necojazz’s diary

ジャズを中心に雑食

明けない夜とリバーサイド  ロジウラのマタハリ

 

2022.11.06 シネマスコーレ 『明けない夜とリバーサイド』

舞台挨拶 夏衣麻彩子監督 近藤笑菜さん (主演・企画・プロデュース)

 

 

主演・企画・プロデュースの近藤笑菜さん は愛知県のご出身なので、地元シネマスコーレでの上映は特別な想いもあるだろうし、観る側としても応援したい。

 

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コロナ禍で撮影現場での仕事がすべて延期や中止になり、バイト先の飲食店の仕事もなくなって、社会的存在価値がないのではと考えて自信がなくなったときに、それでもそういう人でも生きているだけでいいということを、その状況に居る自分が発信することに何か意義があるかも知れないという漠然とした気持ちからこの企画を立ち上げようと思われたそうだ。

夏衣監督と脚本家の須貝さんに声を掛けたときは「企画0、気持ちだけ100」という言葉が印象的で、まず納得のいく企画を考えてからとしたなら完成には至らなかったかもしれない。

まずは一歩を踏み出す。

そして巻き込まれてみる。

それから考えればいい。

夜明け前の薄明りの中で、姉と弟がそれぞれに踏み出した一歩は希望に満ちていた。

 

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『異動辞令は音楽隊!』は、近藤さん推しで観賞したし、11/26(土)からシネマスコーレで公開されるオムニバス映画『おっさんずぶるーす』の『カリスマハウス』にもご出演されているので、こちらも見逃せない。

〈ファミリー編〉と〈ワーク編〉が日替わり上映になっていて『カリスマハウス』は〈ワーク編〉で上映されるので、よろしければ。

 

 

パンフレットと脚本にサインをお願いすると「一度観てもらってますよね?」と、夏衣監督からお声を掛けていただいた。

 

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今年の5月にシアターカフェでの『若手監督応援上映会』で鑑賞しており、うれしいことに覚えて下さっていた。

自分で書いていない脚本で監督するのは初めてだったそうで、夏衣監督にとっても大切な一歩になったのだろう。

姉と弟の水平思考問題を軸に、仕事での葛藤、弟の恋愛、LGBTの友人も描いていて、時系列を巧みに入れ替えた編集はコンパクトな上映時間の中でユーティリティスペースの如くまとめられていた。

そして、最後の最後で正解した水平思考問題の答えに込めたメッセージが深い。

 

 

シネマスコーレに向かう前に大須に移転オープンして2日目のロジウラのマタハリに寄った。

 

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移転前はシネマスコーレのすぐ前、徒歩5秒のところにあったので、スコーレで鑑賞する際にたまに寄らさせていただいていた。

 

 

大須のお店は、白壁に移転したシアターカフェがあったところから一本北側の路地へ徒歩1分のところ。

なのでこの辺りはよく通ったはずなのに以前は何があったのかさっぱり覚えていない。

お店に入ると、前のお店に置かれていた多くの小物類がほとんど無くなり、雑多なイメージのマタハリ感からすっきりとしたおしゃれ空間になっていた。

そして何よりもお店の奥にトイレがあったのが一番の変化。

移転前はお店の外にある共用のトイレを使うために鍵を借りる必要があったので、私はいつもスコーレのトイレを使っていたのだ。

早速トイレに入ってみるとめちゃくちゃ広く、そういうことかと納得。

小物達はここに集められていていて、ジブリの大倉庫ならぬマタハリの大トイレとなっていた。

マタハリに行ったならトイレは覗くべし。

 

 

まずは定番のタイカレー、それと初めてのアボカドジュース。

新たなサービスとしてお米はすべてオートミールに変えられるということで、オートミールで注文。

少し前から主食をオートミールにしているのでありがたい。

粒が大きくしっかりしているタイプと細かく砕いているタイプをブレンドしているそうだが、かなりお米に近い食感だった。

アボカドジュースのグラスにチョコレートシロップが付いているのはバリ風で、ストローで溶かして飲むと甘さが増した。

はやりマタハリは強烈に美味い。

立ち退くことになったときには何も決まっていなかったが、ロジウラのマタハリも新たな一歩を踏み出した。

AVOCADO BOYS  ×  一寸先闇バンド (リベンジ・再挑戦)

