La BOULANGERIE d'a Cote (ラ ブランジュリ ダコテ) を訳すと「隣りのパン屋さん」。
パリの街角にあるパン屋さんが、お店ごとまるまる名古屋の藤が丘に引っ越して来た感じの佇まい。
フランスのパン屋さんと聞いてまず頭に浮かぶのは『メゾン カイザー』。
名古屋にも池下のセントラルガーデンやJR名古屋高島屋などにある。
そこで、グランシェフとしてご活躍されていた朝倉佳浩氏が独立して、2018年6月にオープンされた。
私の行け付けである『ジャズ茶房 青猫』の隣りではなく上にあるパン屋さん。
オープンされた当初、地下の青猫に向かう階段を降りるときに夜10時が過ぎても仕込みをされている姿を窓からよくお見掛けした。
朝7時から開店だけど、お体大丈夫か?
その姿を何度かお見受けするうちに気になって、オープンして2ヵ月後くらいに足を運んだ。
基本ご夫婦お二人で切り盛りされていて、奥さんにお邪魔した切っ掛けをお話しすると、「オープンしてしばらくは大変でしたがだいぶ落ち着いてきました」とのことだった。
奥さんの明るく気持ちの良い接客は美味しいパンを仕上げる最終行程のよう。
流暢なフランス語 (英語の時もあったと思う) での接客も何度かお見受けした。
奥にはフランスのエスプリ漂うイートインスペースがあり、コロナ禍でしばらく閉めておられたが、少し前から席数を減らして利用できるようになった。
イートインスペースの大きな窓からもパン作りの様子を伺うことができ、常に整理整頓されている厨房からは、ご主人の拘りと信念と自信が感じられる。
ドリンクバーは、洒落た感じで、十分に美味しいし、ゆっくり読書をするにはありがたい。
トースターでパンを温めることもできる。
この日は、メゾンカイザーの代名詞でありダコテの看板商品でもあるクロワッサンに、クロワッサンをシロップに浸してアーモンドクリームを入れて焼き上げたクロワッサン オ ザマンド、それとちょうど焼きあがったばかりのヴィエノワ生地にたっぷりとくるみが入ったパン オ ノワ をいただいた。
クロワッサンは、外側の食感はサクサク、中はふんわりエアリー、口の中ではしっとりもちもちして、噛むほどに発酵バターの芳醇な香りと甘みが広がる。
ハード系を中心にお店に並ぶパンはどれもオススメ。
帰りにコーヒーと相性抜群と書いてあったガナッシュショコラキャラメルをテイクアウトすると、イートインした商品をすべて覚えていただいていて「併せるとスタンプをもう一つ押せますよ」と、お気遣いもさすが。
この日はイートインできなくなってから数カ月ぶりに寄らさせていただいたが、どれだけ間が開いても「お久しぶりです」ではなく「いつもありがとうございます」と笑顔で向かえていただける。
地下の青猫では10月にオススメのコンサートがある。
quartetto Respiro (クァルテット レスピーロ)
『Dialogue』
10月23日(金) 18:30 OPEN 19:00 START
前売3000円 当日3500円 お飲み物とスイーツ付き
呼吸という名のカルテット。
昨年、名古屋電気会館ザ・コンサートホールでお聴きしたが、格調ある音色と大胆な表現力の融合は、新世代の旗手となるべき存在を感じさせる素晴らしさだった。
カフェライブの他にも、10月11日(日) には ANNEX HITOMI ホールでのコンサートもある。
青猫でのライブの前にダコテで小腹を満たすクロワッサンなどを是非。
パン屋激戦区の藤が丘でイチオシです。