necojazz’s diary

ジャズを中心に雑食

エマージェンザ・ジャパン 2022 セミファイナル

2022.5.21 渋谷 eggman 

エマージェンザ・ジャパン 2022 セミファイナル

 

 

エマージェンザ・ジャパン とは、日本一のインディーズ・ライブ・アーティストを決めるコンテスト型のフェスで、優勝すれば世界一の道へと通じるドイツの野外フェスへの切符を手に入れることができる日本代表の決定戦である。

ライブの開始前にMCのお二人から投票方法についての説明があった。

オンラインでの視聴者は一番良かったアーティストに1票のみ投票することができ、入場者は良かったと感じたアーティストが複数いれば何度でも挙手することができて挙手は2票にカウントされるとのこと。

 

 

コロナ禍によって音楽業界も大きな痛手を受けたが、よりその痛手を受けたのはインディーズに属するアーティストなのかも知れない。

インディーズ=アマチュアではなく、私が7月に名古屋にお呼びする『おーたけ@じぇーむず』も應武商店という家内制インディーズながら音楽一本で生計を立てている立派なプロミュージシャンであり、彼女のようなアーティストもいっぱい存在する。

メジャーよりもライブに重きを置かざるを得ないインディーズアーティストだが、中には2年以上ぶりのライブとなったバンドもあり、そのバンドは「現状ではYouTubeが命です」とも言っていた。

 

 

会場では何度でも挙手できるということだが、推しアーティストが居ればそれ以外のアーティストに挙手しないことが常套手段ではある。

でも、本気のライブを目のあたりにしたら、そんなことは言えない。

こちらも本気でお聴きしなければ失礼になる。

この日の出演アーティストは8組で、推しの『加藤伎乃』さんの他、『戎屋聖一郎』さん、『KOJI The Planet Stoned Plus』の計3組のアーティストに挙手させていただいた。

北海道から来られた戎屋さんはアコーステックギターを膝の上で横にして両手でタッピングをする奏法で、音作り、テクニック、クリアで美しい響きに釘付けとなった。

KOJI The Planet Stoned Plus は、退廃的で中毒性のある音と存在感に圧倒され、サンダーバードを弾くyumikoさんもいちいちカッコ良く、無料配布されていたCDもゲット。

 

 

この日と翌日の配信で聴いた中では伎乃さんと『RYSM』のボーカルの方は群を抜いていた。

前のバンドの雰囲気が残っている中、やりにくだろうなと思っていたが、一瞬にして自分の世界にしてしまう歌唱力。

ライブ終了後、「お客さんの反応良かったね」と声をお掛けすると、「外人さん達に助けられた」と伎乃さん。

外人さんとはこの日最初のステージに立たれた『Cambur』のメンバーとその友人たちで、競争相手でも良いと感じれば理屈抜きに応援し盛り上げてくれるのが音楽の素敵なところ。

投票の結果、伎乃さんは決勝に進めず残念だったが、Twitterでは「またリベンジするぜーい!」と切り替えておられた。

 

 

ただ観客の立場から言わせていただければ、日程や出演順が投票結果に影響した部分もあったのかなと感じた。

6回に渡って行われた準決勝で48組のうち上位9組が決勝に進めるわけだが、1位から3位までが最終日の5番目から7番目にかたまっており、8番目も6位に入っていた。

この日の7番目に演奏したダントツ1位となった『RYSM』は会場に入れないファンがいたほど圧倒的な人気で、それを裏付ける実力はスバ抜けていたし、普段の活動の賜物であるが、その前後のバンドも恩恵を受けた形になったように思える。

会場に居る絶対数が多ければ挙手での投票が多くなるのは当然である。

先ほどの多国籍バンド『Cambur』のとき客席はスカスカの状態で、後方からでもよく見えた。

私が足を運んだ日で決勝に進出したバンドは挙手した『KOJI The Planet Stoned Plus』と『Kazari』の2組だが、帰りの新幹線の時間があり『Kazari』だけ見られず、決勝はその2組に注目したい。

 

 

