necojazz’s diary

ジャズを中心に雑食

『さくら』『星の子』『二人ノ世界』其の4

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2021.1.30 刈谷日劇 矢崎仁司監督『さくら』

          大森立嗣監督『星の子』

                

 『永瀬正敏特集』のこの日に鑑賞した2作品とも家族の物語で、どちらも永瀬さんは主人公のお父さんを演じる。

そして、『さくら』の原作は直木賞受賞作家西加奈子さんの同名小説、『星の子』の原作は芥川賞受賞作家今村夏子さんの同名小説で、どちらも未読。

家族の数だけその在り方があって、幸せや不幸があっても正解や間違いは存在しない。

かたちがあるだけ。

劇場に向かう壁には、同じ方向を見つめている親子とそれぞれの方向を見つめている兄弟のポスターが並んでいた。

 

音信不通だった父が2年ぶりに家に帰ってくる。スーパーのチラシの裏紙に「年末、家に帰ります」と綴られた手紙を受け取った長谷川家の次男・薫は、その年の暮れに実家へと向かった。母のつぼみ、父の昭夫、妹の美貴、愛犬のサクラとひさびさに再会する。けれど兄の一(ハジメ)の姿はない……。薫にとって幼い頃からヒーローのような憧れの存在だったハジメは、2年前のあの日、亡くなった。そしてハジメの死をきっかけに家族はバラバラになり、その灯火はいまにも消えそうだ。その灯火を繋ぎ止めるかのように、薫は幼い頃の記憶を回想する。それは、妹の誕生、サクラとの出会い、引っ越し、初めての恋と失恋……長谷川家の5人とサクラが過ごしたかけがえのない日々、喜怒哀楽の詰まった忘れたくない日々だ。やがて、壊れかけた家族をもう一度つなぐ奇跡のような出来事が、大晦日に訪れようとしていた─。

『さくら』オフィシャルサイトより

 

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長い坂を上り、長い階段を上がると長谷川家がある。

絶望、悲しみ、嫉妬、虚しさ、それらを這いつくばって乗り越えたところにある。

その中で、兄への想いを募らせ同性との愛を育む、ガラスのように 脆い美貴。

 

大好きなお父さんとお母さんから愛情たっぷりに育てられたちひろだが、その両親は、病弱だった幼少期のちひろを治した“あやしい宗教”を深く信じていた。中学3年になったちひろは、一目惚れした新任のイケメン先生に、夜の公園で奇妙な儀式をする両親を見られてしまう。そして、彼女の心を大きく揺さぶる事件が起きるー。

『星の子』公式サイトより

 

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林家のうらの公園には滑り台がある。

そこで行われる神聖で怪しげな儀式。

奇跡の水が生まれたばかりの娘を救ってくれたと新興宗教を信じる両親と、異常なことを理解しつつ周囲からの目を気にしながらも両親と行動を共にするちひろ

 

狂気を孕んだ危うい美貴と真っ直ぐで穢れがないからこそ危ういちひろ

美貴を演じた小松菜奈さんとちひろを演じた芦田愛菜さんの役柄と渾然一体となっている姿に心底見惚れた。

永瀬さんは、家族の危機に逃げ出してしまう情けなさも感じる父親に、新興宗教にお金をつぎ込み子供の修学旅行費にも困る父親で、存在感はありつつもオーラを消した演技。

中でも原田知世さんと緑のジャージで頭にのせたタオルに水を注ぐシーンには目を丸くしたが、カッパの夫婦は永瀬さんの発案か?

『さくら』の言葉よりも映像で心情を表現する演出、深い余韻が残る『星の子』の唐突にも思えるラスト、好みです。

 

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この日の2日前に4回目の鑑賞をした『二人ノ世界』。

もう大丈夫だろうと思っていたが、華恵がどういう思いで職を探しているのか知っているのでオープニングからウルウルし、やはり号泣。

また何処かでお会いしましょう。

 

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これで、刈谷日劇の『永瀬正敏特集』と相互割引をしている、かわら美術館の『永瀬正敏写真展 bloom』の割引券が3枚になった。

 

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刈谷日劇が入っている三愛ビルを出て、私の短足で22歩のところにあるお好み焼き『さくら』。

こちらは映画『さくら』との相互割引はありません。

この日は時間の都合でお寄りできず、次回寄りたいと思う。

 

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毎月、1日と3の付く日の入場料は1000円均一。

なので、この日はありがたいことに2本で2000円。

永瀬正敏特集』の期間、刈谷日劇情報も載せていくので、レトロで心くすぐる劇場に足をお運びくださいませ。

 

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my photo より、『さくら』の1枚。

 

