necojazz’s diary

ジャズを中心に雑食

『ダイナマイト・ソウル・バンビ』『おっさんずぶるーす・ワーク編』

2022.12.1 シネマスコーレ 

松本卓也監督『ダイナマイト・ソウル・バンビ』

『おっさんずぶるーす・ワーク編』

越坂康史監督『トイレのおっさん』

中村公彦監督『カリスマハウス』

細野辰興監督『謎乃中年認定壱拾箇条』

舞台挨拶 中村公彦監督 越坂康史監督 高橋信二朗さん 吉原麻貴さん

 

 

『ダイナマイト・ソウル・バンビ』からの『おっさんずぶるーす・ワーク編』。

 

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パワハラやセクハラ、枕営業などの問題が話題になった映画界。

この作品の撮影自体は2017年で、それから5年をかけてようやく劇場公開となった。

なので、それらの問題が噴出してから題材にしたわけではなく、ヒエラルキーが発生しやすい業界であることから、当たり前のこととして存在していたことは容易に想像できるし、アニメ業界のやりがい搾取のブラック問題もその一環と言えよう。

インデペンデント映画から見た商業映画とのスタンスの違いも描かれていて、映画は監督の作品だがプロデューサーの意向には沿わなければならない。

監督を雇うのはプロデューサーなのだから。

 

 

そして、ひとつの作品をやたら宣伝して多くのスクリーンを占領する観客動員重視のシネコンと、観てもらいたい作品を上映するミニシアターにも違いを感じる。

「お客さんが来ない劇場に座ってしまった坪井副支配人。あなたを待っています。」

と11月29日のシネマスコーレのつぶやき。

ギリギリのところを攻めているインデペンデント映画と同じようにミニシアターもギリギリのところで戦っている。

松本監督はシアターカフェの上映会でお会いしたことがあるが、映画で演じている山本監督とは真逆の人間性という印象で、そういう監督だからこそ撮れたのだろう。

映画愛のマグマが噴出している。

 

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7人のおっさん監督がそれぞれの視点でおっさん撮った短編オムニバスのワーク編。

おっさんとしては、おっさんの湯にどっぷりと肩まで浸かって楽しめた。

おっさんのおっさんによるおっさんのため映画だが、将来おっさんになる方の予習にもなる。

 

 

『カリスマハウス』の監督で全体の企画とプロデュースもされた中村公彦監督と、『トイレのおっさん』から越坂康史監督、高橋信二朗さん、吉原麻貴さんが舞台挨拶に立たれた。

『トイレのおっさん』では愛しの人を「ソフィー」と呼ぶのだが、おっさん世代でないとわからないだろうソフィー・マルソーのことで、『ラ・ブーム』のヘッドフォンをかけてあげる名シーンも再現される。

私としてはもう少し前の『リトル・ロマンス』世代であり、中学生当時にダイアン・レインの相手役に似ていると言われたが、今やその面影はまったくなくなり、立派なおっさんとなってしまった。

『カリスマハウス』は死してなお影響を及ぼすカリスマということで、同世代の尾崎豊さんを思い起こさせ、校舎の窓ガラスは壊してまわっていないが、消火器をぶちまけて教室をピンクの粉まみれにしたことを思い出した。

もちろん社会や学校への反発、、、ではなく、単なる悪ふざけで誤射してしまい後で先生にこってり絞られたことは言うまでもない。

『謎乃中年認定壱拾箇条』では、おっさんに認定される10ヵ条+1が胸に刺さるが、私が判定するならば、「自分の若い頃は、、、」と言って大風呂敷を広げ出したら立派なおっさんである。

大体その表現自体もおっさんなのだが。

 

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ラ・ブーム『愛のファンタジー

この曲が流行った頃は、おっさんになることなど微塵も想像していなかった。