 

AVOCADO BOYS  ×  一寸先闇バンド (リベンジ・再挑戦)   O.A . おーたけ@じぇーむず

日時 2022.11.23 (水祝)

         OPEN 17:30 START 18:00

会場 K.Dハポン

金額 2500円+1drink

ご予約は各バンドかKDハポンまで。

 

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7月16日に開催されるはずだったが、メンバーに新型コロナウィルスの陽性者が出たため延期となっていたライブがいよいよ近づいてきた。

楽しみにされていたみなさん、お待たせしました。

 

 

2022.11.3 池下カサブランカ屋上

Katie Ford & Avocodo Boys Rooftop Sunset Live!!! (Revenge)

4/29に予定していた屋上ライブが雨に降られてしまっての、こちらもリベンジライブ。
チラシと同じ色が広がる空の下、Katieさんの紡ぐオーガニックなサウンドはソフトな耳触りで、澄んだ歌声が舞い上がり漂い溶けて心の深いところまでじんわりと沁みわたってきた。
 

 
ハポンでのライブが延期になったあと、7インチシングルレコード『MoMan』のリリースにフェスへの出演や東京遠征などアグレッシブな avocado boys。
ミニマムの編成では音の隙間でもグルーヴさせ、シンプルでありながらカラフルで立体感のある景色が広がる。
何人の編成でもそれに応じたプレーができるのが avocado boys の魅力のひとつだが、11/23は貴重な7人のフルメンバーで、しかも今年最後のライブになるそうなので、聴き逃す手はない。
 

 
2022.10.29 鑪ら場 
◉菅野創一朗 ◉佐古勇気 ◉おーたけ@じぇーむず ◉小林右京
それぞれに個性とアク強いアコーステックギター弾きの面々が集まった。
その中でも切れ味抜群のいけないおーたけマジック全開だった、じぇーさん。
11/23のライブでは一寸先闇バンドに加えてソロでもオープニングアクトで口火を切ってくれる。

プロモーション活動はレーベルの力に依るところもあると思うが、初の全国流通盤EPのタイトルナンバー『ルーズ』がTBSラジオ8月の推し曲に選ばれ、ラジオやテレビなどメディアへの露出もあり、自主レーベルでこれだけ取り上げられるのは良い音楽をやっている証拠と言える。

 

 

10月15日に高円寺U-hAで共演されて、親交を深めた両バンド。

リベンジライブに向けての準備も万端で、ほとんどのメンバーは1度コロナに罹っている。

流行遅れで罹っていないのは私くらいだが、12日に4回目のワクチン接種をするため大丈夫のはずだし、もし私がコロナに罹ったとしてもライブにはまったく影響はないので、お越しになられる方は万全のコロナ対策をしていただき、みんなでリベンジしよう。

高井息吹 × haruyoi

 

2022.10.22 K.Dハポン

高井息吹(vo,pf)   haruyoi 梅井美咲(pf, key) 菅野咲花(vo)

 

 

ハポンの入り口にあった久保田寛子さんが描かれたフライヤー。

このライブのために7パターンも描かれていて、その中から2つを梅井さん達で選ばれたそうだが、ハポンJR中央本線の高架下にあることをご存知ではなかったそうである。

 

 

ハポンではライブ中であろうとお構いなく電車が上を走り、その度にガタゴトガタゴトと音を立てる。

ピアノとボーカルでじっくりと聴かせるライブでは耳障りになりそうだが、邪魔になるどころかむしろ味わいさえあって、ろうそくの炎の如く揺らめくピアノに小川のせせらぎのような歌声、木漏れ日を思わせる3人の笑顔と重なって1/Fで揺らぎ、ここでしか味わえないライブとなる。

そして、カウンターには久保田さんが描かれたこれまた素敵なポストカードも置かれていて、購入させていただこうと見たら「Take Free!!」とあった。

物販はミュージシャンの貴重な収入源だが「無償で描いてもらっているのでお金はいただけない」との言葉にも癒された。

京都で開催されていた久保田さんの個展は先日終了してしまったが、また行けそうなところで開催された際には是非伺いたいと思う。

 

 

