2023.12.23 BIRD&DIZ
栗林すみれ (pf) 西嶋徹 (b)
早速、元木マスターがライブの動画をアップされていた。
昼間にフィンランドガラスアートの鑑賞や、美濃焼でのお抹茶の一服に、うな釜をたまごで包んだオム釜なるものを頂くなど、美濃地方の大人の体験巡りをされたそうで、すみれさん曰くこの夜のテーマは「上質な大人」。
『Pieces of Color』に代表されるようなめくるめく色彩豊かで華やかな世界もいいが、モノトーンで落ち着いた音に惹かれる傾向が増してきているのは自分が年をとったということなのだろう。
「バラードが続きますが、寝かせにかかりますか」との言葉の通り、派手さはないが、哀愁、愉悦、苦辛、寂寥等々、心の揺らぎが丁寧に紡がれた叙情的な音色は様々な経験と鍛錬を積まれた賜物。
ただ年をとっただけの私からすれば上質な時を重ねて来られたお二人の音色に真の大人を感じた。
これまで歩んできた道にしっかりと足跡を残す生き方は大人である。
木漏れ日を感じるパーフェクトライブ。
2019年の5月から始めたブログでBIRD&DIZの記事を書くのは初めてであり、Facebookを遡ると2019年4月27日の『二重奏(栗林すみれ&金澤英明)with今岡友美』以来であった。
コロナ禍が明けて他のお店がライブを再開される中、ずっと休業されたままだったのでマスター大丈夫か?と心配していたが、お元気そうで何より。
4年半前はオレンジのキャップに全身真っ赤の電撃ネットワークだったが、この日は白を基調にされていてライブの空気感とマッチした上質な大人のスタイルだった。
すみれさんが藤本一馬さんと8月に録音された限定200枚の自作の闇CDと、西嶋さんが林正樹さんと10年前に制作された垂涎のCDはどちらもモノクロが基調。
闇CDは残り3枚ということで、休憩時間に即購入。
帰りの車内で聴きくと、2枚とも静寂な夜に溶け込む大人のアルバムであった。
翌日、ジャズ茶房靑猫でリクエスト。
靑猫のひんやりとした大人の空間にもよく似合う。
『THE ROAD TO A NEW JOURNEY』の『Nascente』を聴いていると「この曲パットメセニーも弾いていなかった?」と高橋マスター。
「さぁ~わかんないです」と返すと、暫し考えてから4000枚程のCDが並ぶラックから1枚取り出した。
パットが参加しているマイケルブレッカーのリーダーアルバムに収録されていて、それを聴きながら「こういう記憶力は自信があるんです」と、ご満悦の表情。
大人の仕事をされてます。