伎乃さんと会場の外で話をしていた時にスラっとした男性が伎乃さんのCDを購入され、チラッと見たら角野隼斗さん (かてぃんさん) によく似ていたが、まさかお忙しいであろう世界的な音楽家がインディーズロックのコンテストを聴きに来ないだろう。

本人も似ているのをわかっていてかなり寄せている感じだった。

 

 

JR渋谷駅にドアラがいると思ったらバカリズムさんだった。

こっちもよく似ている。

 

 

でも、あまりにも似ていたのでまんまん万が一と思って、かてぃんさんのTwitterを見ると「でます!!!生放送!!!」とつぶやかれていた。

生放送があったNHKはeggmanからすぐそこで、会場を出られた時間とリハーサルの時間もぴったり合う。

ひょえー!本物のかてぃんさんでした!

かてぃんさんが伎乃さんのCDを買われたんだ。

スッゲー!!!

maiko 🤝 黒沢綾 2022 Tour Hand in Hand

2022.5.19  Doxy    maiko 🤝 黒沢綾  2022 Tour Hand in Hand

maiko(vl)   黒沢綾(vo,pf)

 

 

2020年から、ふと、一緒にやり始めたばかりのDUOで、今日の名古屋、20日の浜松、22日には神戸へと、念願の初ツアー。

ツアータイトルとなった『Hand in Hand』は、maikoさんがピアニストの松本圭司さんから教えてもらった曲だそうで、綾さんとのDUOにいいんじゃないかと連絡したところ、たまたま綾さんもこの曲を前日にガッツリ聴かれていたとのこと。

その曲は、チンペイ、べーヤン、キンちゃんのアリスのではなく、エルヴィス・コステロのでもなく、アルメニアのアーティストの曲だそうだ。

 

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ヴァルダン・オヴセピアン(pf) & タチアナ・パーハ(vo)。

1度聞いただけでは覚えきれん名前だと思っていたら、安田さんからアーティスト情報がメッセンジャーで送られてきた。

安田さん、ありがとうございます。

 

 

5月22日(日) のお昼に神戸100BAN HALL でこのライブの主催をされていて、名古屋にも足を運ばれていた安田さん。

ライブ終了後、その素晴らしさに神戸での成功を確信されて満面の笑み。

私としてもたまたま前回の投稿でアレニ・アグバビアンについて書いており、アルメニアアメリカ人であるアレニのボーカルはアルメニア民族音楽に由来していて、ここ数日彼女のCDをガッツリ聴いていたこともあり、まさにツボに嵌ったライブだった。

フライヤーのイメージ通り、ヴォイスが伴奏に溶け込むような淡い水彩画を思わせる音は、微妙な濃淡を繊細に表現し、色の調子に変化をつけながらさっと筆を走らせているようだった。

油絵とは違い塗り直しは利かない。

 

 

こちらもたままた前回の投稿で書いた藤本一馬さんと伊藤志宏さんの話題も出て、音色的にはそのライブを受けての続きを演奏されているようであり、おっさん達が背後霊のようにおふたりを見守っているようでもあった。

セカンドステージの冒頭の2曲、バイオリンとヴォイスのみによる対話はシンプルな構成(やっていることはメチャクチャ高度)だからこそ無限の広がりを感じ、思考を超えて潜在意識に深く沁み込んだ。

 

 

こちらはCDではなくmaikoさんのグッズであるコースター。

けっこうな厚みがあり白雲石が使用されていて吸水性に優れているとのこと。

風呂上がりにキンキンに冷えたハイボールを作って置いたところ、グラスの外側にできた水滴はみるみるうちにコースターに深く浸み込んだ。

                               

一馬×志宏 Live Tour 2022

 

2022.5.11 ジャズ茶房青猫  一馬×志宏 Live Tour 2022

藤本一馬(gt)   伊藤志宏(pf)

 

 

ブログのひとこと説明で「ジャズを中心に雑食」と書いているが、その表現は正確ではなく、私がよく聴いているのは往年のジャズファンからはジャズではないと言われることもあるドイツのレーベルECMに代表される耽美系のジャズで、正確に書くならば「ECMを中心に雑食」となる。