『コケシ・セレナーデ』 『みぽりん』

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2021.1.23 シアターカフェ 松本大樹監督『コケシ・セレナーデ』 『みぽりん』

 

あらすじと上映スケジュール。

後半の上映会は1月28日 (木)~1月31日 (日)。

theatercafe.blog.fc2.com

 

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コロナ禍によって様々な業界で多くの人々が大変な痛手を受けている。

そのひとつが映画や音楽などのエンタメ業界。

『コケシ・セレナーデ』は万全な感染症対策のもと、2020年5月末、緊急事態宣言が明けてすぐに企画・撮影を開始し、僅か1ヶ月半という短期間において、家の中のワンシチュエーションのみで撮られた。

これだけ聞くと小さな作品だと思われるだろうが、逆境をテコにして、心に残るものは大きい。

コロナ禍がなければ生まれなかった作品。

転んでも砂をつかんで立ち上がっている姿をまざまざと魅せつけられた。

 

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コロナ禍で松本監督は映像制作の仕事はゼロになったそうだが、主人公の作曲家も仕事を失い、それを演じた片山大輔さんはインディーズ映画を中心に楽曲制作を手掛ける本職の作曲家である。

拘りぬいた音楽も重要な役割を果たしていて、インディーズ映画には珍しくサントラのCDも制作されている。

10万円の定額給付金やアベノマスクなどコロナ禍ならでは小ネタも効いていて、こけしを巡る不思議なストーリーだと思っていたら、予想外にホロリとさせられ、ラストの展開を知ったうえでもう一度観たくなること間違いなし。

 

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松本監督の第1回監督作品『みぽりん』。

もれなく福袋がもらえる。

すでに鑑賞済みのカルトなファンに混じっての初鑑賞で、遠方からのファンも居られた。

 

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万人向けとは言い難いが、嵌る人には底なし沼のような作品だろう。

垣尾麻美さん主演で日本版『ミザリー』を撮りたいという松本監督の明確なコンセプトのもと、やりたい放題で、ラスト10分はそんなのありか?と、目潰しを含む反則技の連続。

キャスティングの段階で監督の仕事は8割方終わっているくらいに全員がフルスイングで、三振か?ホームランか?それは観る人次第。

私はソフトバンクのファンではないが、柳田選手の動画は何度も見てしまう。

 

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私にとってはこんな映画でした。

 

『彼女は夢で踊る』3回目 『名も無い日』

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2021.1.22 シネマスコーレ 時川英之監督 『彼女は夢で踊る』

 

 「アンコール上映に伺います」と言いつつ、なかなか都合が合わずに最終日になってしまったが、そのおかげで先着15名に配られるポスターをいただけた。

早速ベットの枕元に貼らせていただき、いい夢が見られそう。

昨年から今年にかけて3回以上鑑賞した作品は『君がいる、いた、そんな時。』(4回)、『二人ノ世界』(3回)、『彼女は夢で踊る』(3回) の3本で、どの作品もストーリーはもちろんだが人に惹かれる部分も大きく、加藤雅也さん演じるストリップ劇場の支配人木下信太郎、岡村いずみさん演じるストリッパーのサラさんなど、みなさんにまた会いに行きたいという感覚で足を運んだ。

劇場が暗くなると上からの薬研堀が映し出され、暫しトリップする。

劇場でなければ味わえない感覚。

実存した広島第一劇場は閉店を宣言しては2度営業を再開し「閉店詐欺」と言われたが、映画も最終上映と言ってポスターを配りながらもまた上映する「終了詐欺」なら大歓迎で、再復活上映があればまた会いに行きたい。

3作品のもうひとつの共通点は地方映画であること。

『君がいる、いた、そんな時。』と『彼女は夢で踊る』は広島が舞台で監督は広島のご出身、出演者も広島の顔が並び、地元の人々から愛されている。

 

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       迫田監督のFacebookより

 

そして愛知でも名古屋を舞台にした熱田区ご出身の日比遊一監督の作品がいよいよ公開される。

永瀬正敏さん主演でオダギリジョーさんと金子ノブアキさんがその兄弟役と聞けば期待しない映画好きはいないだろう。

 

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いよいよと書いたのは、本来なら去年公開予定だったのがコロナ禍により余儀なく公開が延期されたからである。

そんな状況の中、未来チケットで名古屋映画界をサポートしようという企画が生まれた。

 

zzyzxstudio.net

 

これを応援せんでどうしやぁす。

3兄弟の他の出演者もそうそうたる顔ぶれで、田原市ご出身の大久保佳代子さんのキャスティングもいい味を出していそう。

もうひとり、2019年11月にお亡くなりになられた名古屋市ご出身の木内みどりさん。

晩年は広島に住まわれていた。

 

