永瀬正敏特集 6/9
ある日、日本のある場所で大地震が発生。その振動で原子力発電所のボルトがゆるみ、圧力制御タンクの配管から冷却水が漏れ始めた。高放射能冷却水を止めるため、男は仲間とともにボルトを締めに向かう。この未曾有の大惨事を引き金に、男の人生は大きく翻弄されていく。
大地震の影響で原子力発電所のボルトがゆるんだ。冷却水が漏れ始めた圧力制御タンクの配管のボルトを命をかけて締めに向かう男たちの物語。
原発事故後、避難指定地区に独り住み続けたひとりの老人が亡くなった。遺品回収に向かった男が直面する現実。
クリスマスの夜、車修理工場に暮らす男の前に現れた一人の女。夢か幻か。
(公式サイトより)
10年前の3月11日、長久手図書館で本を借りて駐車場に停めてあった車に乗り込んだ際に揺れを感じた。
カーナビのテレビをつけると宮根誠司氏が地震が発生したことを伝えていて、しばらくその映像を呆然と見るしかなかった。
東日本大震災から10年という節目ということで、いろいろと震災関連の報道がされるであろうが、10年だろうが、何年何カ月だろうが、そんな時間の経過よりも、どれだけ復興が進んだのか、どれだけ被災地と被災者に寄り添えているのかが肝要である。
復興五輪と言う名目だけで被災地と被災者にまったく寄り添わないオリンピックはいつの間にか人類がコロナに勝った証にしようということになってしまった。
日本のある場所としたのは未だに原発の推進をしている現状では福島に限った話ではないということだろう。
実際の現場でも映画と同じように徹底した時間管理の中で何人もの作業員が交替しながらたった1本のボルトを締めるという作業があり、場所によってはネジを1回まわすだけで20ミリシーベルトくらい被爆したそうだ。
そんな恐怖感の中での制限時間に追われる作業では人はミスをしてしまうものであり、その緊迫感がひしひしと伝わってくる映像は、体験型の作品とも言える。
ボルトを締めに行くのは東電の孫請け会社のそのまた下請け。
東電の社員や政治家は決してボルトを締めには行かない。
避難指定地区で亡くなった老人の遺品回収にも行かない。
これからも行かないから原発を推進できる。
《アトムスーツの中の宇宙》 永瀬正敏さんの公式Twitterより
2016年《ヤノベケンジ〜シネマタイズ》 (at 高松市美術館) にてコラボ作品の中から。
エピソード1から3まで、永瀬さんは同一人物のように見えるが、そうでもないようにも思える前衛的な作品は、京都芸術大学の協力のもと東北芸術工科大学により制作されていて、学生の中には被災者も居られただろう。
この作品の他でも次世代の映画人の育成のにも力を入れられている林監督と永瀬さんは忖度しない姿勢もしっかりと伝えられたようだ。
オススメ関連作品『故郷よ』。
配給会社の彩プロと交渉して第2回なごや国際オーガニック映画祭での上映許可をいただいたが、実行委員会での選考で漏れてしまった思い入れのある作品。
福島原発事故から10年の今、刈谷日劇か何処かの映画館で再上映してくれないかなぁ。
ティシュー(ティッシュとちゃうか~)お持ち帰り自由。
こんなん、なんぼあってもいいですからね!
ポップコーンとお菓子は100円均一。
コロナ禍以前はカップ麺も置いていてポットのお湯も自由に使えたアットホームな映画館です。