19歳でアヴィシャイ・コーエンのトリオに大抜擢され、今や押しも押されぬ巨匠となったシャイ・マイストロ。
そのあとを担ったニタイ・ハーシュコヴィッツ。
シャイの後継者ではなく、アヴィシャイの新たなステージに望まれた存在。
その実力は「彼のタッチにハートを盗まれた」 と、アヴィシャイに言わしめたほど。
だからこそのDUOアルバムだったのだろう。
『DUENDE』より1曲。
シャイが嫉妬するのではないかと思うほどの蜜月なDUO。
イスラエルのミュージシャンの層の厚さには驚くばかりである。
その後立て続けにリリースされた弦楽四重奏などを取り入れたクラシカルな『ALMAH』と骨太なトリオの『FROM DARKNESS』は世界的な評価を高めるには十分すぎるプレーだったが、アヴィシャイとの仕事はやはりアヴィシャイの作品を演奏することになる。
音楽家としては様々なリスクを背負ってでも自分の作品で表現したいと思うのは当然である。
ヒップホップやビートミュージックを取り入れた初リーダーアルバムのあとリリースされたソロピアノアルバム『New Place Always』。
イスラエルで育まれた哀愁にモロッコとポーランドの血と文化が溶け合う音はあらゆる人種や宗教を越え誰の心にも深く沁み入るだろう。
そして企画をしていただいた pianohouse.mmg の三ヶ田さん。
jazz inn Lovely をはじめ多くのお店から信頼され、私も何度もお世話になっていて絶大に信頼の置ける調律師である。
私が初めてライブを企画した高田ひろ子さんのソロピアノで調律をお願いして、小田朋美&中村佳穂アンプラグドライブvol.2ではブラジルコーヒーにグランドピアノを搬入していただいた。
他にも何かと相談に乗っていただいている。
今回はアートギャラリーに河合楽器製作所の誇る SHIGERU KAWAI (SK-3) を搬入されるとのこと。
ジャズのライブでは聴く機会が少ない名器。
SK‐3に決められた理由もお聞きしたいところである。
素敵な企画をありがとうございます。
今でこそイスラエル出身で活躍しているミュージシャンは枚挙にいとまがないが、その先駆者であるアヴィシャイ・コーエンも実力はありながら不遇の時代は長かった。
チック・コリアに大抜擢された『オリジン』で一躍脚光を浴びたが、チックに指名されていなかったら今のイスラエル旋風は巻き起こっていたのだろうか。
チックが無名のミュージシャンばかり5人を集めた『オリジン』も是非。
そして大御所となったアヴィシャイもチックと同じように積極的に若手を起用している。