そのECMを名古屋で聴くならば『ジャズ茶房青猫』しかない。

ジャズ喫茶と言えばレコードをイメージされるだろうが、ECMの音はレコードに合わないということから青猫に置かれているのはCDのみでシステムもECM仕様。

プリアンプ、パワーアンプ、プレーヤーはスイスのハイエンドブランド『ゴールドムンド』で、それに組み合わせるスピーカーはECMを代表するアーティスト、エバーハルト・ウェーバーの曲を聴き比べして選んだ『JBL Project K2 S9800SE』が鎮座する。

打ちっ放しのコンクリートによるほの暗くひんやりとした空間もマスターの拘り。

 

 

名古屋で演奏するならここしかないと口を揃えるDUOが奏でるのは日本人の美意識。

前回のライブではウェヴニールのファーストアルバムに収録されている『天つ風』に加え「雲の通ひ路」と「吹きとぢよ」をイメージした『風韻』『風彩』をお聴きしたが、今回はいよいよ美しい天女の舞いを描いた一首全編が曲に出来たとのことで、8年の歳月を掛けて完成させた拘りはプロの美意識。

 

 

「しばしとどめむ」をイメージした『風影』に、ツアー初日のこの日が初披露となった『乙女の姿』。

志宏さんの月の光のような硬質なピアノが乙女を照らし、一馬さんのそよ風のようなギターがその影を揺らす。

先日、奈良公園から自転車を漕いで明日香村に行った帰り道、その美しさに思わず息を呑んだ飛鳥の棚田の風景が思い出され、それを天空の果てに浮かぶ雲がら眺めているような穏やか気持ちに浸った。

「天つ風雲の通ひ路吹きとぢよ 乙女の姿しばしとどめむ」を続けてお聴きしたいが、演奏する方は大変であろう。

 

 

ようやく入手した志宏さんのソロピアノライブ『水無月陰陽ー陽ー』と、一馬さんのサインが加わったRemboatoの『星を漕ぐもの』。

3月に栗林すみれさんと西嶋徹さんのサインをいただいており、あとは4人が揃う6月22日のミスターケニーズで福盛進也さんからいただくだけで、その福盛さんはECMからリーダーアルバムをリリースした日本人として二人目のミュージシャンである。

 

 

ライブ終了後、マスターから「ECMのクリアファイル手に入れた?」と聞かれ、何のことかわからなかったが、対象商品であるSHM-CD化されたECMの21世紀注目作品全20作などを購入するといただけるらしい。

それの発売開始が5月11日って、今日初日だし、マスター早っ。

その20作品を見たところ、アヴィシャイ・コーエン(ベースではなくトランペットの方)、アーロン・パークス、シャイ・マエストロ、ティグラン・ハマシアンなど、納得の名前が並び、その中にアレニ・アグバビアンを見つけた。

 

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ティグラン・ハマシアンのグループでお聴きしていて、ティグランの来日公演でアレニは来日されず残念だったが、透明感のある歌声に魅了されその頃いろいろ検索したがティグランのアルバム以外で日本で購入できるアルバムを見つけることはできなかった。

2019年にECMからデビューアルバム『Bloom』をリリースされていたとはまったく知らず、こまめなチェックは大切である。

 

 

5月14日にタワーレコード名古屋近鉄パッセ店でアレニのアルバムを購入し、クリアファイルもゲットできた。

 

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そのとき大阪在住のリスナー仲間の大澤さんから、テスラスーパーサミットで名古屋にいますとの投稿があった。

コロナ禍になってからお会いできていなかったので、久しぶりにご挨拶したくイオンモール熱田に向かった。

 

 

テスラが100台以上並び、ナンバーを見ると大澤さん以外にも遠方から来られている方は多いようだ。

大阪大学名誉教授の職をご退任され悠々自適な日々を送られているのかと思いきや、ボランティアで教壇に立たれているとのこと。

若い人に教えることができるのは金銭には変えられない特別なことなのだろう。

赤いテスラがお似合いです。

運転席にも座らさせていただいたが、ハンドル周りの操作はすべてタッチパネルでこりゃスゲー。

 

 

大澤さんに撮っていただいた一枚。

同じ赤色のアメリカ車、ダホン。

私の甲斐性ではテスラは無理だが、エコという意味ではダホンが優っている。

 

