2021.7.17(昼の部) JAZZ茶房 靑猫 鳥越啓介 (b)
靑猫の扉を開けると、普段はスペースの関係でCDラック側がステージになるのだが、この日はスピーカー側にステージが設けられていた。
CDラック側だとカウンター席の方向へ音が流れてしまうので、反響を考えると断然こちらの方が響きが良い。
後ろの席でゆったり聴こうと開演時間5分前に滑り込むと最前列右手の席しか空いていない。
そこに座ると手を伸ばせば鳥越さんに届きそうな距離。
コントラバスでソロツアーをやってしまうのは鳥越さんくらいだろう。
しかもおとといの京都、前日の追加公演の名古屋、そして今日の3日間とも昼夜2講演というハードなスケジュール。
ライブ1曲目に披露していただいた『Wish for Peace of Mind』のショートバージョン。
昨年の12月31日、新型コロナウイルスの1日の感染者数が1000人を超える中で平和への祈りを込めて書かれたそうで、ラストに弾かれた『Everybody Loves Somebody Sometimes』まで、コントラバスの深い音色は愛に包まれていた。
ループマシンやエフェクターを駆使した中、アンコールはアンプラグドでの生音。
それに耳を澄ますと、窓の外で梅雨明けを告げるセミの鳴き声は心地よい音量でコーラスをしているように聴こえた。
おそらく他の会場でも生音で弾かれているであろうが、反響はもちろん、静寂さを演出した雰囲気も音となっていた。
鳥越さん曰く「バズっている」小柳ゆきさんとの動画。
圧倒的な歌唱力を引き立てるピアノとベースが凄まじくカッコいい『廻廻奇譚』のジャズバージョン。
次回の名古屋は10月3日(日)に日本特殊陶業市民会館 ビレッジホールへ、小柳ゆきさんの全国ツアーのメンバーとして来られるとのこと。
そうだと思いだして、録画していたNHKの『SONGS』の中で、椎名林檎さんと共演された(林正樹さん(p)・みどりんさん(ds))『TOKYO』を久しぶりに観返したが、こちらも恐ろしくカッコいい。
鳥越さんは超一流のボーカリストからも信頼が厚い。
と考えていたらFacebookから7年前の思い出のお知らせが来た。
北欧の歌姫、シゼル・ストームとの共演はもう7年前なのか。
月日の経過の速さに焦りながら良い機能だと思った。
その日の鳥越さんはスタイリッシュでセクシーで、そして怪しげだった。