necojazz’s diary

ジャズを中心に雑食

島裕介 & 丈青 DUO

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 2020.12.4 Mr.Kenny's 島裕介 (tp,fl,flg) 丈青 (pf)

 

「コロナ禍のご時世、デュオライブをやっていると予算削減のように見られがちですけど、ケチでデュオをやっているわけではありません」と、島さんのコロナ禍ジョークの飛沫を浴びた。

飛沫と聞いてトランペットは大丈夫?と、ご心配される方も居られるかと思うが、楽器から出る水分のほとんどは結露(空気中の暖められた水分)で、口の中から出てきた唾液などはほぼ含まれていないため危険度は少ない。

デュオの話にもどると、これまでに足を運んできた島さんのライブを思い返したところ、確かに丈青さんとのデュオが一番多い。

他にも、伊藤志宏さん(pf)、渚まいこさん(pf)、樽木栄一郎さん(gt,vo)、大城直人さん(gt) など、圧倒的にデュオ編成が多いのも間違いない。

ライブだけでなくアルバムもデュオ編成は8作もあるそうだ。

ドラムとの掛け合いはトランペットの醍醐味の一つだが、ベースとドラムの入らない管楽器の歌心だけを聴かせるというコンセプトは若い頃から持っていたそうで、ご本人曰く「デュオの先駆者」。

 その言葉にはデュオに対する絶対的な自信も垣間見える。

 

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インタープレーの最小単位であるデュオは会話ではなく対話。

明石家さんまさんのように話を上手くまわすテクニックは要らない。

会話が浅く広く全員にも伝わる話し方なら、対話は深く狭く個人に伝える話し方。

相手の言葉にじっくり耳を傾け、理解し、返答する。

高いレベルでの理解力と伝達力が必要となる。

この日は島さんが予定していた中でボツにした『Someday My Prince Will Com』を丈青さんがリハで急に弾きだしたそうで、これはやれということだな、ということで、ガツンと丈青さんのピアノが鳴った。

これも理解力と伝達力なのか。

お馴染みの『Blue in Green』では「だいぶアレンジが変わりましたね」と、島さん。

 

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ライブ終了後には、お母さんと聴きに来られていた少年に丈青さんがプチレッスン。

短時間のうちにみるみるリズムがよくなっていったように感じた。

これも理解力と伝達力。

「筋がいいですよ」との言葉に、ソイルの大ファンというお母さんは舞い上がっていたが、冷静な顔の少年に大物になる予感がした。

それを楽しく聴いていた私たちにも何度も何度も頭を下げられていたお母さん。

丈青さんの笑顔は子供のようだった。

 

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この日いただいたホットジンジャーとジンジャーミルクのデュオ。

同じ素材が違った味のハーモニーを奏でてくれる。

 

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スパイシーな対話を楽しんだ夜。

お笑いで対話のプロフェッショナルとして思い浮かぶのはアンジャッシュ

渡部さんはテレビではなく時間をかけてライブから地道にやっていくべきだと思う。

その他大勢の野次馬よりもアンジャッシュを想うファンのためにも。

島さんなら一緒にやり直してくれると思う。

島じゃないよ、児嶋だよ