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テスラのオーナーさんのみなさんの愛車への拘りは他の車種のオーナーとは違うように感じ、ECM好きと通じる特別なものがあるようだ。

 

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自宅に戻ってアレニをお聴きした。

心揺さぶる歌声は21世紀のECM20作品に選ばれるべくして選ばれたと言っていい。

靑猫で聴くのが楽しみである。

青猫は名古屋ICから近いので、大澤さんも名古屋に来られた際にはお気に入りの一枚をお持ちいただけたらと思う。

リング・ワンダリング 刈谷日劇

 

2022.5.6 金子雅和監督 『リング・ワンダリング』 刈谷日劇

 

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以前の投稿で「もちろん私も刈谷日劇へ足を運ぶ予定である。」と書いた通り、刈谷日劇へ。

5月8日の金子監督の舞台挨拶の日に行きたかったが都合が合わず、その代わりに草介や銀三がニホンオオカミを探し歩いたように、いつもは車で行くところ自転車で向かうことにした。

 

 

『瀬戸万博記念公園 愛・パーク』より出発。

秋にジブリパークができる『愛・地球博記念公園 モリコロパーク』じゃないです。

 

 

こちらが『愛・地球博記念公園』。

正面入り口は大工事中のため、公園西駅口にて。

 

 

20kmほど漕いで『オールドカフェ』にて昼食。

 

 

 

たらこスパゲッティのランチ、美味しかったです。

1時間くらいのつもりが、先日の海野雅威さんのライブなど三浦マスターとのジャズ談議で30分もオーバーしてしまった。

 

 

オールドカフェから9kmほど行って、『刈谷日劇』に到着。

これでニホンオオカミに会うための汗はかいたと自己満足の充実感に浸った。

 

 

ポップコーンと聞いたことのないエナジードリンクで200円也。

スナック類やドリンクはすべて100円で、シネコンだとそこそこするのでまず購入しないが、ここではマスト。

 

 

2回目の鑑賞は初回に増して楽しむことができた。

シアターカフェでのトークでも少し今作品に触れられ、主人公が漫画を描く部屋の作り込みなどについてお聞きし、それを踏まえてのリピートだったが、何度もリピートされる方の気持ちがよくわかる。

作り込みの深さがあるからそこ映像からパワーが伝わってくるのだろうし、観るたびに新たな発見があり、そのパワーは絶対にスクリーンで観るべきである。

 

 

シアターカフェでは、ひとつお聞きすれば10倍返ししていただけるほど真摯で丁寧なお答えいただき、SNSに書けないようなオフレコトークもあったりして、刈谷日劇でもきっと興味をそそられるお話がお聞きできると思うので、5月8日はぜひ刈谷日劇へ。

 

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金子監督が出演者について語られているが、この動画で触れられていない長谷川初範さんと片岡礼子さんも早い段階で決められていたのではないかと思う。

長谷川さんは前作『アルビノの木』の罠猟師役を連想させ、前作を上回る凄みに圧倒され、ひとり雪道を進む姿に涙を誘われた。

片岡さんはその場の雰囲気を支配してしまう存在感はいつもながらで、朴訥とした安田さんとのバランスも絶妙であった。

 

 

その片岡さんが主演された『あした、授業参観いくから。』を前日にシアターカフェで鑑賞した。

 

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『あした、授業参観いくから。』+ 安田真奈監督ショートフィルム選で上映され、初日の舞台挨拶に足を運びたかったが、最終日の前日になんとか滑り込むことができた。

台本上は同じ台詞でもそのニュアンスは家庭の数だけあって、その情景が何度も繰り返されるワークショップ的な作品であるが、教師の側にもドラマがあり、じんわりとする仕上がりになっている。

繰り返される台詞以外の会話は抑えられていて、映像でそれぞれの家庭の事情を想像させる濃密な23分間であった。

また何処かでアンコール上映があるのかな。

上映後の片岡さんのメッセージ映像も素敵で、5月8日の母の日の前に観られて良かった。

 

 

安田監督からのお心遣いもうれしく、ココアシガレットをいただいた。

 

 

