2020.10.18 センチュリーシネマ 本気のしるし 深田晃司監督舞台挨拶
1回目の観賞後、センチュリーシネマのロビーで深田監督の舞台挨拶があることを知り、これは行かねばと、この日の予定を変更して足を運んだ。
劇場には映画ファン、深田晃司ファン、星里もちるファン、が集まり、コミックを抱えたかなりのマニアらしき人も。
星里もちる先生の同名コミックが原作であることは広く知られるところだが、星里先生の作品がセリフの中に散りばめられている遊びがあるなど、裏ばなし満載のトーク。
「オムライス」もそうだったんだ。
メ~テレ制作のテレビドラマの放送エリアは、愛知、岐阜、三重の東海3県とテレビ神奈川だけだったので、映画化はまったく予想をしていなかったとのこと。
名古屋のローカル局から全国に発信できたことは、この地方にとっては特別な作品となった。
質疑応答での丁寧で真摯な受け答えと熱い語り口に、深田監督にとっても特別な作品であることがうかがえた。
ファムファタールものにならないようにセリフを書くときは男性女性を意識しないようにしたこと。
立体感や引きの映像など、撮り方がドラマっぽくないという評判にしめしめと思ったこと。
愛の解釈について、そのわからなさを4時間かけてやっぱりわからないよね、ということを知る時間になってもらえたらということ。
コミックを映像化する難しさや、晴れたシーンが少なかった理由について、などなど。
ざっくりとしか書けないが、興味深いお答えにあっという間の30分間。
進行役の方からのハッピーエンドかそうではないかの会場への質問に、挙手がほぼ半々になったのを見て、してやったりの表情を浮かべられていた。
みんながみんな同じように感動して涙を流す映画は疑わなくてはならないと、深田監督。
深田作品の答えはスクリーンの中ではなく、観た者の中にある。
自分が洗い出される濃密な4時間。
ぜひ足をお運びください。
舞台挨拶終了後、本来の予定であった金山Mr.Kenny's に自転車で向かう途中、東別院にあるメ~テレの前を通った。
ちなみに、ビルに番組名がある朝の情報番組『ドデスカ!』は、どうですか?と、朝のご機嫌を伺っているのではなく、黒澤明監督の映画『どですかでん』からのネーミング。
主人公が電車ごっこをするとき、電車が進む音を表現した言葉である。
Mr.Kenny's 椿田薫 5
椿田薫(as) 中垣あかね(vo) 渡辺翔太(pf) 清水行人(gt) 山下佳孝(dr,per)
お店に着いてドアを開けようとしたタイミングで 2ndステージが始まった。
席についてまずは裏ばなしならぬ裏メニューのオムライスを注文。
あの二人はあれから一緒にオムライスを食べたのだろうか?と、思いを巡らせながら口にすると、とろとろ卵の甘みとスパイシーなチキンライスの塩梅が抜群の大人の味。
メニューにはないが、卵と余裕があれば作っていただけるので気軽にご注文を。
ライブもジェントルな大人の味付け。
椿田さんほど優しく抒情的なサックスを吹かれる方を他に知らない。
おそらく内面的な優しさが音になっているのだろう、音に濁りがない。
「明日からまたお仕事だと思いますが、聴きにきてくださってありがとうございます」
MCにも実直なお人柄がうかがえる。
名古屋を中心にご活躍されているローカルミュージシャンだが全国でも通用する実力。
あかねさんの心洗われる透き通るようなボーカルとのマッチングはこの地方に限らず多くの方に聴いていただきたい。
全員の目線が揃った写真がなかったので、メインのおふたりから目線をいただいた写真をチョイス。
コミックを映像にするのが難しいように、音楽を文字で表すのも至難の業である。
なので、YouTube でお聴きください。
たまたま付けていたNHKのニュースで『鬼滅の刃』のヒットの話題に触れており、何回泣いただの、家族愛についてどうだの、みんなが同じ話しをしている様子が放送されていた。
『鬼滅の刃』は観たことがないし、さほど興味もないが、主題歌を歌っている LiSA さんが名古屋のローカル局CBCの野球中継でのテーマ曲も歌っていて、中日ファンにとってはビシエド級の存在感。