タダでいただいた代わりに「じゃあ何か飲む?」とお聞きしたら菅野さんが「水を飲んでいるから大丈夫」のポーズ。

関西から上京して間もない大学1年生のときに初めてお聴きした梅井さんも3年生になられたので演奏終わりのビールでもと思ったが、彼女の言動は相変わらず謙虚だったし、東京に染まっている様子もなく、着実に成長されているのを感じるライブだった。

同級生の菅野さんはこの日初めて名古屋の土を踏まれたとのことで、梅井さんとは盟友と言える存在。

まさに、あ・うんの呼吸のライブは一朝一夕ではできず、これまでに築いてきた信頼関係もあってこそで、その極意は「考えるな、感じろ」と、梅井さんのカンフーポーズ。

 

 

高井さんは年に1回くらいのペースでハポンに来られているそうだが、申し訳ないことにぼんやりとお名前は知っているくらいであった。

ちょっと気になる存在となったのは小田朋美さんとの2台ピアノをされた頃からで、先月には梅井さんとの2台ピアノもされていて俄然お聴きしたい存在となり、楽しみにして足を運んだ。

関東には2台ピアノが聴けるライブハウスがいくつもあるが、名古屋ではホールで聴けるところはあるにしても、特別な場合を除いてライブハウスでは聴くことはまずない。

ソロで2曲をお聴きしたところ、小田朋美さんを彷彿とさせた。

それは似ているという意味ではなく、ポップス、ジャズ、クラシック、民族音楽等々、様々なジャンルを咀嚼し、消化し、吸収されていると感じたから。

しばし、聴き惚れていると、梅井さんを呼ばれて、なんと2台ピアノとなった。

アップライトとエレピというカジュアルなセットなのだが、それで十分過ぎる。

誰よりもステージ上の二人が楽しんでいて、観客はその楽しさをお裾分けしていただいているようで、最高のライブとはそういうものなのだろう。

アンコールではなんとなんと菅野さんも加わって、女子会の盛り上がりはピークとなり、音楽での会話の花が咲き乱れた。

おそらく打ち上げも相当に盛り上がっただろうな。

男性ミュージシャンと一緒だと「味仙」一択になるそうだが、この日はホルモンを食べに行きたいとのことだった。

せっかくの名古屋で、菅野さんは初名古屋なので、たぶん味噌とんちゃんではなかったかと思う。

味噌とんちゃんを前にしたら梅井さんも「とりあえずビール」だったであろう。

日本の祭典2022 in Nagoya – 胡蝶の夢-

2022.10.15 Hisaya-odori Park ケヤキヒロバ

『日本の祭典2022 in Nagoya – 胡蝶の夢-』

笛:はだひかる  民謡・三味線:剣持雄介  民謡舞踊:菱川玲子  獅子舞:柳こう介、銀太郎  和太鼓:TSUWAMONO彩  和妻:向井健人  英語落語:喜餅  日本舞踊:西川華香  筝:笹野大栄
司会進行:喜餅、ラニエリ・イレニア
イラストレーター: ナカガワ暢
 

 

京都在住で京都での数々のイベントや京都新聞のカレンダーのイラストを手掛けられるなど、京都の顔のひとりと言えるナカガワ暢さんが名古屋にやって来られた。

イベントを企画制作された株式会社JFFは名古屋の会社で、名古屋の伝統芸能文化を発信するイベントなので、普通ならば名古屋のイラストレーターにお願いするところだろうが、暢さんのこれまでの作品が目に留まったのだろう。

ニューヨーク、ミュンヘン、ミラノ、マドリードプラハハノイ、で開催してきた『日本の祭典』。

名古屋での公演は、貴重な名古屋の歴史資料の使って、江戸時代の伝統文芸を「伝統芸能パフォーマンスと映像融合」で表現しようという初の試みで、その重要な役割を担われた。

 

 

胡蝶の夢』とあるのは、明治維新後、職を失った武士が細く割った竹と和紙で蝶々を作り色付けして八事地区で作成・販売された郷土玩具『八事の蝶々』がモチーフとなっていて、拍手をするような場面でスマホをタップするとLED画面に鮮やかな青い蝶が舞い、伝統芸能と現代のデジタル技術が融合する。

 

 

