necojazz’s diary

ジャズを中心に雑食

伊藤志宏 ソロピアノコンサート『solitude standing 2』

 

 

2023.1.28   

伊藤志宏 ソロピアノコンサート『solitude standing 2』

水無月陰陽 『陰』 リリースツアー

カワイ名古屋コンサートサロン『ブーレ』

 

 

新型コロナウイルスの影響により、3年振りとなった『ブーレ』でのソロピアノコンサート。

3年前に 1stステージを終えて控室に戻った際の第一声は「めちゃくちゃ弾きやすい!」だった。

そして、今回は戻って来るなり「3年前と全然違う」と第一声。

「えっ、何か問題がありました?」と焦ったが、キラキラし過ぎていていた音色が落ち着いて一段と良くなっているという意味だとわかってほっと一息。

この3年間で程よく弾き込まれ、更に響板になじんだようである。

 

youtu.be

 

コンサートの告知で『Shigeru Kawai EX』について書いたが、今回は会場の『ブーレ』について。

 

 

まず、歴史的・技術的価値が認められ2022年12月12日に全国のタワーで初めて国の重要文化財に指定された名古屋のランドマーク『中部電力 MIRAI TOWER』(旧 テレビ塔) の直ぐ脇にあり、初めての方も迷うことなくアクセスが良い。

そして、クラシックに限らずジャンルを問わず使わせていただける柔軟性があり、コンサートの他にも河合楽器の研修会や発表会など常に丁寧に弾かれていているピアノは良いコンディションが保たれているおかげで鳴りも素晴らしく、SK-EXの特性を知り尽くしたカワイ専属の調律師によって調律がなされ、一切の雑音がない空間で音に集中できるのは志宏さんのソロを聴くには最高の環境と言える。

 

 

コンサート中に何度か腕まくりされ、その度に巧緻で美しさの極みのピアニシモに身も心も溶けてしまう感覚に陥り、うねりまくる低音の荒波に飲み込まれ、激しく降りしきるトレモロの雨に打たれ、眩いほど輝くメロディーに包まれる。

1stと2nd、共にノンストップで1時間を超える熱演だったが、ただただ音に身を任せ、無の境地に居たのか、あっという間に感じた。

共に集中力をもって聴いていただいたお客様にも感謝致します。

 


アンコールでスタンダードナンバーを弾いたあと、舞台袖から志宏さんではなく私が出てきて、ダブルアンコールを期待していたみなさんから失笑も。

ジャズバーと違って閉館時間が決まっているのでご勘弁を。

ナカガワ暢さんにデザインしていただいたチラシやチケットにサインをもらっている方もたくさん居られ、これは記念になりますよね。

ぜひ3回目もというお声もたくさんいただき、日本全国の伊藤志宏さんファンが名古屋に集まるコンサートになればと思う。

 

 

コンサート前に告知させていただいた福岡在住のピアニスト上野香織さんの20周年記念&3rdアルバムリリースのツアー。

名古屋では3月24日(金) にブーレから久屋大通を西に渡ったところにある THE WIZ でライブをされる。

 

 

名古屋はミュージシャンの伝手もないことから以前より面識のある私に「名古屋でのライブにあたり、場所的なこと、宣伝の仕方など何かアドバイスいただけないでしょうか?」とメッセージが届いた。

写真右側の1st アルバムは特にTHE WIZ オーナーの良子さんの好みだと思ったので、そのことをお伝えすると、後日「wizでの演奏決まりました!なんと私の先輩ミュージシャンの大ファンだったそうで福岡まで聞きに来られてたそうです。」との返信があった。

そのことを良子さんにお聞きすると、1stアルバムのトリオであるベーシスト井島正雄さんとドラマーのヤス岡山さんの大ファンで福岡まで聴きに行かれたそうで、上野さんの1stアルバムも持っておられた。

残念なことにお二人とも他界されてしまったとのことだが、このご縁はお二人のお導きだと感じた。

 

www.youtube.com

 

2ndアルバムの『DESTNATIONS』。

ニューヨークで活動されていた時に地元のミュージシャンと録ったアルバムで、今回のツアーではそのニューヨーク在住のメンバーも来日する。

アジア系のミュージシャンが活動するには男性でも大変な土地で決意のドヤ顔をされているのでは?と推測するが、素顔は1stアルバムのように笑顔の似合うチャーミングな方である。

名古屋でご存知の方は少ないと思うが、地元では人気の高い素晴らしいピアニストなので、ぜひ足をお運びください。