necojazz’s diary

ジャズを中心に雑食

チック・コリアを偲んで

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2月12日の昼下り、ジャズ茶房青猫の扉を開けると思っていた通りチック・コリアが流れていた。
客席は7割ほど埋まっていて「ちょっと待ってね」と、マスター。
平日のこの時間にこれほどのお客さんはめずらしい。

 

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私のようにチックを聴きに来られてる方も居るのかな。

今日はおそらく閉店するまでチックしか掛からないだろう。

3時間どっぷりチックに浸った。

 

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昨年、ゲイリー・ピーコックがご逝去され、キース・ジャレットは現役引退、そしてチックも逝ってしまい、ジャズのひとつの歴史の幕は下りた。

今後、彼らのように新たな歴史をつくるミュージシャンはまず現れないだろう。
大抵のことはやり尽くしてしまったように思えるからである。

 

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ロック少年だった高校1年のときエレキベースを始めてジャコ・パストリアスを知り、ジャズも聴いてみようと「これからジャズを聴いていこうと思ってますが、オススメはありますか?」と新星堂の兄ちゃんに声を掛けたところ、チック・コリア・トリオの『A・R・C』を勧められた。
早速聴いてはみたものの、う~ん一体何がいいのかさっぱりわからん。
これからジャズを聴こうという初心者にこれを勧めるか?

もし今私がジャズ初心者の方に勧めるとすれば『PIANO IMPROVISATIONS VOL.1』。

美しいという言葉を音で表したらこのアルバムになる。

 

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33年前、初めてチックのコンサートへ行ったときのパンフレット。

振り幅の大きさと積極的に新たな才能を見出されたのもチックの魅力のひとつ。

『A・R・C』を久しぶりに聴いたら、ゾゾっと寒気がするほど良かった。

でも初心者には勧めないけどね。

新星堂の兄ちゃんもおっさんになって何処かで偲んでおられるのだろう。