鑑賞後、刈谷日劇からつながる商店街にある『蛸のてこ』で、洋食焼広島風・豚イカそば麵入りで、帰りの燃料を注入。

 

 

帰りはちょっと道を間違えてしまい遠回りをして38km漕いだ。

大府市の看板を見たときは、あれっ?と思って、引き返したときに危うく刈谷市に戻りかけて『リング・ワンダリング』するところだった。

Tadataka Unno Reunion Trio

 

2022.5.1 THE WIZ

Tadataka Unno Reunion Trio 『Get My MojoBack』CD発売記念ライブ

海野雅威(pf) 吉田豊(b) 海野俊輔(ds)
 

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この日は朝から生憎の雨模様で、右足の神経痛の痺れと痛みで目が覚めた。

前回に続いて 2DAYS 4STAGE が SOLD OUT となったが、リハビリ中の海野さんも手が痺れておられないか心配である。

 

 
そしてもうひとり、自転車で転倒して肩を骨折されていたみのシェフが4日前に復帰されたばかりで、ライブに華を添えるシェフ特製のローストビーフのプレートが運ばれてきた。
 
みのシェフ、ご復帰おめでとうございます。
 
私も自転車で自爆して鎖骨を骨折したことがあり、その痛みを知っているだけに、とてもフライパンを握れる状態でなかったことはよくわかるし、ましてやピアニストがヘイトクライムで肩や腕に大怪我したなら痛みだけでなく絶望感に襲われたことだろう。
 
 

 
それを乗り越えてリリースされた『Get My MojoBack』。
 
身体の傷が癒されたとしても心の傷は癒されない場合もある。
 
ニューヨークを避けたいと思っても仕方ないところ、失われた音を取り戻すためにニューヨークの仲間たちと作り上げた渾身のニューアルバム。
 
これが最高にクールでご機嫌で美しく、ジャケットの中の様々な人種の笑顔がすべてを物語っていた。
 
 

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カウンター席からは弾いているときの表情を伺うことはできなかったが、その背中はエレガントで生命力に満ち溢れていた。

ジャズと同じくアフリカを起源とするトリニダードカリプソに想いを馳せ、陽気に聴こえる裏側にある悲しみ、コロナ禍以後に感じる漠然とした不安に怪我との戦いによる苦しみ、それでも生きていることや大切な仲間への感謝、ピアノが弾けることへの喜びと平和への想い。

そんな様々な感情を音で表現し、背中で語っているようだった。

純文学のように行間を読むような演奏はそれぞれの気付きがあればよい。

 

 
アンコールで神戸から駆け付けたテナーサックスの河村英樹さんがシットインされ、この日だけのスペシャルカルテットとなった。
 
お互いのお子さんの話になり、気の置けない仲間とのリラックスした雰囲気が心地よい。
 
 

 
カウンター席からはメンバー全員が収まらなかったため小久保さんから拝借した1枚。
 
手にされているのは今日のライブの特製Tシャツ。
 
 

 
私も1枚欲しかったが、メンバーと良子さんの4枚だけという愛の限定版。
 
名古屋で海野さんと聞けば、もう THE WIZ しかない。
 
 

 

余韻に浸っているところ肩を叩かれたので振り向いたところ、なんと柴田さんじゃあーりませんか。

THE WIZ で海野さんと聞けば、柴田さんも欠かせない。

東京でもブルーノートで 2DAYS されるが、スタインウェイの生音を間近で聴くことができるからと、毎回わざわざ東京から足を運ばれる。

さすがでございます。

 

奈良飛鳥サイクリング

 

2022.4.28 奈良飛鳥サイクリング

ドラゴンシェフとの自転車部、5回目。

DISTANCE 49.17km となっているが、帰り道の途中にゴールマークがあるまでの距離なので、実走距離は70kmくらい。

 

 

自分だけなら思い立ったらすぐ車に自転車を積んで行きたい時に行きたい所に行けるので、二人の場合は出来るだけドラゴンシェフのリクエストに沿えるようコース設定をしている。

今回は明日香村の石舞台古墳に飛鳥鍋と天理市を巡れたらというリクエストだった。

奈良公園からだと明日香村への直線上に天理市があり、距離的にもちょうどいいので、奈良公園発着とし、時間に余裕があれば宇陀市にも寄れたらと計画した。

奈良公園では神の使いからのお見送りを受けて出発した。

 