暢さんが描く江戸時代の街並みを背景に、伊勢大神楽の流れを汲む雌雄一対の熱田系の獅子がお囃子に合わせて華麗に舞い、タイムスリップして見惚れるばかり。

 

 

和妻(日本伝統奇術)、英語落語、日本舞踊等々、演目によって背景が変わり、もちろん名古屋の文化や伝統芸能について調べられたであろう、それぞれの演目に寄り添いながらも際立たせ、観客を目を引き付ける。

 

 

守るのではなく攻めの姿勢で、新たな試みによって日本の伝統芸能を未来へ継承すべきイベントの第1回目として大盛況となり、重責を担われた暢さん、お疲れさまでした。

相当なプレッシャーだったからこそ、本番当日は観客として一番楽しまれていた様子だった。

 

 

観客の皆さんに配られた『八事の蝶々』。

赤、黄、橙、緑、紫、で色づけられ、竹ひごに貼った羽根は動かないが、垂れ下がった白い部分が揺れることによって飛んでいるような動きを見せる。

プログラムはその5色に黒を加えた色使いになっていた。

さすが暢さん、お見事でござる。

 

 

終演後は芝生に寝転んで江戸時代と同じ青空を眺めて過ごした。

Tomoo&Saki 臨月コンサート

 

2022.10.10 奈良公園バスターミナル レクチャーホール

臨月コンサート Tomoo&Saki  野上朝生 (pf) 野上(籠谷)紗希 (vln)

前回お聴きしたときはまだ同じ苗字ではなかったが、同じ苗字になっただけでなく、お子さんを宿されて大きくなったお腹にペインティングされてのコンサート。

 

 

出産予定日が10日後ということで、コンサート中に産気づいてもおかしくないのになぜこの日に?と思ったが、会場を押さえたときはまだ妊娠されていなかったとのこと。

もしかしたらTomooソロコンサートになっていたかも知れないが、絶対に大丈夫という根拠のない自信の下で無事開催された。

 

 

晴れの特異日なのに生憎の雨模様となったが、窓の外に見えるしっとりと濡れた奈良公園と遠くの山にたなびく霞が神聖さを醸し出し、新たな生命を神様から祝福されているかのようで、最初の一音の前にそっと目を閉じる紗希さんはその神様に感謝を告げているように見えた。

 

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MCで話されていたコロナ禍で笑っちゃうくらい仕事がなくなったときに野外で即興演奏された時の動画。

本当は大ピンチなのにそれでも笑っていて、この日のライブでも演奏中に小さいお子さんの声がしたときにそちらを見て微笑むおふたりの姿が印象的だった。

ハウルの動く城』のテーマ曲『人生のメリーゴーランド』のジャズアレンジのあとに「ともちんの想像がつかないアレンジが大好きで大好きで」と、紗希さん。

以前は「にょがみさん」と呼ばれていたが、自分も「にょがみ」になったので、「ともちん」に出世されたようだ。

朝生さんは、ジブリの曲をジャズアレンジしたCD「ジブリジャズ/All That Jazz」をリリースされていてシリーズ累計20万枚にもおよぶセールに、ライブ活動にも力を入れておられ、ジブリジャズの第一人者といえる存在。

前回の投稿で11月1日に開園するジブリパークについて書いたが、ジブリのキャラクターとして出てきそうなおふたりのライブを是非ジブリパークで聴いてみたい。

 

 

書家の桃蹊さんとのコラボでは、曲に合わせて、ときには台紙をバイオリンを奏でるかのように抱えて、ときにはピアノを弾くかのように向き合い、書き上がるまでのパフォーマンスにも魅了された。

 

 

星に向かって伸び、地中深く根を下ろす「LOVE」は生命力の源のように感じた。

「めっちゃいい~」と、紗希さん。

 

 

大学卒業までクラシックピアノを専攻していたが怖くなり人前で弾くことができなくなったそうで、ご自宅から運ばれたピアノで念願だったシューベルトを弾き終わったあと「人生を越えた気がする」と満面の笑み。

ピアノが弾けなくなったために細々と弾いていたバイオリンに本格的にシフトされ、プレッシャーから解き放たれたことで才能が開花されたのだろう。

常に楽しそうにバイオリンを弾かれている意味と、天上の調べのような清らかな音色の理由が少しわかったような気がした。

 

