地区最大級の自転車のイベントで、有名ブランドや関連企業のブースが立ち並び、自転車系人気ユーチューバーなども来場されてステージは華やか。

ユーチューバー目当ての来場者も多いだろうな。

まあ、私もそうなんだけど。

 

 

トライアスロン用の自転車だが、スタイリッシュで、めっちゃ速そうで、高そう。

これは展示車なので試乗できないが、各メーカーのいろいろな車種を試乗できてロードバイクも試乗したかったが、昨年大ゴケしたときに首を痛めてから前傾姿勢をとるのが辛く、それ以来自宅のロードバイクは埃をかぶったままである。

 

 

お目当てのDAHONのブース。

折りたたみ自転車の人気メーカーで、中京テレビの『ゴリ夢中』でゴリさんが乗っている赤い自転車といえば東海地方の多くの方はわかるだろう。

私はその影響もあって別の車種の赤いDAHONを乗っている。

そのMu-p8は20インチという折りたたみの中では大きめのサイズで、推進力は十分だが、折りたたんで持ち運ぶにはちょっと重く、軽い折りたたみでいいのがあればと試乗した。

 

 

第一候補のK9X。

16インチでMu-p8と比べてかなり軽く、これなら気軽に持ち運べそう。

変速もMu-p8より1段多い9段変速で、できれば上り坂も試したかった。

 

 

DAHONで一番人気のK3は14インチで3段変速。

サイズの割に走行性能は高いが、ペダリングがちょっと窮屈かな。

この日ブース出店していなかったメーカーも含めて、じっくり検討したい。

 

 

先日たまたま遭遇したBROMPTONチーム。

やはりお洒落度はNo1。

折りたたんだ状態でも小さい車輪でコロコロ運べるのは機能的でスタイリッシュ。

 

 

こちらもたまたま遭遇した『ぽたぴ』という東栄町で活動されている折りたたみの電動アシスト自転車でのさんぽを愉しむグループ。

茶色の四角い鞄の中にバッテリーが入っている。

https://potabi-toei.com/

 


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東栄町忌野清志郎さんが頻繁に訪れた湯谷温泉のある新城市のお隣だから、動画にある風景も走られたのかも知れない。

電動アシストはもう少し足腰にガタがきてからでいいかな。

 

 

関西の人気ユーチューバー『なななチャンネル』のなななさん。

この度は『自転車を趣味にする』の出版&早々の増版、おめでとうございます!

数多い自転車系ユーチューバーの中でも、面白さと企画力はピカイチ。

私はソロライド派だが、勝手に仲間意識をもって拝見していて、何より自転車の楽しさが伝わってくるのが一番の魅力。

 

 

地元岐阜の人気ユーチューバー『ゆみやみチャンネル』のゆみやみさん。

「はーえら」と、岐阜弁まるだしでボヤキながらのヒルクライムは最高で、飾らないキャラも魅力的。

私も今年からヒルクライムをぼちぼちやっていく予定なので、近場のコースが多いのと還暦手前の貧脚おっさんとしてはガチ系より参考になるのでありがたい。

トライアスロンに挑戦されているのも刺激になる。

 

 

こちらは人気インスタグラマーのもえぞ―さん。

手にされているのはエナジードリンクではなく、洗車グッズ。

自転車系の中でも洗車に特化されていて、実演を通じて洗車の楽しさと大切さを伝えられていることを初めて知りました。

私のバイブルで何度も読み返している俳優の鶴見辰吾さんの著書『気がつけば100km走ってた』に「キズは誇り、汚れは恥」とあるが、恥ずかしながら読んだだけで実行していなかった。

もえぞ―さん、ありがとうございます。

洗車に精進します。

 

 

自転車に合う食事と言えば片手で気軽に食べられてカロリーも補充できるガッツリ系のハンバーガー。

 


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先日、東出昌大さんのドキュメンタリー映画『WILL』を鑑賞したこともあり、いくつかキッチンカーが並ぶ中で選んだのは、里山きさらの鹿肉チーズバーガー。

ジビエの臭みはまったくなく、でも命をいただいていること実感できる野性的な美味さに感謝。

岐阜の揖斐川に素敵なロケーションの店舗があるみたいなので、自転車を漕いで本格的なジビエ料理を食らいつきに行きたい。

https://www.satoyama-kisara.jp/shop/

楽しみがまた一つできた。

 

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自転車人口の裾野を広げるには、自転車レーンの整備と、エンジョイ系インフルエンサーの発信力は欠かせないだろうし、おかげで私の自転車ライフはより充実したものになっている。

みなさんのこれからのご活躍を期待してます。

LET'S GO ‼