
2026.11.1 シネマスコーレ
『Man』『鵜野』『古奈子は男選びが悪い』
舞台挨拶 前田弘二監督 宇野祥平さん
前田弘二監督と宇野祥平さんは、出会って25年、『Man』が25作目の共作という記念すべき作品。
自主映画時代から長きに渡り、苦楽をともにしてきた二人だからこそ、前田監督は宇野さんの魅力を最大限に引き出せる術を熟知している。

悪い仲間に逆らえず車の窃盗に手を染める青年・小田を突然連れ去り、「いい男にしてやる」と一方的に世話を焼き始める謎の男・久野を演じる宇野さん。
善意と狂気、滑稽さと不気味さが紙一重で共存していて、サスペンスにしてコメディであって、その本質は前田監督が考える「いい男」についての映画なのである。
だから主演を宇野さんで撮ることを決めての当て書きなのだ。
「いい男」を描こうとすると、格好いい場面ばかりになりがちだが、思わず笑ってしまう場面や、常識から外れた行動が次々に出てきて、格好悪さを隠さないことも格好良さの一つであり、滑稽な姿を見せることで人間臭さも際立っていた。
久野が小田のこと「恩人だから」と言う理由が明かされるシーンに小田の人間性が描かれていて、「情けは人の為ならず」だし、環境が変われば人も変われるのだ。
何事にも動じず、信念を持ち、ある人の幸せを願う姿は『容疑者Xの献身』の石神にも繋がる格好よさに思えた。
宇野さんってこんなにハンサムだったっけ?
ナンパのシーンもスマートだった。

『放し飼いの人びと』前田弘二監督短編収2005-2025 の中から、この日は『鵜野』『古奈子は男選びが悪い』が上映された。
この2作品は5年前にシアターカフェでの前田弘二監督特集で鑑賞していて、また観られるのを楽しみにしていた。
前田監督の映像は、笑いを強調するための演出というより、日常を少し異化することで、人間の可笑しさを浮かび上がらせているように感じる。
『鵜野』は、どこか奇妙で、登場人物たちの不安定な状況やちぐはぐな関係性を視覚的に伝える固定したカメラアングルや構図が絶妙で、5年前にも実際にある喫茶店かお聞きした覚えがあるが、まだ営業しているらしい。
両作品とも宇野さんと並ぶ名バイプレーヤーの吉岡睦雄さんもいい味を出してます。

奥で撮影指示を出している坪井支配人とおふたりは20年来の仲で、舞台挨拶では前田監督が振って、宇野さんがツッコミ、坪井支配がタジタジになるという場面が何度もあって、別料金が取れるくらいのトリオ漫才に笑わせていただいた。















