 

お母さんのことを想って書いた最初で最後の曲を弾き語りする朝生さん。

今日は泣かずに歌えたそうだが、お人柄が覗える歌声は少し震えていたようにも感じた。

 

 

この日のために限定で100枚準備されたCD-R。

100枚焼くだけでも大変だと思うが、丁寧なサインも添えられていた。

定価はなく金額はこちらで決めて、気持ちだけ置いて持っていっても大丈夫とのことだった。

帰りの車中で繰り返し聴きながら、お腹の中の愛ちゃんも一緒にステージに上がり、デュオだけれどもトリオとも言えるドラマチックなコンサートの余韻に浸った。

愛ちゃんを抱きかかえてのコンサート、楽しみにしています。

ジブリパーク11月1日開園

 

ジブリパーク建設中の、愛・地球博記念公園 (モリコロパーク) の前を週に3回くらい自転車で通るのだが、この日は久しぶりに園内のサイクリングコースを走ろうと自転車を漕いで行くと、駐車場待ちの車列ができていた。

何かイベントを開催しているのだと思うが、先日の『全日本餃子祭り in モリコロパーク』もスゴい人出で、ジブリパーク開園後にお越しの際には公共交通機関を利用されることを強くオススメする。

 

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サイクリングコースを走る前に、藤が丘にある La BOULANGERIE d'a Cote  (ラ ブランジュリ ダコテ) でちょっと遅めの昼食をとった。

名古屋駅方面からジブリパークへ向かう場合に地下鉄からリニモに乗り換える藤が丘駅周辺にはグーチョキパンに引けを取らない素敵なパン屋がいくつもあって、その中でもオススメのお店である。

 

 

この日は、グリルチキンのバゲットサンドとカヌレにドリンクバーを注文した。

イートインコーナーでは学生らしき男女4人組の外国人がおしゃべりをしていて、その楽し気なフランス語は心地よく、フランスの方はやはりこのお店を選ばれるのだろうと納得。

ハード系がメインで、パンそのものの美味しさが噛むほどに口の中に広がってくる。

 

 

食べた分のカロリーを消費すべく、愛・地球博記念公園のサイクリングコースへ。

 

 

今年の3月25日における公園エントランスの工事風景。

 

 

10月2日現在の公園エントランス。

案内所、飲食店、売店などが建ち並び、ジブリパークのチケットがなくても無料エリアで買い物ができるのはうれしい。

愛・地球博記念公園がまるまるジブリパークになるのではなく、もともとある公園の中に溶け込むようなかたちでいくつかのエリアが点在し、11月1日にはまず3つのエリア「ジブリの大倉庫」「青春の丘」「どんどこ森」がオープンする。

 

 

サイクリングコースはもちろん無料エリア。

自転車を持ち込むこともできるし、レンタサイクルは1周100円で借りられる。

 

 

47都道府県の木々の間を走る1周5.1kmのコースは、車も歩行者もいない自転車専用の一方通行なので安全に走行できるし、周回コースならではの連続したカーブと程よいアップダウンがハートを刺激してくれる。

上級者でも走り応え十分だが、高速走行は禁止されているのでスピードにご注意を。

 

 

青春の丘エリアにある「地球屋」。

耳を澄ますとバイオリンの音色が聴こえてきそうで、無料エリアから見た後ろ姿も美しい。

 


無料で寝転び放題の大芝生広場の奥にどんどこ森エリアの入り口がある。

愛・地球博記念公園の敷地のほとんどは森だが、その広さはUSJの約4倍、東京ディズニーランド+ディズニーシーの約2倍あり、現段階で予定されている5つのエリアの完成後もエリアを増やしていただきたい。

 

 

三鷹の森ジブリ美術館の3倍の広さがあるメインエリアのジブリの大倉庫ではジブリの街並みが演出され、ジブリ飯が食べられるカフェも入るみたいである。

 

 

もちろん無料エリアにもいくつかカフェがあって、その中のひとつ冬青珈琲店 (ソヨゴコーヒー店) に寄った。

こちらでは本格的なスペシャリティコーヒーとオーガニックフードにクラフトビールもいただける。

この日はエチオピアを2種類試飲させていただいて、よりフルーティーだった浅煎りの豆を購入した。

とにかく明るい田中さんの高感度の高い接客とスマイルも無料。

 