 

天理市は小学生の修学旅行以来だそうで、そのときの印象が強く残っていたらしい。

生憎この日は私の右足の神経痛が最悪の状態で、自転車を漕ぐことはできるが歩くのは10メートルを進むのにも四苦八苦しなければならないありさま。

なのでドラゴンシェフが天理教の協会本部をぐるりと周るあいだ、私は遠くから眺めるだけだったが、スケール感は十分に堪能できた。

途中、彩華ラーメンの看板を見て、お腹が空いたので天理ラーメンを食べたいと言われたが、飛鳥鍋は予約済なのに大丈夫か?

今日もドラゴンシェフの食物探究の精神は旺盛のようだ。

でも、ドラゴンシェフがスマホで検索しながら行ったり来たりしても見つからず、どうやら看板のお店は閉店していたようで、ほっと一息。

私はそんなに食えんよ。

 

 

ブラタモリ』でタモリさんも寄られた『めんどや』に到着。

ちなみにタモリさんは柿の葉定食を召し上がられたそうだ。

 

 

飛鳥鍋はこの地方で飛鳥時代から伝わったとされている伝統的な鍋料理。

要予約で二人前からということなので、私も必然的に飛鳥鍋を食べざるを得ず、暑いのに鍋かよと思ったが、食べ始めるとたっぶりの野菜の旨味が溶けだした牛乳ベースのスープはコクがありながら後味がサッパリとしていて、箸がどんどん進む。

鶏肉もやわらかくプリプリで、飛鳥鍋で大正解。

食事後ドラゴンシェフが出汁について質問されていたので、また何処かで披露されるつもりなのだろう。

 

 

飛鳥寺は推古4年(596)、蘇我馬子によって創建された日本最初のお寺ということだが、二度の火災に見舞われ、現在の建物は江戸時代の1826年に建てられた。

 

 

飛鳥大仏は609年に造られた日本最古の仏像だそうだが、奈良や鎌倉の大仏と比べると面長なところや目の形など、ウルトラマンに似ているような気がして、もう直ぐ公開される『シン・ウルトラマン』楽しみにしてますと手を合わせた。

ドラゴンシェフはお寺の奥の方まで見学に行ったが、私は右足の痛みによりここまで。

 

 

飛鳥坐神社の石段はさすがに無理なので、ドラゴンシェフだけお参りし、私は下で待つことにした。

 

 

石舞台古墳では右足の痛みが限界に達して外で待ちたい気分だったが、歯をくいしばって向かうと、どうやら石舞台の下に入れるようになっているようだ。

階段の登り降りは勘弁してもらいたいので、下に居るドラゴンシェフに「何もないでしょ?」と聞くと「浪漫がある」と返ってきた。

 

 

その言葉に渋々入って行くと、右足を庇っていたせいか腰にも違和感を感じ、浪漫と引き換えに暫し石の下でフリーズした。

 

www.shinchosha.co.jp

 

ドラゴンシェフからのリクエストをクリアして、時間的には厳しかったがドラゴンシェフの了承を得て、寄りたいと思っていた宇陀市に行くことにした。

高村薫先生の『土の記』の舞台である。

圧倒的な取材力の上にある緻密な状況描写と人の心を解剖する術を持っているかのような心理描写の傑出さはいつもながらで、上下巻500ページのすべてを押し流す最後の2行には驚愕した。

そこに克明に記されていた宇陀の風景をこの目で見て、そこに吹く風を感じたいと思い、私としてはこちらにこそ浪漫を掻き立てられる。

いざ行かんと、地図にあるよう宇陀市に向かったが、途中の信号待ちでそちらの方向を見ると果てしなく上り坂が続いている様子が伺われ断念した。

自分ひとりならそこに挑戦したかもしれないが、到着しても名所や旧跡などはなくドラゴンシェフにとってつまらないのはわかっているし、ここが主人公の妻が事故に遭った現場だと説明しても申し訳ないだけである。

今度ひとりで行くことにしよう。

 

 

