necojazz’s diary

ジャズを中心に雑食

中村佳穂 うたのげんざいち 2021 in 京都 ロームシアター

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2021.12.7 ロームシアター京都

中村佳穂 (vo,pf,key)   西田修大 (gt)   越智俊介 (b)   林田順平 (cello)   伊吹文裕 (ds)

村島洋一 (vo)   君島大空 (gt) Colloid (cho)   スティーヴ エトウ (per)

 

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佳穂さんの地元、京都での『うたのげんざいち』。

当初は2020年6月14日に開催されるはずだったがコロナ禍の影響で中止となり、2021年5月20日に決まった公演も延期され、地元のファンは待ちに待ったことだろう。

当然、チケットは速攻で SOLD OUT になり、涙を飲んだ方も多い中、なんとなんと1列目の席をゲットできた。

ただし4階ですが...

その4階席から眺めた佳穂さんの晴れ舞台はまさに絶景だった。

 

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佳穂さんの現時点での集大成とも言えるライブは、初期のナンバーから来年リリースされるアルバムの収録曲までバランスよく配置され、佳穂一味で一番のボスキャラであるスティーヴ エトウさんの登場には心踊った。

麗しの50代は還暦を過ぎても鬼カッコ良さに磨きがかかり、オチャメ度も増していて、やはり段ボールが良く似合う。

そして、佳穂さんにはクジラのように美しいピアノが一番似合う。

 

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私が佳穂さんと遭遇したのはスティーヴさん目当てで行った奈良ろくさろんのDUOライブでのこと。

日本で唯一の風鈴音楽家や琵琶法師といったかなりディープなラインナップだった高畑街道祭りで、ひと耳惚れした。

その衝撃的ファーストタイムの再現に一瞬にして時は戻り、そこから数々足を運んだライブの映像が走馬灯のようにぐるぐると頭の中を回り続け、脳みそがバターになりかけた。

ティーヴさん、もしかして同じ段ボール?

 

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ご一緒していただいた京都のイラストレーター、ナカガワ暢さん。

テレビドラマや映画に街の飲食店などなど、様々なイラストを手掛ける中で、ライブのチラシやCDジャケットなどの依頼も多く、ミュージシャンや音楽関係者からの信頼も厚い画伯。

ライブというのはミュージシャンが演奏するだけではなく、佳穂さんの飛びきりの笑顔を撮った写真や、その笑顔の前で楽しそうにしている文字、グランドピアノを象った舞台、この日のためだけの衣装に、それらを映えさせるライティング、演奏の素晴らしさを増幅させる音響など、様々な人の手によってつくられている。

そして、今回は配信で伝える技術も。

 

 

ライブに行くのだから配信は観なくていいだろうと思っていたが、あんなの聴かされたら観ない訳にはいかないだろう。

コンサートの模様は生配信されていて、ご覧になられた方も多いと思うが、見逃し配信が12月31日23時59分まで絶賛配信中なので、とにかくご覧いただきたい。

オペラも開催されるホールだけあって包み込まれるような音響は確かに素晴らしかった。

でも4階席だったせいなのか、音が響き過ぎて歌詞やMCがはっきりと聴き取れなく少し残念に思えたが、配信ではクリアに聴きとれて音質もカメラワークも画質も滅茶苦茶イイ。

ぼんやりとしか見えなかった衣装もばっちり拝見できたし、何よりも全員の表情がステキであった。

メガネをはずした佳穂さん、可愛さより綺麗が優ってました。

佳穂さんが音楽を始められてからひとりふたりと仲間を増やしていく姿はまるで麦わらのルフィーのようで、純粋に歌や音楽が好きな姿には人を惹き付ける引力があり、そこには打算などない。

その仲間はこの日ステージに上がっているメンバーだけでなく、これまで共演してきたミュージシャンや裏方さん達、会場に居た観客や応援しているファン、みんなクジラのように大きな船に乗り込んでいる。

そして、羅針盤でげんざいちを確認したら次の夢に向かって帆を上げる。

佳穂さんの航海はまだ始まったばかり。

目の前に広がる海は世界へと続いている。