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芸能人が政治的発言や反原発の運動をすればリスクしかないにも関わらず発信し続けられた姿勢には敬意を表します。

スクリーンで拝見する日を楽しみにしています。

2021年5月28日 (金) 愛知県・岐阜県三重県 東海三県先行ロードショー

2021年6月11日 (金) 全国ロードショー

『bloom』『光』『二人ノ世界』

 

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2021.1.16

高浜市やきものの里 かわら美術館『bloom』『光』

刈谷日劇『二人ノ世界』

 

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www.takahama-kawara-museum.com

 

俳優ではなくカメラマンとしてお忙しい合間を縫って高浜市にお越しくださり、永瀬正敏さんが感じた高浜の日常をそのまま切り取られた写真展。

鬼師や菊人形師といった伝統や技をを継承する職人に、真っ直ぐ前を見つめる少女。

新型コロナの影響だろう、誰もいない遊園地に人影が見当たらない駅のロータリー。

雨に咲いた赤い傘。

二度と戻ることのない刹那の瞬間を永瀬さんの目を通して、自分の心に刻む。

ぜひ会場に足を運んで永瀬さんが心惹かれた何かを心に留めていただきたい。

 

作品は一部を除いて撮影できるが、ここに載せるのははばかるので、僭越ながら私の撮った中から、っぽいのをいくつかお目汚しさせていただきます。

 

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写真展の前に関連企画として上映された河瀨直美監督『光』を鑑賞した。

 

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永瀬さんは視力を失っていくカメラマン役で、劇中の中森雅哉の写真を観ているようでもあった。

 

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映画の中で、視覚障がい者向けの音声ガイドをする美佐子 (水崎綾女) が雅哉に向かって「想像力がない」と感情を抑えられなかったのに対し、上司の智子 (神野三鈴 )が「本当に想像力がないのはどちらかしら」と言うシーンがあった。

写真展では視覚に障がいがある方の作品鑑賞を手助けする「触図」(立体コピー) も展示されていて、目を閉じて触ってはみたもののまったくイメージが浮かばず、視覚に頼らない方の手の感覚、音や言葉に対する想像力の深さに納得した。

これは実際に足を運んで触れなければわからない。

 

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 写真展との連動企画で刈谷日劇にて『永瀬正敏作品特集』が上映されていて、あとで寄ったところの入場料金が割引される。

かわら美術館の高浜港駅から刈谷日劇刈谷市駅まで名鉄三河線で11分。

車でも15分程度と行き来しやすい。

 

kariyanichigeki.com

 

この素敵な企画に感謝しつつ、9作品すべて鑑賞させていただく予定で、この日鑑賞した『二人ノ世界』は昨年のマイベスト10に挙げさせていただいた。

ベスト10に順位をつけなかったのはその時の気分によって順位が変動するからであるが、実はベスト1に限っては『二人ノ世界』で揺るがない。

 

necojazz.hatenablog.com

 

最初に鑑賞した時は愛知 (イオンシネマ名古屋茶屋) では最後の上映で、2回目が京都 (イオンシネマ京都桂川) での鑑賞だったため、オススメしても愛知の方には残念な気持であったが、今回は1月28日までなので騙されたと思って観ていただきたい。

本当に騙されたと思った方がいたら入場料金を私から返却させていただく。(くらいの気持ち)

2月13日~19日、シネマスコーレにて永瀬正敏さん主演の『いきもののきろく』と『実験映画』の短編作品の二本立て上映があるのでそちらも伺いたいが、スコーレさん『二人ノ世界』の上映もお願いします。

 

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『光』と『二人ノ世界』、偶然とはいえこの上ない組み合わせだった。

『二人ノ世界』の華恵 (⼟居志央梨) も雅哉と同様に後天的に視力を失うが、失ったものはそれぞれにそれだけではない。

永瀬さんと土居さんの視線や視覚障がい者としての動きもそれぞれに研究をつくされていて、音の演出にも拘りを感じた。

雨や風、鳥のさえずりに川のせせらぎ、シーツのしわを伸ばす音、お守りの鈴の音。

永瀬正敏さん演じる雅哉と俊作。

完全に失明し智子の顔を手で確かめる雅哉と、華恵に触られ「(父親と) よう似とりますねぇ」と言われる俊作。

雅哉は「逃げることはないからそこで待ってて」と言い、俊作は「そちらに行きたくても行かれへんから来てほしい」と言う。

どちらのピアノの音も凛とした美しさの中に力強さも感じる。

両作品で1枚のサントラを出してはもらえないものか。

以前、俊作と華恵の行く先にある「現実」とやらは「奈落」なのかも知れないと書いたが、今日は「光」を感じた。

 

