necojazz’s diary

ジャズを中心に雑食

『まともじゃないのは君も一緒』の前田弘二監督特集

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2021.4.4 シアターカフェ 

『まともじゃないのは君も一緒』の前田弘二監督特集

舞台挨拶 前田弘二監督 小沢まゆさん

司会 映画パーソナリティ 松岡ひとみさん

『古奈子は男選びが悪い』2006年

『遊泳禁止区域』2007年

『鵜野』2005年

 

絶賛上映中の『まともじゃないのは君も一緒』(以下『まときみ』) の公開に合わせて企画された前田弘二監督特集。

2012年4月にオープンした大須シアターカフェ (現在は白壁) のオープニング記念は前田弘二監督特集で『鵜野』と『ラーメン』が上映されたことは知っていたが、オーナーの江尻さんが前田監督の作品を上映したいという切っ掛けでお店を始められたとは知らなかった。

そんな、まともじゃない前田監督フリークが厳選した3作品はどれも『まときみ』のテイストとルーツを感じるナイスなラインナップで、内2作品の脚本は『まときみ』と同じ高田亮さんとのタッグによるもの。

『まときみ』を観て面白かった方、これから観に行かれる方、もう一度観られる方、必見です。

 

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この特集の裏テーマは『宇野祥平祭り』。

日本アカデミー賞日本映画批評家大賞キネマ旬報などから数々の助演男優賞を受賞されるなど、大活躍中の宇野さんが3作品それぞれにイイ味を出されていて、宇野ファンにとっても堪らない。

その宇野さんの「映画撮ってみたら。俺、主演で出るから。」という一言から、今の前田監督があるとは存じなかった。

もちろん『まときみ』にも出ているだろうと、バーでのシーンには「ここか!」と思ったが、今回はご出演されていなかったみたい。

でも、これまた3作品で存在感いっぱいだった吉岡睦雄さんは『まときみ』でもさすがの存在感で笑えた。

 

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『まときみ』を鑑賞したTOHOシネマズ赤池でパンフレットが売り切れていたため、ミッドランドスクエアシネマにも行ったがここも売り切れ。

どうやらどこも売り切れらしく、満足度の高さを実感した。

なので、「チラシですみません」と、前田監督にサインをお願いするとイラストまで描いていただいたき、まともでいられないくらいに感激。

なんて、ざっくばらんで気取らないイイ監督さんなんだ。

撮影現場は楽しいだろうな。

 

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20年前にシネマスコーレで鑑賞した、小沢まゆさんのデビュー作にして、まともじゃない演技に衝撃を受けた『少女』のパンフレットにサインをいただいた。

前田監督も『少女』をご覧になられた時に「古奈子がいた!」と、思われたそうだ。

奥田瑛二監督の厳しさもまともじゃなかったそうで、最初にその洗礼を受けたおかげで怖いものなしになられたとのこと。

是非また前田監督と小沢さんのまともじゃないタッグも観てみたい。

 

theatercafe.blog.fc2.com

4月11日 (日) までですので、お見逃しなく。

 

youtu.be

外見は良いが、数学一筋で〈コミュニケーション能力ゼロ〉の予備校講師・大野。
彼は普通の結婚を夢見るが、普通がなんだかわからない。​
その前に現れたのが、自分は恋愛上級者と思い込む、実は〈恋愛経験ゼロ〉の香住。​
全く気が合わない二人だったが、共通点はどちらも恋愛力ゼロで、どこか普通じゃない、というところ。​
そして香住は普通の恋愛に憧れる大野に「もうちょっと普通に会話できたらモテるよ」と、​
あれやこれやと恋愛指南をすることに。​​

香住の思いつきのアドバイスを、大野は信じて行動する。香住はその姿に、ある作戦を思いつく。​
大野を利用して、憧れの存在である宮本の婚約者・美奈子にアプローチさせ、破局させようというのだ。​

絶対にうまくいくはずがないと思っていたが、​
予想に反して、少しずつ成長し普通の会話ができるようになっていく大野の姿に、不思議な感情を抱く香住。
ある時、マイペースにことを進める大野と衝突した香住は「もうやめよう」と言い出す。
すると大野は「今変わらないと、一生変われない。僕には君が必要なんだ!」と香住に素直な気持ちを伝える。​

初めて誰かに必要とされた香住は、そんな大野の言葉に驚き、何か心に響くものがあり、​
初めての感情に「これって何!?」と悩み始める。
二人の心がかすかに揺らぎ始めた時、事態は思わぬ方向へと動き出す。二人が見つけた《普通》の答えとは?​

(公式サイトより)

 

「映画は映像で見せるものだからセリフは短めにする」というのが映画界の普通。

なのでこの作品自体がまともじゃない傑作。

脚本がまともじゃなけりゃ、それを完璧に演じる成田凌さんと清原果耶さんもまともじゃない。

もはや芸術の域と言える大野と香住との噛み合わない会話の沼にもう4回観たという方も。

ここで書いている「まともじゃない」とはこの上ない褒め言葉。

普通とは自己をさらけ出さないこと。

あくまで、ひとはひと、自分は自分、はっきりと自分の世界を措定する「自己宣言」映画とみた。

エンディングの自然の中での会話はアドリブとお聞きして、それを踏まえてまた劇場に足を運びたい。

 

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少し前にご紹介させていただいた『くもサンド』。

まともじゃないくらいにフワフワなシフォンケーキに相性抜群のクリーム。

噛み合ってるなぁ。

 

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オーナーの久永さんは4月末で一度お休みされるとのことで、ゆっくりしてください。

門外不出のレシピはゆなさんに引き継がれてお店は継続されるそうなので、5月以降もほんわかさせていただきます。

 

necojazz.hatenablog.com


久永さん、前田監督は抹茶クリームを食べられて「美味しかった」とほんわかされてましたよ。

前田監督も久永さんも独学で我が道を進まれている。

ひとはひと、自分は自分。

かなり気が早いですが、前田監督の次回作と久永さんの復帰を心待ちにしています。