奈良公園近くの駐車場に戻り、ドラゴンシェフが昼に食べたかった天理ラーメンを食べに車で向かった。

天理ラーメンは天理市発祥のラーメンとされるご当地ラーメンで、基本的には2系統あり、ひとつが昼に探した『彩華』(サイカラーメン) で、もうひとつが『天理スタミナラーメン』(天スタ) である。

愛知県の豊川市などにある『奈良天理ラーメン天風』はまた別で、天理ラーメン風という意味なのかな。

『天理スタミナラーメン本店』でスタミナラーメン (小) をいただいたところ、豚骨ベースのスープは辛そうな見た目だが白菜たっぷりでその甘さと旨味がスープに浸みだしていて辛さはなかった。

疲労困憊していて食欲はなかったが、ニラとニンニクに食欲がそそられ元気をもらい帰りの運転もガンバレそうだ。

 

 

ドラゴンシェフはスタミナラーメン (小) に半チャーハンと餃子をペロリ。

そして「思っていたのと違っていた」と一言。

ドラゴンシェフ、次回のリクエストをお待ちしております。

御菓子処 おがみ  バンテリンドームナゴヤ

 

2022.4.23 御菓子処 おがみ

 

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以前ブログで、サカナクションの山口一郎さんが北海道のご出身ながらお父さんの影響で熱狂的なドラゴンズファンであること、小学校の同級生にひとりだけカープファンがいたこと、その彼が春日井市で和菓子屋を営んでいるらしいこと、その和菓子屋に行ってみようと思うこと、などなど書いた。

 

 

 

行ってきました『御菓子処 おがみ』。

以前のブログで書いた店名になっているめずらしい苗字とは『おがみ』で、漢字で書くと子連れ狼の拝一刀の「拝」ではなく「男神」。

ネットで調べたところ、全国に約30人ほどしかおらず、静岡だけの希少な苗字とのことだった。

 

 

お店に入るとご主人の姿がなかったので「男神勝彦さんのお店ですよね?」とお聞きすると、奥さんが電話で私のことを伝えてくださり、店の奥からご主人が出てきてくださった。

間違いなく「おがちゃん」だ。

 

 

お勧めのお菓子をお聞きすると「虎の子渡し」が看板商品とのことで、手土産に「虎の子渡し」「オレンジブッセ」がセットになった「おがみセット」と、自分用に「虎の子渡し」をふたつ購入した。

「どら焼」きならぬ「とら焼き」ということだが、そう言われるとたしかに焼き模様が虎の縞模様に見える。

 

fanblogs.jp

 

あまり耳にしない名前なので一般的なのかな?と「とら焼き」について検索したところ、「腕のいい和菓子職人だからこそできる手法」とあった。

 

 

「麩まんじゅう」に「草餅」に「季節の上生菓子」等々、どれも美味しそう。

「麩まんじゅう」と言えば、この地方では江南市の大口屋が有名だが、見ただけでもちもちしているのがわかる上品な佇まいはそれに負けていないように思える。

「麩まんじゅう」は次回の楽しみにしておこう。

 

 

こどもの日が近いこともあり、優秀賞の盾と並んでミニ鯉のぼりが飾られていた。

一応確認のために「おがちゃん、広島カープのファンだったよね」と聞くと「それはおやじ」との返答。

えっ、記憶違いしてた?

お父さんは静岡県のご出身ながら、お気に入りの選手がいたため広島ファンになったそうだが、その影響は受けなかったみたいである。

でも、和菓子職人だったお父さんの心と技は受け継いでいる。

 


とあるお店に手土産を渡し、他のお店で自分用に買っていたのを渡してしまったため、「虎の子渡し」の感想を書けないなぁと思っていたら、とあるお店の方が感想をつぶやいていたので拝借させていただいた。

「佳味求心」とは良い言葉だな。

 

 

翌日、車でサカナクションを聴きながらバンテリンドームナゴヤに向かい、コロナ禍になってから初のプロ野球観戦。

石川昂弥選手の4打点の活躍で、大逆転勝利。

どらほー!

次回のカードは甲子園でのタイガース戦なので「どら焼き vs とら焼き」の対戦となる。