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お昼に店主とラーメンの濃さが全国的に知られている『豚骨 大岩亭』に伺った。

 

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ネギラーメン特鳥を注文して、誰もがやるようにレンゲを立ててみた。

店主とラーメンどちらも「濃いだろ、濃いっ。」。

それを言うなら恋ではなく「愛だろ、愛っ。」。

 

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お忙しい中、わざわざ厨房から出てきて「あぁぁぁぁぁいっ」をやっていただいた大岩さん、めちゃくちゃいい人です。

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新春を彩る名曲コンサート 名古屋ヴィルトゥオーゼンニューイヤーコンサート

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2021.1.3 新春を彩る名曲コンサート

2021.1.5 名古屋ヴィルトゥオーゼンニューイヤーコンサート

宗次ホール

 

年末の風物詩とも言える『第九』をほとんど聴くことなく新年を迎えた。

オーケストラに加え合唱団の大所帯では、密にならざるを得ないし、飛沫も飛び交うだろう。

コロナ禍で大変な状況が続く音楽業界のなかでも、とりわけクラシックへの影響は甚大である。

そんな中、少しでも新年の気分を味わおうと3日と5日に宗次ホールへ足を運んだ。

 

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年配客が多いだろうから客足は鈍いかなと思っていたが、両日ともかなりの盛況ぶりで、要因のひとつとしてチケットの価格もあるだろう。

宗次ホールはお昼の時間帯に気軽に聴けるランチタイムコンサートに力を入れていて、3日の『新春を彩る名曲コンサート』が1000円、5日の『名古屋ヴィルトゥオーゼンニューイヤーコンサート』でも2000円と、うれしい価格設定。

 

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新春を彩るコンサートとあって、どちらも華やいだプログラムであった。

両日演奏された『美しく青きドナウ』では、瑞々しい清らかな流れとゆったりとした優雅な流れの心地よさに少し微睡んだりもした。

落語なら高座から怒鳴られそうなものだが、クラシックの場合、心が安らんでリラックスするのは音楽の効能のひとつでもある。

コロナ禍でずっと気を張った生活をされている方にこそオススメしたいが、医療従事者の方はそんな余裕もないだろう。

お疲れ様です。

コンサート終了後は「元気がもらえた」と、みなさん笑顔で会場を後にされていて、音楽の持つ免疫力を改めて感じた。

 

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高い天井から生まれる残響と、どの席でも同じ様に音の跳ね返りを感じるプレミアムなクラシック専用の空間。

視覚的にも耽美な世界観を感じる。

 

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ご存知の方も多いと思うが、宗次ホールはカレーハウスCoCo壱番屋の創業者である宗次徳ニ氏が「くらしの中にクラシック」のコンセプトのもと、私財を投じて建設された。
敬意を表して中区瓦町店でロースカツカレー3辛400gをコンサート前にいただいた。

 

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元旦に『芸能人各付けチェック』をまんまと見てしまったが、その中で名器による弦楽四重奏を当てる問題があった。

一方はストラディバリウス3挺を含む総額49億円。

もう一方は初心者用の106万円。

これを間違えるか?と自信満々にBを選んだら見事にはずしてしまった。

芸能人もはずされた方のほうが多く、初心者用であってもそれなりの音を出すプロフェッショナルの技量はさすがである。

そして、2月10日には日本を代表するバイオリニスト古澤巌氏の演奏でストラディバリウスが聴けるコンサートがある。

古澤氏には、宗次コレクションの中から A.ストラディバリウス1718サン・ロレンツォExヴィオッティが生涯貸与されていて、ココでの響きは一番だろう。

さすがにチケット代は5000円するが、それでもかなりお値打ちである。

各付けチェックでAを選ばれた違いのわかる一流一般人の方は是非。

 

ジョゼと虎と魚たち

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2021.1.4   MOVIX三好

 

予告編を観たとき「これはないな」と思った。

でも、好きな小説がどう料理されたのかは気になるところでもある。

 

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案の定、尾ひれだけでなく翼まで生やして、原作とはかなり違う話になっていたし、大阪なのに標準語だし。

もちろん実写版とも別物。

しかも設定まで変えていて、原作では恒夫は社会人になったばかりでジョゼは生活保護を受けていているのを、学生の恒夫がバイト代をもらってジョゼの世話をするとは...あり得ん。

昭和の話を令和に変換して、鑑賞してもらうターゲットを考えるとこうなるんだろうな。

 

