necojazz’s diary

ジャズを中心に雑食

KAORI UENO 20th AnniversaryTour

 

2023.3.24   THE WIZ

KAORI UENO 20th AnniversaryTour 

Kaori Ueno(pf)    Patrick Bartley Jr.(as)    Noah Jackson(b)    Darrian Douglas(dr)

 

 

ニューヨークからノア・ジャクソンとダリアン・ダグラスを呼び、東京在住のパトリック・バートリー・ジュニアと合流しての上野香織さん20周年&3rdアルバム発売記念ツアー。

そして、ピアノに一番近い特等席には上野さんの名古屋ライブ3回目で皆勤賞の山田さん。

 

 

3rdアルバムのタイトル曲である『BLACK HEART』は、アメリカを取り巻く社会問題である『 Black Lives Matter 』と言われる特に黒人への不当な暴力に対する人種差別抗議運動や、ニューヨークでも活動した中で日本人の目から見た人種問題へのメッセージを織り込んでいるようで、メンバーはもちろん、上野さんのハズバンドは黒人の方だし、ハーフのお子さんの存在もあり、上野さんでないと書けないであろうホットなナンバー。

日本人がカッコ良さや憧れでやっているジャズとは違った熱量とセンスを感じた。

 

 

第一子がお腹に宿ったときに羊水を泳ぐ様子を曲にしたという楽し気な『Swimming Baby』と、二人目のお子さんに向けて書かれた美しく可愛らしい『My Little Sunshine』に母としての愛情も溢れ、アンコールの『Hamabe no Uta (浜辺の歌)』ではブラックハートなシャツを纏いながら日本人としてのハートもしっとりと奏でられていた。

 

 

ノア・ジャクソンの太くて深みがある低音はカルテットのサウンドを厚くし、ソロでは力強さとスピードを兼ね備え、しかも明るく優しい。

それを生むぶっとい指を見ると、日本人とは違うなと思ってしまう。

 

 

昨年11月のライブレコーディングを兼ねたツアーでは指のケガによって来日できなくなってしまい心配していたダリアン・ダグラスも今回のツアーでは元気な笑顔をみせていただき、日本人にはないリズム感をとしなやかさにドラムのすぐ横の席で釘付けとなった。

 

 

グラミー賞にノミネートされるなど、世代トップと言われるパトリック・バートリー・ジュニアの表現豊かな大迫力のアルトサックスはやはり凄かったが、奥さんは日本人で日本の音楽にも精通しいるアニメ好きは『エバンゲリオン』をぶっ込んで、アルバムでも『丸の内サディスティック』に『上を向いて歩こう』のフレーズを吹かれるなど、イエローハートも聴かせてくれた。

 



上野さんが「絶対にこのお二人とのトリオで作りたい!」と、1stアルバムを一緒につくられたベーシストの井島正雄さんとドラムのヤス岡山さん、二人の故人の大ファンで初めて上野さんのライブを聴かれたWIZのオーナーの良子さんも「香織さん、素晴らしい!」と、大絶賛されていた。

さすが二人から見染められたことだけはあると、故人のことも思い出されていたであろう。