2023.3.2 K.D ハポン
めばゑ連続ツーマンVS企画第17弾『至誠編』
めばゑ (vo.gt) 加藤伎乃 (vo.gt)
共に愛知県瀬戸市出身で、東京スーサイドシティを生き抜いている歌姫のツーマンライブ。
しかも同級生ということで、ライブ前からキャッキャッとふたりで盛り上がっていた。
小中の同級生から瀬戸市出身で素晴らしいシンガーソングライターが居るとお名前は耳にしていたが、初めてライブをお聴きしためばゑさん。
見た目からは想像できないパワフルなパフォーマンスとざっくばらんなマシンガンMCに驚いた。
ライブ後に瀬戸市民であることをお伝えすると「どこ中?」と聞かれたので「祖東」と答えると「パパと一緒!」ということで「パパと同級生かも」と年齢を言うとパパは50歳だそう。
9歳も年下と知ってショックのあまり膝から崩れ落ちた。
ちなみにめばゑさんは光陵中学、伎乃さんは南山中学だそうで、中学あるあるトークに花が咲いた。
それぞれが歌った東京。
『東京スーサイドシティ』はゲリラ撮影なのかエキストラなのか分からないが、誰も伎乃さんを気にしていないのはいかにも東京らしい。
もがきながらも必死に生きている人へ、めばゑさんからの『東京』でのメッセージは地方出身者なら誰しも心に刺さるに違いない。
仕事やライブ鑑賞などで何十回も東京に行っているが、時々行くから楽しいだけで、とても住みたいとは思わないし、高層ビル群が立ち並ぶ風景は働いて働いて息絶えた人々や夢破れた人々の墓標に見えて仕方ない。
イギリス、フランス、チェコと、単身でのヨーロッパツアーで更にグレードアップした伎乃さん。
自分のことを誰も知らない国で自ら売り込んで、歌詞もダイレクトに伝わらない土地で頼りになるのは己だけ。
自分の歌と演奏力を信じているから挑戦できたのだろう。
その歌の持つ圧倒的な力に魅せられるから有能なクリエーターも集まる訳だ。
めばゑさん曰く伎乃さんは音楽に対する誠実さが天才だそうで、そのエピソードを語られていた。
なのでライブが決まるずっと前からタイトルだけは『至誠編』に決まっていたとのこと。
何か自分の得意とする分野をとことん極めるまでやり続ける才能を天才というのならば「音楽を辞める訳ない」と言い切っていためばゑさんもその領域に居るのかも知れない。
これからも切磋琢磨していくであろう同級生のツーマンをまたお聴きしたい。
瀬戸市で天才と言えば天才集団である棋士の中でも400年に一人と言われる将棋の藤井聡太八冠だが、藤井八冠の同級生で18歳のJRAデビュー初日に2勝を挙げた水野中学卒の小沢大仁騎手もこれからの活躍を期待して応援している。
向かって右のギターはベース音も良く響いて音の粒立ちも抜群な指引きも多様する伎乃さんのコールクラーク。
左はソリッドな響きで歯切れも良くロックに決めるめばゑさんに持って来いのギブソン。
ピックガードの銀鳩が美しいギブソンdoveだが、なんとど真ん中に瀬戸のステッカーも貼ってある。
瀬戸への愛が溢れるギターに瀬戸市民としては嬉しい限りで、ぜひ瀬戸観光大使に就任していただきたい。
写真の日付が92年6月25日なので27歳のとき。
ピックガードにハチドリがあしらわれたギブソンhummingbirdを弾いているのは同じ高校の同級生の坪内俊哉。
doveと比較するとオールラウンダー向けで、彼が敬愛する忌野清志郎さんも使われていた名器である。
お互い歌詞を書く才能は1ミリもなくオリジナルはインストのみだったので、間を持たせるために歌もののカヴァーを入れながらのライブで、この日はエリック・クラプトンの『アンプラグド』と忌野清志郎さんの『メンフィス』から何曲か演奏させていただいた。
そして『メンフィス』のジャケットで清志郎さんが肩に掛けているのがhummingbird。
この名曲も演奏させていただいた。
同じ高校の同級生だった俳優の三浦友和さんが清志郎さんを憧れていたのは有名な話。
享年58。
不肖ながら、わたくし清志郎さんの年齢を越えてしまった。
死ぬまでロックしていた清志郎さんも紛れもない天才である。