necojazz’s diary

ジャズを中心に雑食

岸本景子×坂厚人 監督week『虹のかけら』+岸本景子監督特集(Aプロ・Cプロ)

 

虹のかけら

登壇者 坂厚人監督 篠崎雅美さん 水野祐樹さん

 

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認知症の母親をひとりで介護する娘の芽衣

介護の実情をリアルに捉えながら母と娘の心の機微を描き、多くの方に降りかかってくる介護問題のあるべき道筋も示している。

厳格な母親との確執をもったまま介護する中で、親族同士の擦り付け合いもあって孤立する芽衣

 

 

ひとりでは押しつぶされてしまう環境でも周りの「かけら」たちが紡ぎ合い希望のを虹を織りなす。

クリアファイルにデザインされた、想い出の木の横で微笑む亡き父、いつも気に掛けてくれるケアセンターの職員、話し合える職場関係の人々など、心の支えがあるから前を向ける。

ひとりで悩まず、頼れるものには積極的に頼ってよいのだ。

 

 

入場の際に映画のチラシと一緒に『認知症のしおり』や『いきいき支援センターをご活用ください』などの冊子もいただいた。

最低賃金の引き上げが過去最高額となったが、人件費の比率が高い介護の現場はますます疲弊するだろうし、それに反して訪問介護の基本報酬が今年の4月から減額されている。

頼れる社会をつくるため介護業界全体の底上げをしなくてはならないのに政府は何を考えているのか。

 

 

母親に化粧を施す娘。

女性同士だからこその美しいシーン。

認知症になったからこそ気付けた母の気持ちに涙。

 

 

『ある夏の送り火

登壇者 岸本景子監督 竹田朋子さん 横山和泉さん

予告編の誕生日のシーンで着ていた8年前の衣装を胸にあてる和泉さん。

監督の無茶振りにも大人顔負けの受け答え。

 


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海で少し目を離した際に次女を亡くしてしまった母親。

自分を責め、苦悩し、夫や長女との関係にもヒビが入る。

病気で亡くしたのとはまったく違う感情であることは想像できるが、どれほどの苦しさなのかは当人にしかわからない。

お盆に帰ってきたご先祖さまや亡くなった者の霊をあの世へ見送る送り火

香川県のさぬき地方の送り火は、海岸沿いに108か所の穴を掘り、たいまつを並べ祭壇を設置するというめずらしいもので、人口の減少により途絶えていた伝統行事が40年ぶりに復活した事を知って映画にしたいと企画されたが、残念ながら現在は再び途絶えているとのこと。

撮影した翌年からは風向きが悪かったり台風影響で中止になったそうで、奇跡ともいえる映像は幻想的で荘厳。

岸本監督がテーマとされている生と死は普遍的で時代に関係なく人の心を打つ。

 

 

『あずさとさんぽ』

15分の短編で、関東から岡山県の総社に移住するために家の見学に来た3人家族の一人娘のあずさが東京に帰りたいと駅を探しに行って迷子になり、助けてくれた少年とたくさんの子供たちと触れ合うことによって気持ちが変わっていく。

岸本監督のもうひとつのテーマである地域性がよく表現されている地元の子供たちが楽しそうに遊ぶシーンは名場面。

 

 

『家族の肖像』

岸本景子監督 堤健介さん(脚本) GONさん 篠崎雅美さん 山本陽梛汰くん

今年の2月に上映したばかりだが、また大勢でお越しいただき感謝。

 

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岸本景子×坂厚人 監督week『虹のかけら』+岸本景子監督特集は8月2日まで。

(定休日7月30日、31日)

暑い中、連日舞台挨拶に来られますので、是非!