 

ルワンダとかぼちゃ味の米粉ドーナッツ。

店舗改装のため10月13日までお休みされるそうで、新装オープン後はワインやスイーツにも力を入れて行かれるそうだ。

 

 

愛・地球博記念公園の無料エリアだけでもジブリの雰囲気を味わうことができるし、むしろのんびりと過ごす方が性に合っているので、ジブリパークへはゆっくり行きたい。

 

君たちはまだ長いトンネルの中

 

2022.9.24 刈谷日劇 なるせゆうせい監督 『君たちはまだ長いトンネルの中』

 

これまでは舞台を中心に活動して来られたそうで、新聞社の上司役で出演されていた芦原健介さんとは舞台仲間なのだろう。

芦原監督作品もいくつか鑑賞していて、それぞれに独特な視点を持っているお二人の作品は今後も追って行きたい。

 

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タイトルを見ると青春の挫折や葛藤を描いている作品のように思えるがそうではない。

トンネルの中と表現しているのはバブル崩壊後にデフレスパイラルに陥って長期停滞している日本経済のことで、トンネルの先も暗く出口は見えない。

この原因をつっくたひとり、安倍晋三元総理大臣の国葬が多くの国民が反対する中で9月27日に行われる。

それに合わせるように24日から、在位が2,887日と歴代首相最長を更新した安倍政権を検証する映画「2887」の再上映が横浜シネマリンで始まり、安倍元首相を殺害したとして送検された山上徹也容疑者をモデルにした映画「REVOLUTION+1」が、26~29日に全国13カ所で緊急上映される。

今回の緊急上映では各館1回限りの上映で、この地方ではシネマスコーレにて27日20時30分より予定されている。

本作品に関して言えば、先の参議院選挙に間に合うように6月17日から公開されていて、選挙前にご覧になられた方は自分の1票の重みを改めて感じ、そして投票場へ足を運ばれたことだろう。

刈谷日劇国葬に合わせて上映したのではないと思うが、冒頭の授業のシーンでは主人公の女子高生(アサミ)がアベノミクスの3本の矢をパキンと折って、政策の失敗を指摘する。

 

 

原作は『マンガでわかるこんなに危ない!?消費増税』という書籍で、原作で解説をされている京都大学教授の藤井聡氏が映画の経済監修も担当している。

原作のターゲットである若者向けに撮られているためにとくに難しいことは言っておらず、政治に興味がないという方にこそ観ていただき作品である。

小学生でも高学年なら大丈夫だろうし、選挙権を持つ前から政治や投票について考える意味は大きい。

日本円で国債を発行している限り最後には日銀が買い手になるので日本国債が返済不可能になることはあり得なく、従って政府の債務残高がいくらになろうとも国家が破綻することはない。

「国の借金は国民の資産」と、アサミが言う通り。

但し、映画で伝えたいことは何が正しくて何が間違っているかの答えではなく、自分で調べて自分で考えることの大切さを描いていて、そうすれば自ずと答えは見えてくる。

 

 

朝まで生テレビっぽい討論番組のシーンで、司会者のネームプレートが田原総一朗ならぬ田原町総子になっていて、監督は愛知県のご出身なのかなと思っていたらお隣岐阜県のご出身で、なんど犬山城主成瀬家の分家の家系だそうだ。

だったらパネリスト役はたんぽぽの川村さんも良かったがそれより田原市出身の大久保佳代子さんだろうと思ったが、政治色が強い作品だけに事務所NGだったのかも。

かとうかず子さんやモト冬樹さんなど出演者にはもちろん内容について確認をされていて、ディスカッションを重ねて本番に臨まれたそうだ。

 

 

公開後4ヵ月を経過してのロングラン上映となっていて、今後も映画館での上映を中心に、学校や自主での上映会でも観てもらえればとのこと。

ソフト化や地上波で観てもらうためには超えなければならないハードルもあると思うが、それを越える意義は大きい。

安倍政権が若い世代からの支持率が高ったのは、トンネルの中しか知らない世代だからだったかも。

次回作の構想もあるそうで、社会派青春シリーズの視点は実に面白い。