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MOVIX三好に行った際は『ナビィのパン』で一服するのが決まり。

リーズナブルでほっとする美味しさ。

 

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その前のスペースに先日ブログに書いた『AWAKE』の劇中で使用された将棋代差しロボット『新電王手さん』が展示されていた。

性能だけでなく機能美も追及したフォルムで、アームの先のグリップバーで駒を挟んで隣の駒に触れることなく打ち、駒を回転させ成り駒もできる。

この『新電王手さん』も見どころのひとつ。

対局のシーンでは DENSO のロゴが赤く光ってやたらと目立っていたが DENSO の本社はMOVIX三好の三好市の隣の刈谷市にある。

そう言えば、刈谷市刈谷日劇で、2020年映画マイベスト10に挙げた『二人ノ世界』の愛知で二度目の上映が決まった。

永瀬正敏特集ということで見逃していた『さくら』が上映されるのもありがたい。

もう一人の主演、土居志央梨さんは2020年だけでなくオールタイムでもベストの演技だった。

NHK連続テレビ小説『おちょやん』にご出演中だが、スクリーンでの次回作も待たれる。

 

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上映期間は1月15日~1月28日なので、是非。

 

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ジョゼコーヒーの栄子さんにもこの作品の話をして興味を持たれていたので教えてあげなくては。

 

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ブログの『ぐるり』は映画『ぐるりのこと。』からつけられた。

昨年ご覧になられた映画についても書かれているが、ベスト3渋すぎです。

 

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石若駿さんのアルバム『SONGBOOK』から青羊さん(けもの)作詞・ボーカルの『ジョゼ』をリクエスト。

おそらく、アニメを鑑賞される方の多くは原作である田辺聖子さんの小説は未読であろう。

確かに原作から言えばあり得ない部分もあったが、一つのアニメ作品ということで言えば十分に楽しめた。

小説では虎は恐怖の対象であったが、アニメでは檻の中から出られない虎をジョゼが自分と重ね合わせていたように思えたし、小説では海を見たのは2回目としか書かれていないが、1回目はそういう解釈ですか、なるほど。

田辺聖子さんも空の上で微笑んでおられるだろう。

AWAKE  2020年映画マイベスト10

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2021.1.2 AWAKE センチュリーシネマ

 

2021年の映画はじめ。

地元では10年にひとりと言われる天才も奨励会に入会すればただの人。

上には上がいることを思い知らされる。

しかも奨励会からプロ棋士に進める者は年間でたったの4人という超狭き門。

ひとりはプロ棋士となり、ひとりは夢破れて奨励会を退会した。

そして、数年後に若手強豪棋士 vs 最強将棋ソフト開発者として再び対局する。

 

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電王戦のシーンは2015年の話で、2017年には佐藤天彦名人(当時)がボナンザに連敗し、人間 vs 将棋ソフトの戦いに終止符が打たれた。

もはや両者が対局する意味はなくなった。

現在は将棋ソフトの最善手をどれだけ指し続けられるかが勝利への道筋であり、評価値放送では形勢が数値化される。

私も『もりけんTV将棋』で評価値放送を楽しまさせていただいている。

 

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「AI越え」という言葉が話題になったように、AIが将棋人気の一役を担うようになり、それに併せて藤井聡太二冠が現れたのは偶然ではないだろう。

ストーリーの着眼点の面白さはもちろんだが、少年時代も含めライバル2人の演技もみどころ。

言葉ではなく視線や身体の細かい動きで心の内を見事に表現している。

この作品を観たいと思ったきっかけである落合モトキさんは凄いの一言。

彼の出る作品は今後も見逃せない。

 

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映画鑑賞後、センチュリーシネマのPARCO東館からすぐの松坂屋南館2階 KiKiYOCOCHO にある R ART OF COFFEE にて2021年のカフェはじめ。

百貨店も新型コロナの影響は大きく、中でもメインである年配のお客様はかなり少なかったそうだ。

今年は回復しますように。

 

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例年はシアターカフェで映画マイベスト10 を発表しているが、昨年はそれもなかった。

2020年の映画マイベスト10。

順位はつけません。

・アルプススタンドのはしの方

・彼女は夢で踊る

・君がいる、いた、そんな時。

・37セカンズ

・空に聞く

・はちどり

・パラサイト 半地下の家族

ばるぼら

・二人ノ世界

・本気のしるし 劇場版

         (50音順)

 

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『彼女は夢で踊る』は大好評につき、シネマスコーレにてアンコール上映 (1月9日~1月22日) があるので、是非。 

 

www.cinemaskhole.co.jp

 

私も3回目行きます。